OBT同接30万人超の『Mecha BREAK』 メカ好きを魅了する“懐の深さ”と、新モードが生み出す好循環

『Mecha BREAK』の懐の深さと新モードの好循環

 2月23日に開始となった『Mecha BREAK(メカブレイク)』のグローバルオープンβテストが大反響を呼んでいる。なぜ同タイトルはこれほどまでに支持を集めているのだろうか。その理由を考えていく。

中国・Amazing Seasun Gamesによる本格ロボットアクション『Mecha BREAK』

「Mecha BREAK」チカラ!スピード!一斉砲火!

 『Mecha BREAK』は、『スノウブレイク:禁域降臨』で知られる中国のゲームスタジオ・Amazing Seasun Gamesが開発/発売を手掛ける、チーム対戦型のTPSアクションだ。プレイヤーは、人型の機動兵器「メカブレイク」のエースパイロットとなり、世界的な危機を解決するべく、仲間たちとともに敵対勢力の撃退を目指していく。

 ゲーム内には、突撃型や狙撃型、偵察型、支援型など、10種類以上にも及ぶ機体タイプが登場する。それぞれの性能を生かしながらチームのパフォーマンスを最大化し、戦略的に敵を打倒していくことが、同タイトル最大のゲーム性だ。また、それぞれに個性的な3つのバトルモードが用意されている点も特徴のひとつ。プレイヤーは自身のスタイルにあわせて、ダイナミックかつスタイリッシュなメカアクションに没頭できる仕様となっている。

 今回開始となったグローバルオープンβテストは、PC(Steam)を対象にしたもの。終了時期は記事執筆時点で未定となっている。公式によると、正式リリースは2025年の春を予定しているとのこと。基本プレイ無料・アイテム課金型で、製品版はコンソールとPC(Steam)に対応するとされている。

『Mecha BREAK』に反響が集まる理由

Mecha BREAK - ゲームモードトレーラー | The Game Awards

 『東京ゲームショウ2019』で存在が明らかとなって以降、特にロボットアクションが好きなフリークたちから大きな期待を寄せられてきた『Mecha BREAK』。テストはこれまでにも何度か実施されてきたが、そのすべてが参加者を限定したクローズドの形だった。そうした背景もあり、誰でも参加できる今回のグローバルオープンβテストは、予想を大きく上回ると言っても過言ではないプレイヤー数を獲得している現状がある。

 Steamプラットフォームに関連するさまざまな情報を閲覧できるデータベース・SteamDBによると、テスト開始日の2月23日夜には、同時接続プレイヤー数が30万を突破。ウィークデーを迎えたその後も、ピークタイムには20万人以上がプレイするなど、驚異的な数字を記録し続けている。

 その反面、同プラットフォームに集まるユーザーレビューでは、全体の34%のみが「おすすめ」(残りの66%が「おすすめしない」)とし、中央値より1つ下の「やや不評」のレビューランクに分類されている。一説には、「不具合に過剰反応しているプレイヤーの組織票が不当な低評価の原因になっている」という話もあるが、そのようなトピックが界隈を賑わしていること自体が、同タイトルに集まる注目を裏付けるものであるとも言えるだろう。

 なぜ『Mecha BREAK』は、これほどまでに大きな反響を獲得しているのか。その裏には、メカアクションとしての懐の深さがあると考える。

 この手のジャンルではまず、主役である機体のデザインの良し悪しがユーザーの評価の明暗をわけやすい。この点において、同タイトルは初お目見えの時点から、メインターゲット層であるメカ好きの好感触を得ていた面がある。彼らにとっては「自らの憧れをどれだけ小さなギャップで具現化してくれるのか」が、メカアクションを評価する重要なポイントなのだろう。少なくとも『Mecha BREAK』の機体デザインは、物語/世界観に対する没入を阻害しないだけのクオリティを備えていたというわけだ。

 くわえ、こうした評価基準は、含まれるアクション性や攻撃エフェクト、機体タイプの数、マップデザインなど、さまざまな要素へと波及する。これらすべてにおいて、(ひかえめに表現して)及第点以上のクオリティであったこと、つまり、あらゆる部分に不足がなかったことが、支持の土台となっている面は見逃せない。

 また、それぞれに魅力的な複数のゲームモードを実装していたことも、『Mecha BREAK』の懐の深さをあらわす一部分だ。同タイトルには、3vs3の「エース序列戦」、6vs6の「境界戦場」、PvPvEの「マシュマーク」という3つのモードが存在する。このうち、最後のマシュマークは、今回のテストではじめてプレイが可能となった。基本的には、どのモードもオンラインでの対戦要素を含んでいるが、マシュマークにかぎっては、PvPvEと表現していることからもわかるとおり、そうした成分の比重が小さい。そのため、対人戦が苦手なプレイヤーも、さほど抵抗なくその世界に入り込むことができる。

 一時期、業界の一大トレンドとなるまでに台頭したオンライン対戦ゲーム(もしくはオンライン対戦要素)だが、最近では、特有の殺伐さを敬遠するプレイヤーが増えつつある実感がある。特にメカアクションは古くから、同要素との距離が近いジャンルであった。『Mecha BREAK』のマシュマークは、「ロボアクションは好きだが、対戦がしたいわけではない」という層の需要にうまく応えている面があるのではないか。

 彼らにとって、同ジャンルのタイトルをプレイする主要な目的は、前述したロールプレイであるのだろう。つまり、マシュマークは、はじめに紹介した“メカアクションとしての懐の深さ”と対になっており、それぞれに好循環を生んでいるとも言える。

Mecha BREAK - ゲームモードトレーラー | The Game Awards

 2025年春に予定されているサービス開始に向け、これ以上ないほどの箔が付いた『Mecha BREAK』。世代交代が進むオンライン協力・対戦ジャンルにおいて、『マーベル・ライバルズ』に続く成功作となれるか。大きく飛躍することを期待したい。

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