にじさんじ・海妹四葉がにじませる「本人性」の魅力 アンジュ・カトリーナの系譜を継ぐ、“にじ3Dの使い手”
雑談配信以外ではどうだろう。配信でプレイしたゲームに目を向けてみると、『Apex Legends』『原神』『あつまれ どうぶつの森』「ポケモン」シリーズなどの有名タイトルから、『Subnautica』などのインディゲームまで幅広く、気になったゲームはなんでもプレイしているようだ。
ちなみに、最近にじさんじ内で開催された『にじさんじOW杯』では出場メンバーではなかったものの、練習カスタムに欠員が出た際に助っ人として参加することになった。
これまで配信で一度もプレイしていなかったため「よつはぴ、いけるのか!?」とリスナーから心配のコメントが飛んだが(注:よつはぴは海妹の愛称)、じつはオフの時間に1人でプレイすることが多く、「なにかあったら呼んでください」と主催側だった夕陽リリにオフの時間に伝えており、本当に声がかかったよう。
どうやら配信外の休みの時間にソロでゴリゴリプレイしているようで、「『Overwatch』のいいところはエイムがいらないところ!ルールはややこしいけどオススメだよ!」と語っており、配信外でハマっているゲームの1つのようだ。このように、意外ではあるが海妹はゲーマー気質な一面も持ち合わせており、コラボ配信ではゲームプレイの面で不安を感じさせることはほとんどなく、和気あいあいと楽し気にプレイする姿を見せてくれている。
彼女が時おり見せる勢い任せな一面はゲームプレイ中や配信途中に現れることもあり、笑いを呼ぶことが多い。特に印象深いエピソードでいえば、2022年6月4日に開催されたグウェル・オス・ガール主催による『APEXにじさんじカスタム』に出場した際、「武器無し・殴りのみ」となった縛りプレー&ボクシングルールとなった最終戦で、自チームの周囲に集まってきた敵チーム全員を安全地帯外へ殴り飛ばし、みごとチャンピオンに輝いたというモーメントが真っ先にあがるだろう。
まだデビューして数か月と経過していない一番の新人が、諸先輩たちを迷うことなく殴って殴って殴ってチャンピオンとなる。チームメイトであった葛葉と安土桃も驚きを隠せず笑いつづけ、この直後にエゴサをしたところ「海妹 拳」「海妹 殴る」といった検索予測がうまれたほど。当時のにじさんじファンにとってどれほど衝撃的な光景だったかがわかるはずだ。
ちなみにこの日は直前に『第9回CRカップ』が開催されており、こちらにも彼女は参加していた。この大会、本来期間として設けていた練習カスタム期間でエラーが頻発してしまっており、まともなゲームプレイが見込めないという事態をうけてゲームタイトルを『Fall Guys』と『Golf it!』の2作へと開催直前に変更した大会である。そんな大会もあったな……思い出すファンも少なからずいるのではないだろうか。
しかもゲーム変更も大会当日になって告げられたようなのだが、急なゲーム変更にもかかわらず乗り切ってみせた海妹。夕方5時から『第9回CRカップ』でSeoldam・あどみんの2人と、その夜に開催された『APEXにじさんじカスタム』で葛葉・安土の2人と、“カロリーの高い”大会を連続してプレイし、面白シーンを生み出したわけだ。
ぐえええええ全然活躍できなかったけどめちゃくちゃ楽しかった!!!!
Seoldamさん、あどみんさん、れもんさん、応援してくれたみんな、一か月間本当にありがとうございました!— 海妹四葉🍀にじさんじ (@Yotsuha_Umise) June 4, 2022
チーム内に肉授与者もおり、通常マッチのチャンピオンも取り。そしてやっぱり拳しか勝たんのよ☺☺☺
葉海安最高天才可愛い最強~~~✌— 海妹四葉🍀にじさんじ (@Yotsuha_Umise) June 4, 2022
この後から少しずつさまざまなコラボに誘われることになるのだが、その明るいキャラクター・愛嬌の良さで存在感を放ったのは言うまでもない。さきほど記したアンジュとの最初のコラボもこの月に行われ、現在「チームIDD ~アイドルダンス同好会~」として共演することがあるシスター・クレア、レイン・パターソンともコラボしている。
海妹は3Dビジュアルを使用できるようになって以降、自身のチャンネルを中心に踊ってみた動画を投稿することが多い。そのため運動が得意なタイプなのかと思われるかもしれないが、意外とスポーツは苦手とのこと。
高校ではチアリーディング部に所属しており、このタイミングで逆上がりができるようになったと話しており、この経験がキッカケとなってダンスに慣れていったのだろうと想像できる。
願ヶ丘高校野球部兼アイドルチアリーディング部の海妹四葉です!!最終日まで応援よろしくお願いします!!! pic.twitter.com/rRonTBEDaS
— 海妹四葉🍀にじさんじ (@Yotsuha_Umise) August 12, 2024
さて、3Dビジュアルになった海妹が注目を集めるのは、ダンスだけではなく、その所作や動きにある。というのも、彼女はどこか姿勢が悪く、歩いたり座ったりする際にガニ股になってしまいがちなのだ。
いまでは彼女のファンやリスナーの間でも姿勢の悪さ・ガニ股については広く知られており、知らなかった視聴者ですら「なんか海妹の姿勢が凄くないか?」「ゴリラみたい」と注目されてしまうことがしばしば。VTA(バーチャル・タレント・アカデミー)所属時代にガニ股を矯正するように指摘されていたが、結局治らなかったようだ。
昨年レインが主催した『第1回にじさんじバレーボール最高ペア選手権大会』では星川サラの代わりとして出場したのだが、大股でうさぎ飛びしながら登場、大股の状態から何度も腰を低く落としたりするなど、独特の動きでリスナーを笑わせていた。
先に書いたように、彼女自身が3Dビジュアル・アバターにとてもシンクロしやすい部分があり、それが魅力として機能している。もちろん踊ってみた動画ではキレのあるダンスを見せてくれることが多く、レインとのコンビは両者がギャルっぽいキャラクターをしていることもあり、両者のファンに人気が高い。
とある時期からメンタルの不調を自覚していたようで、今年5月から6月にかけて約1か月ほど配信をしない時期があったが、現在は復調。6月1日の復帰となった配信では激しくなっていた気持ちの浮き沈みが穏やかになっていることを語りつつ、今後は元気なタイミングで配信していくことをリスナーに伝えた。弾けるようなパッションで配信を盛り上げていく海妹四葉、彼女の活躍がながく続くようにと願うばかりである。
にじさんじ・VTAからデビューを果たした最初のタレントはいま 天ヶ瀬むゆのいまむかし
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーのひとつであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がってい…