3COINSのガジェットはなぜ売れる? 開発担当者が明かした“オトナ女子”の意外な需要

3COINSのガジェットはなぜ売れる?

「デバイスカテゴリー」と「価格」の2つの壁

ーー見た目の可愛さやファッション性ももちろんですが、やはりデバイスでありながらも“低価格”であることが、人気の要因だと感じています。そのあたりのバランスはどう考えているのでしょうか?

堀内:正直1番難しいところですね(笑)。ほかのカテゴリーに比べて、デバイスはどうしても価格を下げられる幅が少ないので……。とくに女性は、価格のラインに対してシビアなんですよね。4000円じゃ買わないけど、3500円だったら買う、とか。

ーーわかります。たとえば2000円と1999円でも、気持ち的にはかなり違いますよね。

堀内:そうなんです。男性は5000円でもクオリティに納得したものであればポンっと買う人が多いと思うんですけど、女性はそうもいかない。300円と500円の商品があったら、やっぱり500円の方がいいものでないと買わない、というのがお客さまの心理なので。どのくらいの価格に設定して、それが果たして売れるのか、というところはいまもすごく考えています。

『ペルチェ付き4WAYファン』(税込1980円)

ーーこれは個人的な意見ですが、雑貨よりもデバイスを買う方が、お金を出すハードルが高いように感じます。

堀内:靴下やポーチだったら、何個持っていても可愛いし、よく“ついで買い”もしてしまいますよね。でも電気モノでたとえば1個3000円とかだと、お客さまのなかに『本当にいいのかな?』という葛藤が生まれると思うんです。

 そこに対してのアプローチの仕方もいろいろあって、『市場では5000円するけど3COINSなら3000円で買える』なのか、『世のなかが便利って言ってるから1回買ってみようかな』なのか、『この値段なら試してみてもいいか』と思わせるのか。そのアプローチ方法もアイテムによって使い分ける必要がありますし、価格のちょっとした刻みも大事にしています。そのバランスはけっこう戦いですね。

ーーしかも、女性にとって“デバイスを買う”ということ自体、ハードルが少し高かったりしますよね?

堀内:そうですね。イヤホンひとつとっても耳を塞ぐタイプ、塞がないタイプ、音質に特化している、運動に向いているものなど、どんどん新しいものが出てくるので、『どれを買っていいかわからない』って感じている人も多いのかなと。私自身、モバイル担当になってから知ることもたくさんあって、『世のなかってこんなに便利になっていたんだ……!』と気づくこともありました(笑)。興味のあるなしもあるとは思うんですけど、女性目線で考えるとなかなか情報を受け取る場所がなかったり、情報収集する人は少ないと思うんです。

ーー私もデバイスに興味がないわけではないのですが、具体的な数字とか性能の説明とかって、なぜかあまり頭に入って来ないんですよね……(笑)。

堀内:本当は規定としてたくさん情報はあるんですけど、『わからない』『難しそう』でシャットダウンしてしまう人も多いと思います。そういうお客さまに向けて、「こうやって使うんだよ」「こうすると便利なんだよ」という情報を、“友達から聞いたような距離感”で提案できたらと思っています。

 現場のスタッフからのコミュニケーションはもちろん、いまの時代はできることも多いので、店舗にモニターを導入したり、社内インフルエンサーの方に動画で紹介してもらったりしています。あとは字で読んでもらうよりも、動画の方が良さが伝わる側面もあるので、ライブ配信のコメントなどでお客さまと意思疎通を取ったりもしています。ただ、そもそも商品として“見た目が可愛い”から、「何これ、使ってみたい!」と思っていただけるのが3COINSの1番の武器かなと思うので、そこは今後も1番力を入れていくつもりです。

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