往年のゲームパソコン用ソフトから「ポケモン」最新作まで MCUによる「2024年に遊んだゲーム」10選

MCUによる「2024年に遊んだゲーム」10選

 さまざまな懐かしのハードが“ミニ”になって復刻したり、海外では中古ソフトの価格が高騰したりと、近年いろいろな意味であらためて注目が集まっているレトロゲーム。そんなレトロゲームについて、音楽業界随一のゲーマー&レトロゲームコレクターとして名高い、KICK THE CAN CREWのMCUがひたすら語り尽くす連載「MCUの『ゲーム横丁8丁目』」。

 連載第11回で取りあげるテーマは、「2024年に遊んだゲームトップ10」。ここ数年で最新ハード向けに発売されたゲームから、いまや珍しいゲームパソコン(※)用のソフトにいたるまで、MCUらしさ全開のラインナップとなっている。(編集部)

※……1980~1990年ごろに普及していた、コンピューターゲームの実行に特化したパソコン。

『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』(Nintendo Switch)

 まずはこれ、『オホーツクに消ゆ』。堀井雄二ミステリー3部作のひとつですね。いわゆる“ヤスじゃないやつ”です。残るもう1個、『軽井沢誘拐案内』は移植されないんですかね。

 こちらはNintendo Switch向けのリメイク版です。グラフィックが現代風にリニューアルされていたり、フルボイスになっていたりしてめちゃめちゃ良い。それでいて、裏ワザとかは健在なのもうれしかったですね。「めぐみのバスタオル」を選んで2分待つとか(笑)。あの裏ワザは、ファミコン版のころでさえ揉めたという話を聞いたことがあります。“頂点”のたった1ドットを描くかどうかで。

 そんなわけで、このリメイク版もめちゃめちゃ良いんですけど……結局、途中からファミコン版をやり直しちゃいました。僕にとってリメイク版は、どうしてもコレクターズアイテム的な位置付けになっちゃいますね。パッケージを開けると、裏面が、高田馬場・栄通りのキャバレー「ルブラン」のチラシ風になっていたりして。この感じ、いいっすよね。

 僕もいまだに、栄通りを通りがかるとあのゲートのところで写真を撮りたくなっちゃうんですよね。で、そのままゲーセンミカドに行っちゃうっていう(笑)。

『五等分の花嫁 ~彼女と交わす五つの約束~』(Nintendo Switch)

 こちらは完全に僕の趣味ですね。ゲームオリジナルストーリーが綴られるということで、『五等分の花嫁』ファンとしてはやっておかなければなと。ちなみに僕は四葉ちゃん推しです。

 ゲーム内容としては、昔、PCエンジンとかで出ていたデジタルコミックをイメージしてもらえればと思うんですけど、あれよりももっと選択肢が少ないような感じです。『ときめきメモリアル』とか『トゥルーラブストーリー』のような、いわゆる王道の恋愛シミュレーションゲームとは全然違いますね。クリアするだけならボタン連打していれば終わりますから。

 2023年に発売された最新のゲームにして、ゲーム性に関しては非常に原始的というか。でもまあ、いいんです。僕としても四葉ちゃんに会いに行っているだけで、それ以上でもそれ以下でもないので。

『ジャレコレ ファミコン編:バイオ戦士DAN インクリーザーとの闘い』(Nintendo Switch)

 僕はダウンロード版ってあまり好きじゃないんですけど、これは即買っちゃいました。この令和の時代に『バイオ戦士DAN』を出すというところが、さすがシティコネクション(開発・発売会社)さん。いい意味でぶっ飛んでますよね(笑)。

 Switch版になってタイトル画面も一新されているし、デモ画面もすごく増えたし。オリジナル版で音楽を担当したのは増子司さんでしたよね。『ボンジャック』や「女神転生」シリーズで有名ですけど。それを今回はシティコネクションに所属する作曲家の松本大輔さんがリメイクして曲を作ってくださっています。

 アチーブメント機能、プレステで言うところのトロフィー機能みたいなものが搭載されていて。エクストラページには、ファミコン版のパッケージ画像や、説明書、当時のフライヤーまでもが収められているんですよ。マニアにはたまらない開発資料も完備です。

『ジャレコレ ファミコン編:妖怪倶楽部』(Nintendo Switch)

 続いても「ジャレコレ」から。こちらも「ジャレコレ」版の『バイオ戦士DAN』と同じく松本大輔さんが曲をリメイクしてくださっています。オリジナル版は村田幸史さんの作曲でした。『妖怪倶楽部』の曲はめちゃめちゃいいんですよね。もうこれで曲を作りたいくらい(笑)。

 アチーブメント機能やエクストラページも……。ただ、設定資料はついていないと。おそらく残っていなかったのかもしれないですね。社内に。

 これもまた難しいアクションゲームですし、操作性も独特で、あまりにもジャンプ力が高すぎるところがあります。そういえば昔のアクションゲームにしては、ちゃんと主人公にアキラという名前がついているのが珍しいですよね。

『ASTRO BOT: RESCUE MISSION』(PlayStation 4・PlayStation VR専用)

 こちらはPS4のゲームなんですけど、PlayStation VR(PS VR)専用になっています。数あるPS VR対応ゲームの中でも、これが一番没入感があって、やり込みましたね。

 『バイオハザード7』もPS VRでやってみたんですけど、もう怖すぎて没入感どころじゃなかったです。半狂乱になって、自分の周りにあるものとか壊しちゃうんじゃないかと思いました。

 じつは以前、VRゲームをやっているときに本当に家具を壊しちゃったことがあるんですよ。VR初体験のときに、急に眼の前に出てきた敵のことをポンっと殴ったら、ちょうどそこにテレビがあって。それはそれはカミさんに怒られましたよ。もう即、次の日にテレビを買いに行きましたね。

 あと『サマーレッスン』もやって、あれはめちゃめちゃ好きなんですけど、部屋にこもってやりづらいというデメリットが(笑)。どうしても家族の目が気になっちゃいます。

 それに比べると、『ASTRO BOT: RESCUE MISSION』は満点ですよ。これは娘とも遊びました。中学1年生の娘と一緒にリビングでやれるようなゲームって貴重なんですけど、これはもう一緒にワーキャー言いながらできた思い出深いタイトルです。

 VRゲームとしての没入感もすごいし、アクションゲームとしてのゲーム性や操作性もスキがない仕上がりで。1回クリアしたステージも何回だってやり直したくなっちゃうくらいなので、もし遊んだことがない人がいたら、絶対にやったほうがいいと思います。

『エクセリオン』(SC-3000)

 つぎは相当古くなりますけど、SC-3000版の『エクセリオン』ですね。アーケードのオリジナル版やファミコン版は当時遊んでいたんですけど、SC-3000版だけはやっていなかったので今年になって買いました。

 ジャケットはカッコイイんですけど、肝心のゲーム面はというと、オリジナル版やファミコン版に比べて動きに違和感があります。『エクセリオン』って独特な浮遊感があるじゃないですか。それがちょっと欠けちゃっているのかな。そのせいで違うゲームになっているのかなと思ったり。

 あと、SC-3000版はキャラの色が単色なんですよ。画面だけ見ると『エクセリオン』には思えないという。でもこれはこれで、良き味わいがあって好きでした!

 ジャンルとしては画面固定型のシューティングで、すごく独特なゲームだなと思ったのが当時の第一印象でしたね。BGMもほとんどなかったんじゃないかな。

『チャンピオンシップロードランナー』(セガ マイカード)

 これは『チャンピオンシップロードランナー』。マイカード版ですね。その名の通り薄いカード型のROMで、半透明のスリーブに収まっているんですけど……スリーブが経年劣化でベタベタしてきているので、そろそろ交換しないと。

 あ、そういえば代えのスリーブを注文していて、入れ換え作業をやろうと思っていたんだった。今年の俺の大掃除は、マイカードのスリーブ交換ですね(笑)。

 それにしてもマイカード版のジャケは最高ですよね。真ん中に描かれている主人公がキーンという名前で、今作から名前が明かされたんですけど。そのキーンが吹き出しで、「キーボードなしでもゲームが創れるよ!!」としゃべっているというか、言わされている(笑)。

 たしか、前作のマイカード版のジャケットイラストでも何か言わされていた気がします。ファミコン版だともうちょっとポップな絵柄で、音楽もアンダーグラウンド感というか、めちゃめちゃ哀愁のあるいい曲なんですよ。

『PC Engine Best Collection 天外魔境コレクション』(PlayStation Portable)

 きました、『天外魔境コレクション』。もうパッケージ見ただけでワクワクしちゃいます。当時から「天外魔境」シリーズは大好きで、第1作~第3作まで全部やってきたんですけれども、いまとなってはストーリーもうろ覚えの場所もあって、これでイチからやり直しました。

 ハドソンさんが出したRPGで、オリジナル版はPCエンジンのCD-ROM²用として発売された最初期のゲーム。言わずと知れた名作です。

 CD-ROMなので、キャラクターのセリフに豪華声優陣によるボイスが付いていますし、音楽を手掛けたのは坂本龍一さんですからね。あらためて聞くとすごいな。第2作目では久石譲さんでしたし。

 RPGの中でイチバン好きなゲームかもしれないです。僕は『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』よりも、『天外魔境』で育ったようなところがあります。そもそもスーパーカセットビジョン派だったので。

 そんな僕から言わせてもらうと、「天外魔境」シリーズは『II』→『風雲カブキ伝』(第3作)→『ZIRIA』(第1作)の順にやるのがオススメです。個人的な意見ですが、この順番のほうが入り込みやすい感じがします。

 そして、『天外魔境コレクション』をやるならこっちもやるべきなんじゃないかというのが『天外魔境 第四の黙示録』なわけですね。“絵師”の辻野寅次郎さんが手掛けたイラストが、もう素晴らしくって……。

 これは有名な話ですけど、「天外魔境」シリーズを手掛けたレッドカンパニーの広井王子さんは、当時、アニメの『魔神英雄伝ワタル』を放送しようとしていたんだけど、なかなかスポンサーが集まらなくて苦労していたみたいなんです。

 そこでハドソンさんがスポンサーに名乗りを上げて、晴れて『魔神英雄伝ワタル』が始まったんですけど、「アニメのスポンサーになる代わりにゲームを出しませんか?」と提案されて、それが「天外魔境」シリーズが生まれるきっかけになったそうなんですよ。

 それから広井さんは構想を練って、辻野寅次郎さんにも声をかけたんです。電話を受けた辻野さんはちょうど飲み会帰りだったらしいんですけど、翌日には土砂降りのなか新井薬師(東京都・中野区)の広井さんのところまで行って、「一緒に天下を取ろうぜ!」って盛り上がったんだとか。めっちゃいい話ですよね。

『プロジェクトメイクオーバー』(iOS/Android)

 これまでとは打って変わって、スマホゲームですね。これはもう完全に電車の中でやる用の暇つぶしゲームなんですけど。画面のここに書いてある「1280」って表示、これなんだかわかります? 1280ステージまでクリアしてるってことです。気付いたらこんなことになっていましたね。

 ジャンルとしては、ファッションをテーマにしたパズルゲームです。キャラクターの身なりを整えたり、着せ替えたり、部屋のコーディネート要素があったりとかもして。その中にそれぞれの生い立ちが語られるストーリーもあるんですけど……。

 僕はストーリーに一切興味がなくて、パズルゲームを遊ぶためだけにずっとやっています。遊んでいるとたまにボーナスタイムがくることがあるんですけど、くるタイミングが読めないので、気付いたら降りる駅を乗り過ごしていたことも何回かあります。

『Pokémon Trading Card Game Pocket』(iOS/Android)

 最後は『ポケポケ』です。最近始めたんですけど、この手軽さはすごいですよね。それこそカードを集めるだけでも楽しい。バトルのほうは娘が小学校低学年くらいのころに一緒にやっていた思い出もあって、ひと通りのルールは知っているんですけど、ほぼほぼカードを集めることに専念しています。

 このパック開封の画面がすごく好きで。開ける感じがたまらないんですよね。課金しなくても1日2回は無料で開けられるので、毎日のルーティーンとして楽しんでいます。

 じつは僕、「ポケモン」のことがちゃんと好きになったのって『ポケモンGO』からなんですよ。もちろんその前から存在は知っていましたけど、『ポケモンGO』で彼らのかわいさを知って。

 一度ハマったら原点から知っておきたいタイプなので、そこから『ポケモン 赤緑』をやり始めて、漫画とかも読んで。アニメも娘と毎週観ていましたね。いまはサトシが主人公じゃなくなっちゃったから、サトシロスになっちゃって観れていないんですけど。

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