軽トラに小屋をDIY? こだわりの“動く家”を自作したYouTuberの理想的な生活とは
近年、YouTubeにはキャンプや車中泊の様子を投稿するクリエイターが数多く存在するが、今回紹介する「しどらぼ」は、まるで絵本に出てくるような小屋を軽トラに乗せて生活をしているという、一風変わったYouTuberだ。しかもその小屋は1から手作りしているというから驚きだ。
いったいどのように小屋を作ったのか、生活にどんな影響があったのか。今回は動画からその背景について見ていきたい。
しどらぼがチャンネルを開設したのはいまから約2年前。1本目の動画では、「素人が頑張るドキュメンタリー」として、小屋の制作過程を投稿している。しどらぼは小屋のことを「モバイルハウス」と表現しており、「開放感とプライバシーの両立」をコンセプトに設計したようだ。なぜモバイルハウスを作ろうと思い立ったのかについては語られていないが、モバイルハウスは自身の作業スペース、軽トラから降ろせば休憩所、キャンプの拠点にもなり、複数の使い道があるようだ。さらにあくまで“積み荷”という扱いになるので、乗せたり降ろしたりすることが可能だ。車も変えられることを考えると、使い道は無限にあるのかもしれない。
完成までを収めた制作動画は、たったひとりでモバイルハウスを作り上げる様子が収められている。設計に始まり、素材選びから切り出し、加工、組み立てもかなり本格的で、完成度が高い。屋根は「もっとも難しいポイント」だったようで、繰り返し図面や試作などをして挑戦したようだ。運転席から後ろが見えるように、丸窓を設置するという発想も素晴らしい。
そして手作りなのは“外側”だけではない。全体の組み立てが終わったら、内装作りに取りかかる。ちょっとした棚すらも、1から手作りで制作するというこだわりぶりだ。そして下塗り、上塗り、壁のタイル張り、窓枠と内装もどんどん仕上げていく。給気や雨漏り対策も完璧だ。水回り、電気周りも整え、1年間の歳月をかけ完成した。
完成したモバイルハウスは、その後どのように使用されているのか。その魅力がひと際引き出されているのが、2024年3月に投稿された「雪の中で車中泊。鍋と柚子で温まる。|自作軽トラキャンピングカーの旅」という動画だ。
この日しどらぼは、「雪中車中泊」をしにきたようだ。雪が降りしきるなか、三角屋根に雪を積もらせ、明かりを灯した小屋の姿は、まるで絵本の1ページのようだ。雪がこんもりと屋根に乗っていることで、より可愛らしさを感じる。
この日の夕食は、柚子を使った鍋にするようだ。締めのうどんまでしっかり楽しみ、そのあとは編集をして就寝することに。
白をベースに木目調の壁と庇がついた小屋は、“屋根のお家”感があり、背景の景色とマッチする。寝床はもちろん水道や電気も完備しているため、住居としても快適だ。さらにすべてを自分好みに設計し手作りしたということもあって、唯一無二のオリジナル空間となっている。
その後も、このモバイルハウスはより快適な空間を目指し、DIYを重ねている。その様子も、しどらぼのチャンネルで投稿されている。手間はかかるがすべてを好きなように変えることができるのは、自作のメリットだろう。普通の車だとそうもいかない。
2024年11月24日に投稿された動画では、縁側から身を乗り出し、紅葉を寝転びながら楽しむしどらぼの姿が写っている。ものづくりや絵描きとしても活動しているしどらぼにとって、移動できる“第2の家”を手に入れた人生はどのようなものなのだろうか。誰もいない空間で、紅葉した木々を見ながらくつろいでいる姿を見る限り、まさに至福のときを味わっているように感じる。人生を豊かにするために時間や手間をかける楽しさを、しどらぼのモバイルハウス作りから学ぶことができたように思う。いまはなんでも簡単に手に入る時代ではあるが、こだわり抜いて時間をかけて、愛が持てる何かを作ってみるのも、人生の楽しみのひとつだろう。
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