通勤・通学のニーズに応える 『ASUS Zenbook SORA』は日本ユーザーのために生まれた超軽量ノートPCだ

2024年2月4日、ASUSから新しいノートPC『Zenbook SORA』が発表された。既にCESにて同型マシンの発表はあったが、発表会では商品名を含めて日本ならではの細かなローカライズが施されていることが明かされた。発表会での情報を基に、その内容を紐解こう。
本機はASUSが展開している「Zenbook」シリーズの新たなモデルとなる。しかし、その開発アプローチの中心には「いかに日本のニーズにマッチさせるか」という、新たな切り口があった。
日本を意識した、SORAという名称
改めて、ASUSが展開しているノートPCを確認しておきたい。ゲーミングモデルを除けば、ASUSはクリエイター向けの「ProArt(プロアート)」、豊富なラインナップとコスパを強みとする「Vivobook(ビボブック)」、そして軽量薄型の「Zenbook(ゼンブック)」シリーズを手掛けている。
今回の『Zenbook SORA』は、このうちZenbookに含まれる、日本限定のマーケティングモデルとなる。本機はCES 2025の発表時点では『Zenbook A14』という名前であり、SORA(ソラ)の名前で展開されるのは日本限定となる。
では、どうしてSORAという新たな名称を用いたのか。そこには本機の開発経緯が関係している
市場の動向だけでなく、より具体的なユーザーインサイトを探る
『Zenbook SORA』は、ASUS本社のASUS Design Centerが開発を手掛けた。日本市場によりフォーカスした新たなZenbookの開発として2年前から計画されており、独自の調査も行われている。
調査の結果として、東京近郊の通勤・通学の平均時間は1時間42分かかること、彼らは屋外でノートPCを使う機会が多いためバッテリーへのニーズが強いことなどが判明したという。
これらの調査結果から、日本向けモデルは「軽さ」「薄さ」「バッテリー時間」を3本柱として開発していったとマーケティング部の熊谷歩美氏は述べる。いずれもノートPCとしては基本的な要素ではあるが、市場のモデルの多くはバッテリーをとれば重さが犠牲となり、軽さを優先すればバッテリーが犠牲になるといった一長一短なモデルが多いという。
軽さを実現するため、PCの外装には独自素材のセラルミナム(Ceraluminum)を採用。これはセラミックとアルミニウムを融合させた素材で、軽さと頑丈さを兼ね備えている。質感も石のような自然素材を思わせるものがあり、ノートPCとは思えない柔らかな印象だ。
結果として、『Zenbook SORA』の最軽量モデルは約899g、薄さは13.4mmとウルトラライトなノートPCとして仕上がった。カラーについても、日本のユーザーはファッションにもこだわりが強いというリサーチから、ザブリスキーベージュとアイスランドグレーという独自の色をチョイス。定番のホワイトやブラックにはないニュアンスカラーを思わせる印象で、ファッションやインテリアとも親和性が高い。
Qualcommチップでスペックもバッテリー時間もカバー
軽さと薄さをクリアしたら、次はバッテリーだ。そこで重要となるのが、『Zenbook SORA』が採用しているQualcomm社のチップとなる。
『Zenbook SORA』が搭載するチップは、Snapdragon Xシリーズ。このチップは高いNPU性能から、昨年登場したCopilot+ PCシリーズに幅広く採用されてきた実績がある。SnapdragonはAndroidスマートフォンへの搭載も多いモバイル特化のチップだが、Copilot+ PCをはじめとするAI PCへの搭載も増加傾向にある。
クアルコムジャパンマーケティング統括部長の泉宏志氏いわく、スマートフォンで培ったモバイル性の設計、統合NPUによる内蔵AI、そしてハイパフォーマンスかつ低消費電力に使える点が、Qualcommの強みとのこと。この特性は、バッテリー時間を伸ばしたい『Zenbook SORA』の設計思想ともうまく噛み合ったというわけだ。
また、QualcommがAI PC向けに展開しているチップは、いずれのTierにおいてもNPU性能がデチューンされていないのも特徴という。具体的にいうと、最上位モデルのSnapdragon X Eliteと、普及モデルのSnapdragon Xとでは、CPUのコア数に違いはあれど両チップとも45TOPSの高いNPU性能を備えている。
「空」のように軽やかで自由なノートPCへ
かくして、セラルミナムによる軽量薄型の実現、Qualcommチップ採用によるロングバッテリーを実現したのが『Zenbook SORA』というわけだ。スペックの優秀さもさることながら、デザインを含むファッション性にも妥協がないのも特徴といえる。
最後に、マーケティング部広報の藤原拓馬氏に『Zenbook SORA』の推しポイントを伺った。
「Zenbook SORAのターゲットは学生や社会人など、外でもノートPCを使いたい幅広い世代の方々です。充電器や教科書、資料など、持ち歩くものが増えていくなかで、Zenbook SORAは参考書1冊分ほどの薄さで場所も取りません。外装も頑丈なのでスリーブなしでも使えますし、ロングバッテリーなので充電器がなくとも一日利用できます。ぜひ外に持ち出して自由に使っていただければ幸いです」
「SORA」という言葉には多彩な意味があり、『Zenbook SORA』もユーザーそれぞれに馴染んで使ってほしいという思いが込められているそうだ。『Zenbook SORA』に触れれば「ノートPCは持ち歩くのが面倒」という印象も、きっと過去のものになるだろう。
なお、発表会に先立ってリアルサウンドテックでは本機のレビューを実施し、記事も公開しているので参考にしてもらいたい。
https://realsound.jp/tech/2025/02/post-1917531.html





























