80年代ゲーム雑誌の広告は“宝の山”にして“至高のおつまみ”だった

80年代ゲーム雑誌は“至高のおつまみ”

 さまざまな懐かしのハードが“ミニ”になって復刻したり、海外では中古ソフトの価格が高騰したりと、近年いろいろな意味であらためて注目が集まっているレトロゲーム。そんなレトロゲームについて、音楽業界随一のゲーマー&レトロゲームコレクターとして名高い、KICK THE CAN CREWのMCUがひたすら語り尽くす連載「MCUの『ゲーム横丁8丁目』」。

 連載第10回で取りあげるテーマは、「ゲーム雑誌」。1980年代に刊行されたゲーム雑誌たちのページをめくりながら、それぞれにまつわる思い出や、印象的だった企画記事、ゲーム広告の衝撃的なキャッチコピー、いまだからこそ気付けるゲーム雑誌の魅力などを、ざっくばらんに語ってもらった。

 なお今回は、パソコンゲーム雑誌『ログイン(LOGiN)』の6代目編集長を務め、当時のゲーム雑誌業界に精通する高橋ピョン太(本連載では聞き手を毎回担当)との対談形式でお届けする。(編集部)

1980年代の空気感が色濃く反映されている『ログイン』

MCU:『ログイン』は、数あるパソコンゲーム雑誌の中でも、その当時の時代性を最も色濃く反映している雑誌なのかなと思います。

 いまもこうしてパラパラとページをめくってみていますが、このあたりだけを見たらパソコン雑誌とは思えないです。こことか、なぜか企画でプロレスやっていますから(笑)。

 あと、『ログイン』って『ベーマガ(マイコンBASICマガジン)』や『MSXマガジン』とかよりも、妙に広告ページが多かったようなイメージがあります。広告が多すぎて、なかなか記事まで行き着かないんですよ。

 ただ、当時のフライヤーを取り込んで掲載しているという、その取り込みかたが味わい深かったり、そこに書いてあるキャッチコピーがまた良かったりもして。これと比べると現代の広告は、逆にわかりやすすぎると思うんですよね。それが悪いわけじゃないんですけど、その商品の説明を完璧にやりすぎてしまっていて、想像の余地がないというか。

 当時はこの広告ページを見るのが楽しかったんです。ゲーム雑誌なのにプラモデルの広告が紛れていることもあるし……。これなんかは、エニックスさんのクリエイター募集広告ですね。ホイミスライムがデザインされていて。なぜこのチョイスなんでしょう。現場も相当に疲弊していたってことなんでしょうかね(笑)。

ピョン太:ホイミといえば回復ですからね(笑)。

いま見るとツッコミどころ満載なゲーム広告のキャッチコピーたち

MCU:続いては『ファミ通』の創刊号です。何年か前に復刻版が発売されたこともありましたけど、こちらはもちろんオリジナル版。記念すべき初回の、表紙の裏の広告は『スーパーマリオブラザーズ』と。さすが、デカいタイトルを持ってきています。まさかここで『アレックスキッド』ってわけにはいかないですよね(笑)。

 最近の『ファミ通』にも売り上げランキングはあると思いますが、創刊号のランキングには『ドラゴンクエスト』に始まり、いまでも語り継がれるようなものばかりですね。

 『ポートピア連続殺人事件』の広告もありますね。「謎を秘めて好評発売中!」って当時なら違和感ないキャッチコピーですけど、いま思うと「犯人はコイツだろ」とか思っちゃいますよね。

 『影の伝説』の「忍法、やる気。」というコピーもツッコミどころ満載で。そもそも、ゲーム中にそこまで忍法とか出てこないですから。だから、プレイヤー側の“やる気という名の忍術”でこのゲームをクリアしてくださいという意図なのかなとか。

ピョン太:そうですね。シンプルなアクションゲームでした。

MCU:『SQOON(スクーン)』には「地球沈没!!」と、だいぶ物騒なことが書かれています。昔はこういう大げさなコピーも多かったなと。実際、『SQOON』のストーリーはかなり長くて、説明書で4ページくらいにわたって物語られるわけですよ。

 ふつうのシューティングゲームかと思いきや、「オトト星人」に地球が侵略されちゃってさあ大変みたいな話から始まり、その裏でも色々と話が動いていて……みたいな。まさにこの広告のわちゃわちゃ感どおりの、パニック状態なストーリーになっているんです。

 だいたい、主人公も悪者なんですよね。海賊の大泥棒みたいなヤツが、地球の偉い人から指令を受けて地球を救うという。

憧れのアイドルがゲーム雑誌に

MCU:創刊号からちょっと経った後の、これは第4号ですね。昭和61年だから……1986年の8月1日に発売されたものですね。ちなみに、ちょうど8月1日は僕の誕生日でもあります。

 表紙イラストは『ディグダグ』で、このテイストも格好いいし、見せかたもシンプルで、なんかこのまま飾っておきたいくらいです。

 この号では『BANANA(バナナ)』が紹介されていますね。キャッチコピーは「たまには頭も使いたい」と、パズルゲームらしくてこれまたいい感じ。僕は当時あまりプレイしていないんですけど、あらためて見るとそそられます。

 「KYON²先生のファミコンソフトご批評」という新連載も始まっているじゃないですか。KYON²こと小泉今日子さんをはじめ、ゲーム雑誌ってアイドルの方とコラボして対談とかをしている企画がよくありましたよね。

ピョン太:この「KYON²先生のファミコンソフトご批評」は、小泉今日子さんが出演されていたラジオにコーナーを立ててもらって、一緒にやらせてもらっていた連載です。

 この前号までは、アイドルの方にファミコンをやってもらう「ファミコン出前一丁」という連載に出てもらっていて、そこからコーナーとして独立したという流れだったんです。持ち運べるよう改造したファミコンを取材に持っていって、その場でアイドルに遊んでもらうという企画だったから“出前一丁”だったんですけど。

MCU:たしかに、KYON²は『ファミ通』との関わりが深い印象がありますね。そんな憧れのアイドルの連載記事の後には、こちらも誰もが憧れる(?)ファミオの登場ですね。このファミオに扮しているのは当時の編集者さんですか?

ピョン太:いや、アルバイトの子ですね。彼は東大の学生で、『ファミ通』の編集部でバイトをしていたんです。当時の編集部内では、社員・契約社員・アルバイトという肩書にこだわらず、全員同列に扱うという不文律があったんですよ。

「ジイさんになるまで、やってなさい。」、「2001年の大人(クリエイター)たちへ。」――シビれるキャッチコピーたち

MCU:ここには付録がついていて……今回は、ウラ技コマンドをカンニングできるようになるシールですね。カセットの裏に貼るタイプの。中古ショップで剥き身で売られているようなカセットには、たまにこういったシールが貼られていたりして、それがまたいい味出しているんですよね。

 そして、ここまでめくってきてようやく『ファミ通』の広告ゾーンに差し掛かるわけなんですけれども。こちらには大西結花さんがいらっしゃって。大西結花さんといったら『スケバン刑事III』じゃないですか。

 あっ、『ガルフォース』のチラシが載っていますね。このゲームにはチラシのパターンがいくつかあったと思うんですけど、これは男の子の横顔が写っているパターンですね。

 「ジイさんになるまで、やってなさい。」という、これまた強気なキャッチコピーが書かれていて、そこに『ガルフォース』のロゴが控えめに入っているところなんかも最高ですよ。

 ちょっと話は変わるのですが、当時からナムコさんのキャッチコピーは格好いいなと思っていました。

 たとえば、『ワルキューレの冒険』と『バベルの塔』のキャッチコピーとして使われていた、「2001年の大人(クリエイター)たちへ。」とか。「大人」に「クリエイター」というルビが振ってあるという。あとはCMで使われていた、「クーソーしてから寝てください」も頭から離れないんですよね。

 ここ、「ついに出るぞ!」というアオリ文が書いてあるのは『ドラゴンボール 神龍の謎』なんですけど。いま見るとおもしろいのは、この広告と製品版とでカセットの色も違えばジャケットもちょっと違うんですよ。きっとまだ開発中で、プロトタイプ的なものを出していたのかなと。こういう発見があるところもたまらないです。

いまだったらアウト!? 強気すぎるキャッチコピーや迷広告も

MCU:『シティ・アドベンチャー タッチ ミステリー・オブ・トライアングル』のキャッチコピーも結構好きです。「子犬をたずねて1メガビット」。『母をたずねて三千里』のパロディだと思いますけど、語呂がよくて声に出すと気持ちいい。「行方不明になった子犬にかけられた九つの謎」という見出しも味わい深いです。

 そしてこれですよ! デービーソフトの『うっでいぽこ』の広告なんですけど。ゲームデザイナーの小林(貴樹)さんの写真の横に、「ぽこんとこよろしく」というキャッチコピーがデカデカと。

 それでもって右下には「そこの とおさん ここは とおさん」とか、「いそいで といれに いっといれ…てへへっ」とか、「おっとせいの あたまから びーちぼーるを おっとせい」なんてダジャレが書き連ねてあって。

 ゲーム画面の写真なんて1枚もないですから。小林さんとダジャレしか載っていないので、どんなゲームかなんて全然わからない(笑)。アウトかセーフかで言ったら、ギリギリアウトでしょう。

 こちらは『ディーヴァ』。「はっきり言って、次元が違う。」……強気なキャッチコピーが多いですね。

 『ザナドゥ』もめちゃめちゃ煽ってきてます。「おこさまランチで満足している君たちには無理かもしれないけどね」とか。いや、無理に決まってますよ。やっぱり難しいゲームですし、まず英語仕様だったんで。だから「脱・おこさまランチ」なんて銘打っているんでしょうね。

 お、後藤久美子さんのデビューシングルのフライヤーと、ファンクラブ会員募集の広告がありますね。まるで某ビジネスホテルの女社長みたいなテイストです。もしかしたら後藤さんに影響を受けているのかも?

ピョン太:世代的にも、あり得るかもしれませんね(笑)。

マップ図解攻略ページは“マッパー”たちの職人技でできていた

MCU:このページには『グラディウス』の攻略が掲載されていますね。各ステージの全体マップも載っていたりして。当時のマップ写真の作りかたとかよく聞きますけど、いまみたいにスクリーンショットが簡単に撮影できるわけじゃないから、暗室の中で場面写真を1枚ずつ撮って合成していくという、とてつもない労力をかけていたと。

ピョン太:そうですね。僕も当時は誌面掲載用のマップ作りを手伝っていました。『グラディウス』は横スクシューティングなので、自機はもちろん2枚の写真にまたがって写ってしまっている敵を切り取って消す必要があるんですが、そうやってカットしてつなげる職人みたいな人が編集部にいて。彼らのことは“マッパー”と呼んでいました。

MCU:うわ、“マッパー”って聞いたことありますね。これって、画面が強制スクロールしていくわけですから、適宜ポーズをして撮影するんでしょうか?

ピョン太:ゲーム側でポーズ機能が用意されているソフトならばそれでいいんですけど、ポーズ機能がないゲームもありますから。じつは撮影用に特殊な機材を使っていました。

MCU:それこそ裏技じゃないですか!

在りし日の“ポケモンの生みの親”の姿を発見

MCU:この白黒ページの雰囲気も、『ログイン』を継承している感じがあっていいですよね。

ピョン太:ちなみにこのページの執筆者である「田尻」って、『ポケットモンスター』の生みの親の田尻智氏ですね。

MCU:ええっ、あのゲームフリークの!?

ピョン太:そうです。彼はもともと『ログイン』の編集・ライターをやっていて、『ファミ通』ができたときにこちらでも書くようになったんです。

MCU:そうだったんですか! 人に歴史ありですね。……あ、こちらには水野店長がいますね。やはり僕ら世代だと一番先に思い浮かぶのは水野店長なんじゃないかなと。

 こっちでは、なぜかドナルドダックの52回目の誕生日が祝われていたり。ここの、『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』って映画ですか? 映画の、しかもちょっとB級チックなものの紹介ページなんかもあったりして。

ピョン太:このあたりは完全に編集者たちの趣味ですね(笑)。

MCU:あと、読者プレゼントの景品が、ダブルデッキってとこも懐かしさが込み上げてきますよね。時代が出ています。

子どもたちを熱狂の渦に巻き込んだ「禁断の秘技」&「ガバス」

MCU:こうして読み比べてみると、やっぱり『ファミ通』は広告ページが少ないような気がしますね。

ピョン太:これは創刊号ということもありますけど、後の号でも広告ページのボリュームは多くはないと思いますね。

MCU:そのせいか、『ファミ通』はゲーム雑誌の中でもトップクラスに情報量がギュッと詰まっている雑誌だった印象があります。……うわ、この「禁断の秘技」ページなんか懐かしい! 当時はどの雑誌にも“裏技”の紹介ページがありましたよね。

ピョン太:昨今だとバグはすぐにアップデートで修正されちゃいますけど、当時はROMカセットだからすぐに直せないですからね。

MCU:バグ技という文化そのものがなくなりつつあるのは寂しいなと。『ゼビウス』なんかがバグ技の走りなのかな。あれはプログラマーが隠し要素を仕込んでいて、上から「隠し要素なんて入れちゃダメ」と言われたけども、「バグで勝手に出ちゃうんです」と強引に押し切って製品版にも搭載されることになったという逸話を聞いたことがあります。

 それがプレイヤーたちのあいだで熱狂を生んだから、後年の『パックランド』とかでは意図的に隠し要素が入れられたりしていて。当時のキッズたちが血眼になって探したわけですよね。

 あと、当時のキッズたちを熱狂させたものといえば、こちらの「ガバス」も外せないかなと。いまの時代も変わらず残っているこのシステムなんですけど。毎週、ページに印刷された「ガバス」を切り取って集めて、「あいことば」といっしょに編集部に送ることでプレゼントがもらえるというアレですね。

 紙幣チックなデザインになっていて、ちゃんと裏面まで印刷されているところも芸が細かいですね。ちなみに「ガバス」の引き換えに必要な「あいことば」は毎回めっちゃ簡単で。これは編集部の優しさだよなと感じるんですけど、まさか間違える人なんていませんでしたよね?

ピョン太:いや、いましたね(笑)。ウケ狙いだったんじゃないかなと思うくらいで。

MCU:いや、だって間違えたらプレゼントもらえなくなっちゃうんですよ!? 体を張ったギャグですね(笑)。

誌面に華を添えたイラスト&漫画コーナー

MCU:『ファミマガ』の特徴と言ったら、やはりオリジナルのイラストですよね。ここの『迷宮組曲 ミロンの大冒険』の絵はまだ原作に寄せている印象があるからいいほうなんですけど、なかには「描き手の絵心が爆発しちゃった」みたいなものもあって。

 ゲーム雑誌といえば、漫画コーナーもみどころですよね。こちらは『ファミマガ』で連載されていた、みなづき由宇先生の『あこがれてエンジェル!』ですね。絵のタッチも『ファミマガ』らしい感じで、どちらかというと『コロコロコミック』チックな感じがまた。

 『ファミマガ』にはオリジナルの手描きイラストがふんだんに散りばめられているわけですけど、こういったイラストレーターさん的な方は各雑誌の編集部にいたりするものなんでしょうか?

ピョン太:いましたね。イラストを描く専門の人がいました。

MCU:その人だけお給料が高かったりとか?

ピョン太:いや、それはなかったはずですよ(笑)。

MCU:そうなんですか……! だって明らかに大変じゃないですか。尋常じゃない量を描いていて。

「ウル技」に大興奮、「ウソ技」で大混乱……。

MCU:裏ワザコーナーといえば、個人的には『ファミマガ』のイメージが強いです。『ファミマガ』流で言えば「ウル技(テク)」ですね。

 『ファミマガ』の「ウル技」コーナーには、毎回ひとつだけ「ウソ技(テク)」――つまりはガセネタが紛れていて、それを見抜いた正解者はプレゼントがもらえるというシステムがありました。

 この「ウソ技」がかなりのクセ者で、パッと見で「どう考えてもこれはウソだろ」とわかるようなものはいいんですけど、たまに本当っぽいものが紛れていると超大変なんですよ。

 これ、躍起になって試した後に「ウソ技」だとわかってトラウマになった方も多いと思うんですけど、有名どころで言うと「『水晶の龍』で野球拳のミニゲームが遊べるようになる!」とかね(笑)。

 当時はもちろんネットで検索もできないから、自分と周りの友人の中だけで検証しなくちゃならないわけで。

 ちなみにこのときは、前号の『ドラゴンバスター』で“秘密の剣”が出るというのがウソ技でした、と。これなんかグラフィック的にも嘘臭い感じがあるからいいんですけど、わかりにくいやつは本当に困ります(苦笑)。

 『グラディウス』のオプションが増える! とかも、結構わかりづらかったですね。そうやって翻弄されることすらも楽しかったんですけど。

スパカセユーザー希望の星『ゲームボーイ』

MCU:最後に紹介したいのは、やっぱり『ゲームボーイ』です。この猫のロボットがイメージキャラクターのあまり有名ではないゲーム雑誌なんですけれど。

 以前、スーパーカセットビジョン(以下、スパカセ)について語らせてもらった回でも触れたと思うのですが、この雑誌の魅力はなんといっても僕がユーザーだったスパカセを扱ってくれていたことです。

 当時はスパカセを取り上げてくれるゲーム雑誌がほぼなかったので、『ゲームボーイ』は欠かさず買っていた記憶があります。

 その代わりというか、ほかのゲーム雑誌であったようなマップ攻略とかはあまり力を入れていなかったようですね。このページとかも、ゲーム内のマップ画面をただ貼り付けただけみたいなデキで、お世辞にも丁寧なつくりとは言えない。いや、見づらっ!(笑)

 『1942』とか、このゲームを取り上げるならマップはぜひとも欲しいところなのに載っていないですから。

 漫画ページには『ファミコンジョー』が連載されていますね。あまり知られていない漫画かもしれないですが。いわゆる『ファミコンロッキー』のような感じ。

 広告ページではゲームのほかにも、ラジコンとかのおもちゃ全般、ビデオデッキ、ラジカセなんかの広告も載っていて。どことなく少年誌的な雰囲気がありますよね。

景品としての掲載すら「扱ってもらえた!」と心躍らせた

MCU:それで、このあたりからが僕は一番好きでよく読んでいたんですけど、SEGAのSG-1000のソフトを扱うページです。ただ、いまあらためて見ると当然のごとくマップは載っていないし、重要なステージを飛ばし飛ばし紹介したうえで、だいたいの攻略法を文章で示してあるだけですね。

 こっちは『チャックンポップ』。セガのマイカードで発売されたソフトです。

ピョン太:なるほど。確かに、幅広いハード・ソフトを扱う雑誌だったことがわかりますね。

MCU:そうなんです。で、ここですよ! スパカセのページ。こんな風に見開きで2ページにわたって紹介してくれるゲーム雑誌なんて、なかったですから。この裏のページにも載っているから、合計3ページですね。

 この当時、スパカセで『トントンボール』が出たころなので、ちょうどファミコンで『スーパーマリオブラザース』が発売された時期なんですよ。そう思うとなおさら、スパカセにこれだけのページを割いてくれていたのはありがたいですよね。

 僕なんか、ゲーム雑誌を読んでいて読者プレゼントのページに景品としてスパカセがあるだけでも「1回」とカウントしていましたからね。スパカセを扱ってくれた回数として(笑)。同じような心境のスパカセユーザーは当時多かったと思いますよ。

“晩酌のオトモ”に最適なゲーム雑誌の条件とは

MCU:あらためて読み返してみても、あの時代のゲーム雑誌はやっぱりおもしろいなと思います。その時代を生きた人間だからかもしれないですけれど。あのころ、雑誌から手に入る情報は本当に貴重でしたからね。いまはもう、何でもすぐにネットで調べられちゃいますけど。

 でも、攻略を自分たちで探さないと先に進めないからこそ、飽きずに熱中できたところもあったと思います。

 『ログイン』に関しても、いま読んだほうがいろいろと発見があります。大人になってからわかることって多いですよね。「あのとき、こんなことがあったんだ」みたいな。お酒飲みながらね。

 そうそう、『ログイン』って、晩酌しながら読むのに最適なんです! あらゆるゲーム雑誌の中で、一番お酒に合うのが『ログイン』。なんというか、ちょうどいいんですよね。

 ゲーム紹介とか攻略とかを読むのもおもしろいんですけど、やっぱり『ログイン』は広告が多いので。その当時を懐かしむ意味もあるし、何より酔ってくると細かい字が読めなくなってきちゃうんですよ。だから最終的には、『ログイン』の広告ページに落ち着くんです(笑)。

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