14万円台から手に入るAI PCの実力は? デル「Ryzen AI 300」シリーズ搭載のノートPCに感じたこと

デル、「新型AI PC」3モデル登場

 デル・テクノロジーズから、新しいノートPCが発売されコスパの良い『Dell 14 Plus』、タッチ操作が便利な『Dell 14 Plus 2-in-1』、大画面が持ち味の『Dell 16 Plus』の3機種がラインナップ。

 デルは2025年1月にブランドの再編を実施しており、現在は「Dell」「Dell Pro」「Dell Pro Max」の3つのラインを軸としている。今回発表されたDell Plusは「Dell」シリーズに含まれるもので、グレードでいうとミドルにあたる(グレードはBase、Plus、Premiumの3つに別れている)。例えば従来の「XPS」はPremiumグレードに相当する。

 また、今回の3モデルはデルにとって初のAMDプロセッサー搭載Copilot+ PCとなる。2025年1月、デルとAMDは初の商用パートナーシップ締結を発表しており、今回の3モデルはその第一波というわけだ。

手頃な価格が魅力の14インチ

 『Dell 14 Plus(型番:DB14255)』は、14インチのシンプルなラップトップ。CPUはRyzen AI 5 340もしくはRyzen AI 7 350、メモリは16GBもしくは32GBが用意されている。

外装はデル伝統のアルミシャーシで軽量かつ冷却性も確保。

 ディスプレイは180度までフラットに展開できる。解像度は1920×1200pxの非光沢仕様。最大輝度は300ニト。

 インターフェースは左側面にUSB Type-Cを2口、HDMIを1口搭載。右側面にUSB Type-A、ヘッドホン端子を搭載。Type-CはPDおよびDisplayPort対応で、PCへの充電にもこちらを利用する。

 最小構成での重量は約1.52kg。バッテリー時間はMicrosoft Movies&TVアプリ視聴で最大19時間駆動。省エネを得意とするRyzenらしさを感じる、頼もしいロングバッテリーだ。

 価格は14万9,000円〜。デルのノートPCとしてはかなり手頃な価格帯で、なおかつCopilot+ PCにも対応しているなど、競争力は高い。

 なお、AMDを搭載したPCは型番の末尾が「5」になるのが新たなルールという。Intelプロセッサーを搭載したモデルの型番は末尾が「0」となるため、型番を見ればプロセッサーの違いがわかる。

タッチペン対応でタブレットのような使い方も

 『Dell 14 Plus 2-in-1(型番:DB04255)』は、上述した『Dell 14 Plus』のタッチディスプレイモデル。プロセッサーはRyzen AI 5 340、もしくはRyzen AI 7 350だが、メモリは16GBのみの提供となる。

 写真のように、ディスプレイは360度展開する。本モデルのディスプレイは光沢仕様で、解像度は1920×1200px。デルの『アクティブペン』にも対応している。

 折りたたんだ状態で操作をすれば、タブレットのような使い方も可能。重量は最小構成で約1.59kgとタブレットとしてはズシっと来るが、ラップトップ以外にも様々なスタイルをとれるのが2-in-1の強みだ。

 価格は16万4,000円〜。AI PCの操作においてタッチを活用したいなら、こちらもコスパの良いモデルといえる。

大画面&高解像度でクリエイティブ利用もカバー

 最後の『Dell 16 Plus(型番:DB16255)』は、3モデルのうち唯一の16インチモデル。こちらもRyzen AI 5 340もしくはRyzen AI 7 350で展開しているが、Ryzen 7モデルはフルHDよりも解像度が高いQHD+(2560×1600、非光沢)が用意されている。

 また、テンキーが搭載されているのも16インチモデルのみ。ディスプレイは180度まで展開する。インターフェース類は他2モデルと同様。

 価格は15万4,000円〜。16インチのノートPCとしてみればこちらもコスパがよく、動画編集のようなクリエイティブ業務を想定している人にとっては候補となりそうだ。

いよいよ始まる、AI PC時代

 2025年4月10日、Windows Insider Programのリリースプレビューチャネル(リリース前の機能を早期体験できるプログラム)にて、Recall機能がリリースされた。RecallはCopilot+ PCの目玉ともいえる機能で、度重なる延期を経てようやく実装目前というところにきた。

 Recall機能をオンにすると、PCは画面のスナップショットを自動的に撮影するようになる。スナップショット内の情報はすべてが検索対象となり、例えば「海が写っている写真」「◯◯社のリリースに関するメール」のような、口語的な表現での検索が可能。

 Recallはタスクバー右下に常駐し、選択するとRecallが起動し検索が可能となる。WindowsのAI機能において目玉となるRecallが実装されることで、AI PCやCopilot+ PCもようやく実力を発揮できるようになるだろう。

 そういった意味でも、コスパに優れたデル×AMDのAI PCの登場はタイミングが良いといえる。アルミシャーシは高価格なPCといったイメージがあるが、今回のモデルはPC初心者でも手が出しやすい価格帯だろう。

 ちなみに、2025年10月にはWindows 10、およびOffice2019・Office2016のサポートが終了する。PCの買い替えタイミングとしてはひとつの区切りであり、「せっかくなら話題のAI PCを使ってみようかな」と考えるユーザーも少なくないだろう。今回のDell Plusシリーズも、良い選択肢となるはずだ。

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