“1杯500円”のフルーツジュースが売れるワケ エンタメ特化の次世代自動販売機とは?

なぜ“1杯500円”のフルーツジュースが売れる?

目指すはロイヤリティの高いファンの増加

ーー 生搾りジュースの金額は500円と、ほかの自販機よりも割高になっていますが、どのように需要喚起を行っているのでしょうか。

松野:昨今の物価高の状況下で、「ジュース1杯に500円を払うのは高いのでは」と感じるお客様もいらっしゃるかと思います。(*設置場所によって販売価格は異なる)

 その一方で、果物のオレンジを1個買うのに100円以上かかるとすると、『Feed ME Orange』では1杯にオレンジを3〜4個使用し、さらに搾る手間や出来立てで飲めるメリットを考えたら、500円という値段は相応だと捉えていただけている方もいらっしゃいます。そういった方にリピート購入していただいていますね。

松野:飲食店や喫茶店でフレッシュジュースを注文すると多くの場合、氷が入っているためにどうしても味が薄くなってしまいますし、スーパーなどで販売されている100%濃縮還元のオレンジジュースには香料が入っているため、オレンジ本来の持つ味わいを楽しむのが難しいんです。

 そんななかで、『Feed ME Orange』はフレッシュかつ無添加で氷を使用しない生搾りオレンジジュースとして、独自のポジションを確立していくとともに「マシンが自動でオレンジジュースをつくる工程を観察できる」というエンタメ性を伴った感動体験も付加価値として訴求していければと思っています。

ーー 直近では『Feed ME Apple』を新たに開発しましたよね。

松野:弊社としても、さらにフード事業を拡大しようと考えており、オレンジの次はアップルの生搾りジュースが味わえる『Feed ME Apple』を日本向けに開発しました。

 ヨーロッパではスーパーなどでアップルを購入し、その場で卓上型の生搾りマシンを使って、フレッシュジュースに加工して持ち帰る文化があるのですが、そこから着想を得た商品になります。まずはユーザーの反応を見つつ、設置場所の拡大も順次行っていく予定です。

ーー 最後に今後の展望について教えてください。

松野:現在の主な設置場所は小売店やスーパー、商業施設などが多いですが、これからはインバウンド需要をさらに取り込むために、交通量が多い観光地などの開拓も進めていきたいと考えています。

 また、単に設置台数を追っても、付加価値を感じてもらえるお客様に届かなければ利益につながりません。そういう意味では、いかにリピート率の高いロイヤリティ顧客を作るかを念頭に置きながら、オーガニックでビジネスの成長ができるように尽力していければと思っています。

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