自動販売機のサブスクは当たり前となるか? 「Coke ON Pass」のメリット・デメリットを考える

自販機サブスクは当たり前になるのか

 日本コカコーラは、2021年4月12日から公式アプリ「Coke ON」を使用した自販機のサブスクリプションサービス「Coke ON Pass」の提供を先着申し込み10万名を対象に開始した。

 「Coke ON Pass」は月2,700円で1日1本飲み物を交換できるサービスで全国のCoke On対象自動販売機のコカ・コーラ社製品と交換可能。コカ・コーラ社の製品はコカ・コーラ、ファンタ、スプライト、ジョージア、爽健美茶、綾鷹、アクエリアス、いろはすなど。毎日違う製品と交換することもできる。

 このサービスのメリットは、まずアプリから製品を選択するため、自販機に触れるのは飲み物を取る時だけでよく、その場で現金を支払う必要はないところ。手軽さと接触を減らせるのが魅力だ。次に価格面。一般的な150mlのペットボトルは160円で売られていることが多い。160円のペットボトルを月に31日買うとなると4,960円。1日あたり約90円でペットボトルで利用できるため、月2,700円はかなりお得だ。

 一方、サービス最大の特徴である「毎日1本交換できる」という点は、見方によってはデメリットに繋がる。1本取り忘れると1日あたりのペットボトルの値段が上がってしまうため、損をしたように感じてしまいそうだ。また、夏は1本飲み干してしまい、結局買い足してしまいそうなのも懸念点。毎日ペットボトルを受け取ることでゴミが溜まってしまいそうなのも不安材料である。また、職場や学校、自宅近くなど生活圏内に自動販売機がないとそもそも毎日取りに行くのが負担となってしまうかもしれない。

 しかし、自動販売機のサブスクを打ち出したのはコカ・コーラ社が初めてではない。日本初の自動販売機サブスクは「every pass」だった。これは専用アプリ「アキュアパス」を用いてJR東日本駅構内にある「イノベーション自販機」で販売されているドリンクを受け取るサービス。プランは「アキュアメイドプラン」「プレミアムプラン」の二つ。「アキュアメイドプラン」は1ヶ月のみ利用可能で月980円、アキュアメイドのドリンクの中から、毎日1本受け取り可能。「プレミアムプラン」は初月~6ヶ月で月2,480円、それ以降は2,980円でブランド問わずイノベーション自販機の全ドリンクの中から、毎日1本受け取れるサービスとなっている。

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