プロゴルファーに競り勝つYouTube運営とは? UUUM GOLF制作陣が語る“転換期”と“差別化戦略”

UUUM GOLF制作陣が語るYouTube運営とは

 多くの人気動画クリエイターを抱え、長年インフルエンサー業界を牽引しているUUUM。クリエイターのマネジメント会社のイメージが強い同社だが、実は2018年1月にYouTubeチャンネル「UUUM GOLF-ウーム ゴルフ-」を開設するなど、ゴルフ事業にも力を入れている。

 UUUM GOLFは一事業としてスタート後、2021年6月にUUUM GOLF株式会社として分社化。ゴルフにまつわる企業とのタイアップ動画の制作やイベント開催を手がけるなど勢いは衰えず、UUUM GOLFのチャンネル登録者数は91万人を突破。2024年11月21日に事業開始6年にして視聴者参加型コンペを初開催すると、通常参加券が完売するなど新たな取り組みも順調だという。

 今回は、UUUM GOLF株式会社 代表取締役社長・築比地敬一氏と制作を担当する原田洋輔氏、MCとしてチャンネルに携わるかえで氏にインタビューを敢行。YouTubeチャンネルの運営や、新たな試みである視聴者参加型コンペ、今後の展望について話を聞いた。

プロゴルファーがチャンネル立ち上げ コロナ禍は“YouTubeゴルフ界”の転換期

築比地敬一

ーーUUUM GOLFの立ち上げと築比地さまの加入経緯を教えていただけますでしょうか。

築比地敬一(以降、築比地):2017年4月のある日、UUUMからYouTubeでゴルフを事業にしたいということで入社の打診を受け、2018年の1月1日にUUUMに入社しました。もともとゴルフ雑誌を3誌、うち2誌で編集長を経験してきたので、紙から動画と媒体が変わるだけで、やっていくことは同じ。そのため、二つ返事返事で「いきます」と答えました。

ーー紙から動画メディアへの転職は勝手が違うように感じますが、戸惑われたことはありますか?

築比地:実はそこまで困惑したことはないんです。紙媒体をやっていた頃からスイングを動画で見せたり、新しいゴルフクラブが発売されると、いわゆる試し打ちやゴルフクラブの打球感を収めたDVDを付録で作ってきたりした経験があったからです。むしろゴルフ雑誌の限界は、ゴルフというテンポ、リズムのあるスポーツの動きを伝えられないことなんですよ。そのもどかしさはずっと感じていたので、逆に渡りに船というか。いよいよ、やっと自分がやりたいことをやれるという思いでした。

ーー次のステップに行く楽しみの方が大きかったんですね。UUUM GOLFチャンネルは2018年2月から動画の投稿が始まっていますが、チャンネルの特徴を教えていただけますか?

原田洋輔(以降、原田):「ゴルフがうまくなりたい」という人のためのレッスンコンテンツ、いわゆるハウツー動画を投稿しています。ゴルフジャンルではプレイ動画や個人でラウンドしている動画などがありますが、私たちのチャンネルは「どうやったらうまくなるか」ということにフォーカスしたコンテンツが主になっています。芸能人の方と対決するといったエンタメ的な要素もありますが、レッスンコンテンツというひとつの柱があって、その中にゴルフ初心者の女の子が試験と呼ばれるものに挑戦する姿を追っていく、ドキュメンタリー要素も含まれている。このふたつが大きな特徴です。

ーー原田さんは加入当時、すでにゴルフの経験はあったのでしょうか?

原田洋輔

原田:僕は2018年5月にUUUM GOLFに入ったんですが、それまでゴルフは興味もなかったし、敷居が高い、おじさんのものというマイナスイメージで、配属がゴルフチャンネルは嫌だなと(笑)。入ってからは、用語などは自分で調べながら仕事をし、半年後くらいにゴルフ練習場といわれるところに行き始めた感じです。いまでは本当に大好きです。

ーーコロナ禍以前と以降、YouTubeにおけるゴルフチャンネルは変化があったんじゃないかなと思っていますが、実際はどうでしたか?

原田:YouTube全体でいうと、コロナ前からチャンネルが多少増え始めていましたが、コロナ禍になってからゴルフジャンルのチャンネルがすごく増えました。プロゴルファーが自分のチャンネルを持ち、コンテンツを出すというのがいままではなかったことでしたし、ゴルフというジャンルで個人で発信する方が増えたかなと。当時外に出られない状況のなか、ゴルフはセーフなんじゃないかとゴルフが注目されたのと、かえでちゃんもコロナ禍がゴルフを始めたきっかけだったので、同じようにゴルフを始める人も増えたのだと思います。

 コロナ禍でYouTubeを視聴する層も多様化したためか、UUUM GOLFの視聴者も45歳以上の方が増えました。メインのゴルファー層ですね。ただ、今後は若い人にもリーチしていきたいなとは思います。

ーー築比地さんは、長年ゴルフ業界をみてきていらっしゃいますが、コロナ禍前後でゴルフ業界は変わりましたか?

築比地:まずコロナになる前、ゴルフ人口は1番多かった時に比べて半分くらいになっていました。出典によって違いますが、日本で年に1回しかやらなかった人を含め、ピーク時で1100万人といわれていたのが、コロナ前には500万台まで落ち込んでいたといわれているんですね。そのなかで、ゴルフは意外に密にならないのではと言われ、コロナ禍でゴルフブランドが増えたんですよ。その点でいうと、ゴルフ業界にとってはすごい追い風だったんですね。一時的な傾向でしたが、ゴルフ場にも人が入りましたし、Wi-Fiも使えるようになって、ゴルフ場でリモートワークをしている人もいました。

ーーすごく意外な展開で、面白いですね。かえでさんは、なぜコロナ禍でゴルフを始めようと思ったんでしょうか?

かえで:コロナ禍でゴルフ以外の趣味みたいなものができなくなったときに、友達に誘われて始めました。おじいちゃん方もやっているし、勝手にすごく簡単だと思っていたんですけど、やってみると難しかったです(笑)。

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