大容量の自分用ストレージが手のひらサイズに ポータブルでも使えるNAS『UnifyDrive UT2』の実力を検証してみた

スマホやPCの進化に伴い、一個人が保有するデータの量(プライベートでもビジネスでも)は増大する一方だ。これらに対する解決策としては、デバイスのストレージ容量アップ、クラウドストレージの利用などが筆頭となる。
しかし、そこに新たな手段を提案するのが日本に上陸した新製品『UnifyDrive UT2』だ。本製品は、ポータブルに使えるNASとなっている。
NAS(Network Attached Storage)とは、ネットワークに繋げられるストレージのこと。自宅で利用しているHDDやSSDなどのストレージに、外部からアクセスできる。Google DriveやiCloudのようなクラウドストレージと似た存在ではあるが、自分専用のストレージとして利用できるのがNASの強みだ。法人向けにも多く利用されている。
NASは便利ではあるものの、専門的な知識も求められるため素人では手が出しづらい存在でもあった。その難しさを解消しつつ、なおかつ据え置きではなく持ち出して使える画期的なスタイルを提案するのが今回の『UnifyDrive UT2』となる。国内のクラウドファンディングサイト『Makuake』にてキャンペーンが実施されている。
頼れるバックアップの相棒
こちらが『UnifyDrive UT2』の実物。NASを知っている人からすれば「なんて小さいんだ!」と驚くことだろう。従来のNAS、特にHDDで構成された一般的なNASは、小さなデスクトップPCにもせまるビッグなサイズだった。
『UnifyDrive UT2』では持ち運び専用ケースも想定しており、今後に別売りを検討しているという。ケースの他には充電用のアダプター、ケーブル類(USB-C、HDMI、イーサネット)、リモコンが付属する。
本体側面のメディアスロット側には、USB-A、USB-C、SDカードスロット、CFexpressカードスロットを搭載。例えばデジカメで撮影したSDカードスロットを本機に直挿しすれば、簡単にデータをバックアップできる。デバイスとの接続は、USB-C、イーサネット、HDMIに対応している。
SSDはユーザー側で用意する必要があり、最大で8TB+8TBの16TBストレージとして運用が可能だ。
『UnifyDrive UT2』本体にもバッテリーは搭載されているが、緊急的に使えるUPS電源(最大約1時間程度)となっている。そのため、基本的にはモバイルバッテリーやUSB充電器が必要。本体側にバッテリーを載せないことで軽量化や個別の運用方法にも対応できているともいえるが、この点は少々複雑だろう。
専用アプリから一括管理
では、『UnifyDrive UT2』を使うとどんなことができるのか。実例とともに紹介していこう。
上記は専用アプリを通じて『UnifyDrive UT2』にアクセスしている様子。『UnifyDrive UT2』内のデータをスマホから確認できており、しかも十数人が同時にアクセスできている。例えばロケ先で撮影した写真を『UnifyDrive UT2』にバックアップし、会社の人間が遠方からデータを確認することもできる。
写真や動画が入ったSDカードをスロットに接続し、側面のバックアップボタンを押すだけ。これでデータが『UnifyDrive UT2』内のSSDにコピーされる。PCを開くこと無くデータをストレージに移送できるのは大きなメリットであり、データの内容もアプリを介してすぐに確認ができる。
また、アプリを介してスマホ内のデータを『UnifyDrive UT2』側にコピーさせることも可能。『UnifyDrive UT2』内に集まったデータはフォルダ単位で管理、権限の付与もでき、写真や動画についてはローカルAIによる顔認識で自動でフォルダ分けもされる。なんと犬や猫なども自動分類してくれるという。
独自のネットワーク機能として、『UnifyDrive UT2』自身がアクセスポイント(APモード)になることも。地下のようなネットワークにアクセスできない場面でも通信ができるが、回線速度にはばらつきが見られた。アウトドアや海外などでは緊急的な手段として備えになるだろう。
他にも、『UnifyDrive UT2』からモニターにHDMIケーブルで出力すれば、最大8Kの動画再生が可能。UIの操作には付属のリモコンを利用する。ちなみに本機のスペックは、SoCはRockchip RK3588(4コアのCortex-A76+4コアのCortex-A55)を、メモリは8GB、NPUは6TOPSとなっている。
多機能なNAS、キミはどう使う?
非常に多機能な『UnifyDrive UT2』だが、その使い方は何通りも考えられる。外部で撮影した写真や動画を手早くバックアップ&シェアするのは、有効な方法だろう。NASという少々マニアックな製品ではあるが、使いやすいアプリや豊富な機能など、ユーザーが戸惑わないための配慮が随所に感じられた。
筆者の場合は、自宅に据え置いて自分用の写真ストレージとして使ってみたいと感じた。シリコンカバーを外せばここまでコンパクトになるため、自宅で使うのも場所を取らない。クラウドストレージに保存しきれなかった写真を『UnifyDrive UT2』に集約させれば、いつでも振り替えれる自分専用のクラウドアルバムを構築できる。
記事執筆時点で、Makuakeにてキャンペーンが開始、既に目標値を達成している。自分専用のクラウドストレージにロマンを感じた人は、ぜひキャンペーンの内容をチェックしてみてほしい。
参考情報
https://www.makuake.com/project/unifydrive_ut2/

































