コスパ重視で例のロゴが光らない? DELL、普及型のノートPC&ゲーミングノートPCの4機種を投入

DELL新型ノートパソコン発表会レポート

 デルテクノロジーは普及版16インチノートパソコン「Dell 16」と普及版16インチゲーミングノートパソコン「Alienware 16(X) Aurora」を発表。また、昨年度から進めているブランド統合に伴うネーミングルール改訂やその狙いなどが語られた。リリースされたアイテムの詳細などをレポートしたい。

紹介された製品の『Dell 16(DC16250)』。(『DC16251』の方は未発売のアイスブルーモデルを展示)

 『Alienware 16 Aurora(AC16250)』。こちらはCore Ultra 5/7だが、200Hシリーズと抑え目のスペックで、内部電源回路も最大115W。テスト機なのでキーボードが英語版だが日本で提供されるのは日本語キー配置とある。

 『Alienware 16X Aurora(AC16251)』。CPUにCore Ultra 9/7の200HXシリーズを使用し、液晶も上位のArea-51と同じだが、内部電源回路が最大155WなのでRTX 5070までの構成。またキーボードも全体で光る程度だ。

裏からみると左が参考展示されていた『Area-51』。ロゴも本体裏も光るが、Auroraの方は光らない。クリエイターにはこの方がウケがよさそうだ
Auroraのロゴアップ。光らないが、メタリック素材なのでライティングによっては怪しく輝いていた

 説明を行ったデル・テクノロジーズ株式会社ジャパンコンシューマー&リテールアソートメントプランナー兼コンサルタント 松原大氏はCES 2025での製品ネーミングルールの大改訂によって行われている製品の発表の一環と説明しており、今年は何度も発表会を行っており、すでにかなりの製品が改定されたという。

デル・テクノロジーズ株式会社ジャパンコンシューマー&リテールアソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏
黄色い部分が今回の説明製品。未発表は旧XPSの製品程度まで新ブランドラインナップが充実している

 以前のデルパソコンは販売ターゲット毎にサブブランドを設けていたが、これをDell(コンシューマーとSMB程度)、Dell Pro(製品管理性を重視するエンタープライズ向け)、Dell Pro Max(ワークステーション)の3ラインナップとした。

 製品グレードを示す4桁表記(基本3000/5000/7000シリーズ、一部製品は9000シリーズもあり)も無印、Plus、Plemiumすることで、パソコン製品を大きく9種類に分類している(同時に製品コードルールも発売年数を明示した液晶製品のように変更している)。

 例外はゲーミングパソコンで使用していた「Alienware」でこれはゲーミングパソコンブランドとして引き続き使用される。

 今回説明したのは、以前ならば「Inspiron/Vostro」ブランドとして販売されていた普及版のノートパソコンの16インチモデルと、同じく普及版ゲーミングノートとして販売されていたDELL Gの16インチモデルで、後者はDell Gブランドから「Alienware」ブランドとなった。

 Dell16はDC16250/DC16251で、両者の大きな違いは末尾0がプラ筐体でキーボードバックライトと指紋センサーのないコストパフォーマンス最優先の製品で、末尾1は一部アルミを使用した筐体でキーボードバックライトと指紋センサーも搭載される。カラーリングはDC16250がカーボンブラック、DC16251がミッドナイトブルーとなり、どちらも後日プラチナシルバーモデルが追加されるという。

 このシリーズは以前だとInspiron 16の名で販売されていたが、昨年個人向けのInspironと法人向けのVostroブランドが統合され、その結果プラスチック筐体のInspironが誕生している。今回の製品もこの流れを踏襲しており、価格は11万4000〜15万9000円(+バンドルソフトウェアとサポート内容の追加)の5SKU。

 ちなみに製品ハードウェアはfixでアルミニウム筐体が欲しい場合はCore7 150Uで1GB SSDとなり、メモリ16/32GBの選択しかないことに注意したい。なお、Dell 16は5月19日に発表、発売済みの製品となる。

旧Inspiron 16ともいえるDell 16。昨年のInspiron/Vostoro統合の関係でアルミボディとプラスチックボディがある。まずブラック系のモデルが発売され、後日プラチナシルバーモデルが追加投入される。BTO要素はなく、表にある5SKUで提供され、サポートやソフトウェアが追加できる程度だ

 ゲーミングパソコンの廉価版が「Alienware Aurora」となり、従来のAlienwareのミッドクラスとDell Gが共通で使用する名称だ。今回発表されたのが『Alienware 16X Aurora(AC16251)』と『Alienware 16 Aurora(AC16250)』となる。前者は上位製品のAlienware Area-51のお買い得バージョンとなっており、CPUや液晶パネルは同グレードのものを使用しているが、SSDがM.2 Gen4、キーボードバックライトが簡略化され、内部の電源レギュレーターも最大155Wと低いため、GPUの設定もGeForce RTX 5060/5070となっている。価格は27万9000〜38万9000円。

旧Dell GシリーズともいえるAlienware 16X Aurora。Dell Gシリーズゆえに過剰な装飾はないが16Xは上位モデルと同等のCPUや液晶を使用しており侮れないスペックだ

 『Alienware 16 Aurora(AC16250)』はさらに割り切った内容でCPUや液晶パネルも抑え目だ。内部の電源回路も最大115Wと減っており、内蔵GPUもGeforce RTX 3050/4060/5060となっている。価格は149000〜239000円だ。

 「Alienware Aurora」はキーボードにはバックライトが入ってものの、個別コントロールができず、天板のエイリアンロゴも光らないというさっぱりした外観で、最上位のゲーミングノートよりもお求めやすいスペックを求めるユーザーや、過剰に光るのは嫌と言うクリエイター向けの製品となっているといえるだろう。

Alienware 16 AuroraはCPUがCore Ultra 200Hシリーズで、液晶もややスペックダウンなものの大抵のゲームには対応する。GPUも5060止まりで、既存製品のアップデート向けといえる

 個人的にはAlienware 16 Auroraは外付けGPUは必要だが、モバイルワークステーションでは高価すぎると感じるユーザーや従来Windows 10のクリエイター向けノートパソコンを使用していたユーザーがWindows 11に合わせたリプレースに向いている感もある。なお、Dell GブランドからAlienwareブランドになったため、サポートもAlienware Care一年となっているのもポイントだ。

 製品のデザインワードは今年のAlienware 30周年に合わせたAW30となっており、幻想的なコンセプトでインターステラー インディゴという深みのあるカラーとなっている。なお、価格を抑えるためかfix構成でBTO要素はないところには注意したい。

Alienware AuroraはAW30というデザイン言語でカラーも渋い感じだ。Cyro-Chamberを使用しているところもゲーミングパソコンらしいが、Area-51と異なり冷却ファンは2つ

 Alienware Aurora 16(X)のキャンペーンとセールもあり、Alienware Aurora 16(X)の発売を記念したキャンペーンとして5月28日〜7月22日に銅製品をデル公式オンラインサイト、電話、LINEチャットで購入すると抽選でAlienware 18 バックパック - AW7825PかAlienware 16 バックパック - AW5625Pが各30名に当たる。応募は期間中に購入すれば自動応募で、当選者のみ8月下旬に商品が発送されるという。

新製品のAlienware 16(X) Auroraの発売を記念してバックパックが当たるキャンペーンを実施中。公式からの購入で自動エントリーとなる
さらに5月27日から半期決算・EARLY SUMMERセールが開始される。PC本体が最大24%offとなるほか、旧Alienwareも最大20%off、そしてAlienware Aria-51がセールに加わるので、旧製品をお買い得に購入できる

 発表会当日はゲストとしてインテル株式会社 営業部の佐藤義和部長とサイバーリンク株式会社 マーケティングディレクターの今澤浩之氏も登壇。佐藤氏は今回の製品に組み込まれたCPUの紹介を行い、今澤氏は同社の製品がすでにNPUを活用している事をデモンストレーションしていた。

インテル株式会社 営業部の佐藤義和部長

 佐藤氏はCPUに関して紹介。今回Alienwareで採用されているのはCore Ultraシリーズ2の二製品と特にAlienware 16X Auroraに採用されているのは上位製品のArea-51同様の200HXシリーズと紹介した。

サイバーリンク株式会社 マーケティングディレクターの今澤浩之氏

 今回はNPUを活用した『PowerDirector 2025 Ultra』と『PhotoDirector 2025 Ultra』を紹介。どちらもNPUでのエフェクトや補正が加わっているPowerDirector 2025 Ultraのリアルタイムエフェクトでは中央の人物を切り抜き、分身エフェクトがかかっている部分などが説明された。PhotoDirector 2025 UltraのAIノイズ除去。AI画像拡大でもNPUが活用されていた。

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