代官山 蔦屋書店でオーディオガジェットをリアル体験 見て・聴いて・触って違いがわかり、多くの驚きの声も

オーディオガジェットをリアル体験 

 今年7月に第1回が開催された、オーディオ評論家の野村ケンジ氏と代官山 蔦屋書店、そして「リアルサウンドテック」によるイベント企画『リアルサウンドテック×野村ケンジ オーディオLABO』。先週末の11月30日~12月1日に、早くもその第2回となる『オーディオLABO Session2』が、前回同様に代官山の蔦屋書店1号館 2階 音楽フロアで開催された。

 「そもそもは、代官山でイベントを開催することで、マニアではない人たちにも上質なオーディオ製品に触れてもらう機会を作りたいと考えました。またオーディオメーカーのスタッフに、自分たちの製品についてのユーザーの声を直接聴いてもらう、製品を手にしてもらう喜びを知ってもらいたいと思っていました」(野村氏)という思いが叶い、前回は大好評だったそうだ。それを受けて、わずか半年で第二回の開催が決定、出展も6社9ブランドに増えている。

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前回に続いて、鶴田麗子さんが会場の案内を担当。鶴田さんもイヤホン、ヘッドホンに興味津々とのことです。

 会場となったのはエスカレーターを上った正面のオープンスペースで、ここに6社のブースが並び、すべての展示製品を試聴できるようになっていた。さらに気に入った製品は(一部を除いて)購入も可能で、しかもイベント出展製品限定でVポイントが5倍付与されるというキャンペーンも開催されており、購入を迷っていた人の背中を押していた。

 来場者の中心はお子さん連れのファミリー層や友達同士で遊びに来た若者たちで、「最新機種が試聴できますよ~」という呼びかけを聴いて、会場を覗いてくれる人も多かった。代官山という土地柄もあって、海外からのインバウンド客の割合も高く、最新モデルの音を聴いて感動している様子だった(英語で技術の詳細を質問してくれた方もあり、語学に堪能なスタッフが対応していた)。

 以下では『オーディオLABO Session2』の展示内容と、来場者の様子についてブース別に紹介したい。

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代官山駅から徒歩5分ほどにある蔦屋書店は3つの建物に分かれている。
『オーディオLABO Session2』は1号館で開催された(写真は2号館の入口)。

「Shokz(ショックス)」

水槽に沈んだ『OPENSWIM PRO』のディスプレイが目を引くShokzのブース。小学生男子の多くがこの展示に反応し、駆け寄って不思議そうに眺めていた。
水槽に沈んだ『OPENSWIM PRO』のディスプレイが目を引くShokzのブース。
小学生男子の多くがこの展示に反応し、駆け寄って不思議そうに眺めていた。

 エスカレーターを上がった正面にブースを構えているShokzでは、『OPENSWIM PRO2』や『OPENFIT AIR』といった前回のイベントでも好評だったアイテム、そして最新の『OPEN RUN PRO 2』も展示して、来場者にそれぞれの音を体験してもらっていた。

 『OPENSWIM PRO』はIP68の優れた防塵・防水性能を備えたスポーツイヤホンだ。Shokzが得意とする骨伝導技術を使って音を再生することで、空気のない水中でも音が聴こえるという(おそらく人類初の)快挙を実現している。水中ではBluetoothが伝送できないという問題についても、本体にメモリーを内蔵することでMP3音源の再生に対応。スマートホンと組み合わせなくても音楽が楽しめるのも嬉しい。

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『OPENFIT AIR』は、耳にかけて使うタイプの完全ワイヤレスイヤホン。
独自のDirectPitch技術により、音漏れを抑えながら、クリアーでナチュラルなサウンドを実現している。

 『OPENFIT AIR』は、どんな人の耳にもフットする独自の「Airイヤーフック」を備えた完全ワイヤレスイヤホンで、骨伝導方式ではないが、耳の穴の前にドライバー部を配置することで、オープン型にも関わらず、音漏れを抑えた音楽再生を実現してくれる。

 そして今回の目玉が9月に発売されたばかりの、『OPENURN PRO2』だ。中~高音を骨伝導で、低音は通常の空気伝導ドライバーで再生するデュアル・ドライバー方式で自然なサウンドを獲得。ランニングはもちろん、ジムやトラッキングといった様々なアクティビティで活躍するだろう。

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若い来場者の中には、骨伝導型イヤホンを初めて体験した方も多数。『OPENFIT AIR』のつけ心地のよさもお気に入りの様子でした。

 試聴体験も『OPENURN PRO2』が一番人気で、「骨伝導イヤホンの音を聴くのは初めてでしたが、こんなに音がいいんですね」「音がはっきりしているのに、周りの声もちゃんと聴き取れるのに驚きました」といった感想を話してくれる来場者も多かった。Shokz製品の愛用者という方も来場し、愛機と新世代モデルの違いについて熱心に質問していたのも印象的だった。

「nwm(ヌーム)」

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nwmのブースには、話題のオープン型ヘッドホン『nwm ONE』(写真左奥)や、
新製品の完全ワイヤレス耳スピーカー(ワイヤレスイヤホンとは呼ばない)『nwm DOTS』(写真手前)が人気。

 nwmはNTTソノリティのオーディオブランドで、音漏れを最小限に抑える独自音響技術「PSZ(Personalized Sound Zone)」と、騒音の中から必要な“声”だけを取り出す「Magic Focus Voice」を採用したイヤホン/ヘッドホンをラインナップしている。

 前回の『オーディオLABO Session1』では、同技術を搭載したオープン型ヘッドホン『nwm ONE』が驚きを持って迎えられ、多くの方が製品を購入してくれるなど、大きな注目を集めた。今回は『nwm ONE』に加えて、完全ワイヤレス耳スピーカー『nwm DOTS』や、有線イヤホン『nwm WIRED』(PSZ技術のみ搭載)も展示され、それぞれを試聴可能だった。

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有線イヤホンの『nwm WIRED』。5,000円を切る価格ながら、音漏れを抑えるPSZ技術を搭載しているのも特長。
お洒落なケースも女性に好評だった。

 イベント中は、『nwm ONE』の独特なデザインもあって、多くの来場者が足を止めて興味深げに製品を手にとっていた。試聴した方は音楽がちゃんと聴こえているのに、ほぼ音漏れがないこと、隣の人との会話が自然にできることなどに感動していた様子だ。

 同じく展示されていた新製品2モデルは発表されたばかりで、実際にユーザーが試聴できるのは今回が初めてだったとのこと。こちらも独特なデザインの『nwm DOTS』を装着してみたいと思った方が多かったようだが、つけ心地のよさ、自然なサウンドが好評だったのは間違いない。来場者の中には、前モデルの『nwm MWE001』を愛用しているが、新製品の『nwm WIRED』が気になって音を確認しに来たという方もいて、数分間試聴した後にレジに直行、購入してくれた。

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海外からの旅行者も、その音質に驚いた様子。
『nwm ONE』を装着して音楽を聴きながら、本当に音漏れがないかを確認している人も多かった。

「Eversolo(エバーソロ)」「ZMF headphones(ゼットエムエフ)」

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左がEversoloのミュージックストリーマー『DMP-A6 Master Edition』で、右がヘッドホンアンプの『DAC-Z8』。
この組み合わせで音楽配信を高品質に再生し、右上のZMFのヘッドホン『Bokeh』で試聴している。

 今回のイベントで異彩を放っていたのは、ブライトーンの展示だった。近年オーディオファンの間で評価が上がっている、Eversoloのミュージックストリーマー『DMP-A6 Master Edition』でAmazon MusicやApple Music、Qobuzといった音楽配信サービスを受信し、そのデジタル信号をUDB D/Aコンバーター付きヘッドホンアンプ『DAC-Z8』に送って、ZMFのヘッドホン『Bokeh(ボケ)』で聴くというものだ。

 音源に音楽配信を選んだのは、お客さんのほとんどが聴き慣れているだろうAmazon MusicやApple Musicを使うことで、再生するオーディオ機器によってどれくらい音質が変わるかを知ってもらいたいという狙いもあったようだ。

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ZMFのヘッドホンは、本体に天然木を使っているのが特長。『Bokeh』はZMFのラインナップの中では携帯性に優れたモデルとのこと。

 会場で展示されている製品のほとんどが定価2~3万円という中で、合計50万円超えというシステムはどんなものなのか興味を持ってくれる方と、そこまではと遠慮してしまう方が半々といったところだったが、実際に自分で選んだ曲をこのシステムで聴いて、「まったく別の曲みたいでした」「ライブに行った時のような迫力があって、感動しました」と素直な感想を話してくれる若者も多かった。

 なかには、「アーティストがこんなにしっかり音楽を作っているということに、改めて気がつきました。こんなにいい音で配信されているんだったら、ちゃんと聴かないともったいないですね」と話してくれた来場者もあり、ハイエンドシステムでストリーミングを聴く素晴らしさの一端を理解してくれたようだ。

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父の影響でオーディオとカメラが趣味という若者も、EversoloとZMFの組み合わせに感動し、いつか自宅にこんな音を楽しめるシステムを持ちたいと語ってくれた。

「Soundcore(サウンドコア)」

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Soundcoreのイチオシアイテム。左が完全ワイヤレスイヤホン『Liberty 4 Pro』で、
右がオープン型完全ワイヤレスイヤホンの『AeroFit 2』(11月7日に一般販売開始)。

 モバイルバッテリーなどで人気の高いAnker(アンカー)のオーディオブランドSoundcoreも『オーディオLABO Session2』に初出展、ブースには完全ワイヤレスイヤホンやBluetoothスピーカーといった様々な製品が並んでいた。

 イチオシはオープン型完全ワイヤレスイヤホンの新製品『AeroFit 2』とトップモデルとなる『Liberty 4 Pro』で、どちらも試聴機とカラーバリエーションをずらりと揃えている。『AeroFit 2』は角度調整できるイヤーフックや人間工学に基づいた構造設計を採用し、つけていることを忘れるほど快適な装着性を実現したという。

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Bluetooth送信機能を備えたレコードプレイヤー(右)とワイヤレスで接続し、Bluetoothスピーカーの『Motion X600』(左)で再生するという展示も行われた。

 『Liberty 4 Pro』は同ブランド最大のヒットモデル『Liberty 4』の上位モデルで、低域用の10.5mmドライバーと、中~高域用4.6mmドライバーという2ウェイ構成を採用した本格派モデルとなっている。4色のカラーバリエーションと、スライド式の充電ケースも来場者に好評のようだった。

 他にもBluetooth送信機能が付いたレコードプレーヤーを、SoundcoreのBluetoothスピーカー『Motion X600』とペアリングして再生するという、現代的なレコード鑑賞方法の提案も行われていた。さらに、ノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスヘッドホン『Space One Pro』を試聴したいという来場者もあり、同ブランドの人気の高さがうかがえた次第だ。

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Soundcoreのスタッフに『AeroFit 2』を装着してもらった。
写真のようにドライバー部を耳の前に配置することで、耳をふさがなくても快適な音楽体験が楽しめるとのことです。

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