“相棒”とともに自由自在なステルスを楽しみ尽くせ! 『スター・ウォーズ 無法者たち』プレビュー

『スター・ウォーズ 無法者たち』プレビュー

 「スター・ウォーズ」史上初のオープンワールドゲームとして、8月30日に発売予定の『スター・ウォーズ 無法者たち』(PC/PlayStation 5/Xbox Series X|S)は、時系列的には『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』と『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の間の時期を舞台に、新たなストーリーを描いている。

 6月の「Ubisoft Forward 2024」で長尺のゲームプレイ映像が公開となり、期待値の高まっている本作。リアルサウンドテックでは約4時間にわたってプレビューを実施する機会をいただいたので、本稿ではその内容をお届けしたい。

 筆者は『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』を観て、いくつかのゲーム作品をプレイしただけの“にわか”であるため、知識不足な部分を「スター・ウォーズ」シリーズファンの方々にはご容赦いただきたいのと同時に、シリーズ未履修でも楽しめるポイントにフォーカスして伝えられれば幸いだ。

ニックスを駆使したステルスアクションが提供する楽しさ

 いきなりではあるが、ゲーム性において本作の最大の魅力と感じたのは、ステルスでの侵入やステージ攻略だ。主人公のケイは決して戦闘のできない人物ではないものの、超人的な能力で敵をバッタバッタとなぎ倒し、ゴリ押しできるタイプのキャラクターではない。そこで必要となるのがステルスアクションであり、そのためにさまざまな要素が用意されている。

 その最たるものが、ニックスの存在だろう。不思議さと愛らしさを兼ね備えた“相棒”であるニックスは、ケイの指示によって敵を誘導したり、ステルス攻撃の手助けをしたり、オブジェクトの操作を遠隔で行ったりと、ステルスゲームにおける便利ガジェットのような役割を担う。

  戦闘においてケイが万能ではない=リアルであるのと同じように、ステルス面でのゴリ押しも基本的には通用しない。もちろんある程度はゲーム的な“ゆるさ”(敵の配置に死角があったり、中距離でも敵から目視されなかったり)も存在しているが、良い意味でのリアルさが緊張感をもたらしてくれる。そうしたリアルさは難易度の高さにもつながっているが、ここを緩和してくれるのがニックスというわけだ。

 おそらくプレイヤーが最初に使用するのは、背面から敵にニックスをけしかけ、ステルスアタックを確実に成功させるという手法だろう。ただ、敵がダブルチームで警戒にあたっている場合などは、ひとりをダウンさせてももうひとりに気づかれ、増援を呼ばれればほぼジ・エンド。ちょっとさばいて一段落……とはいかないのが、本作のおもしろさでもある。

 そんなときのために、前述したようにニックスにはさまざまな用途が用意されている。ニックスを進行方向とは別の方向に送り出し、物音を立てることによって敵を誘導、ノーアラートで進んでいくという、ステルスゲームの基本的な立ち回りにくわえ、ケイでは入れない狭い通路をニックスに進んでもらい、ギミックを操作することで新たな道を開くこともできる。そこには自分なりの“最適解”を見つける楽しさがあるはずだ。

各ゲームパートに詰まった魅力の数々 印象的だった“総合力”の高さ

 ここまでステルスアクションに関するあれこれを語ってきたが、当然ながらオープンワールドの探索も本作の重要な部分を構成している。プレビューでは高速クラフト「スピーダー」に乗って街から街へと移動し、追手との銃撃戦を繰り広げたり、その追手たちから逃げ切るために街へと強引に突入したりと、ストーリーに沿って動くなかでもさまざまな遊び方が示唆されていた。

 ストーリー進行&探索については1点、注意したいことがある。泥棒であるケイは街中で建造物に侵入(ステルスとは異なる)することが何度もあるのだが、泥棒が仕事で真正面の玄関から侵入するはずもなく、さまざまなルートを検討しなければならない。このとき、特に暗い場所では入口を見落とすことが発生しがち(少なくとも筆者はそうだった)なので、行き先に困った場合は目的地の近くをしっかりと探ってほしい。慣れてしまえば「あ、ここはこっちかな?」と気付くこともできるだろう。

 そして、惑星をまたぐオープンワールドなら誰もが期待するであろう、宇宙空間でのシューティングパートももちろん存在する。シチュエーションなどの詳細は実際にプレイして確かめてもらうとして、“宇宙空間シューティング”のプレイフィールは非常に良かったというのが感想だ。

 無重力の宇宙空間を舞台にしたシューティングは、どうしても通常の空中戦とは異なり、操作性が独特かつ難しいものになりがちな印象がある。しかし、本作の場合は“宇宙らしさ”を操作感に残しつつも、ストレスなく敵を追従して交戦し、旋回や加速といった自機の運転も初プレイから直感的にこなすことができた。

 敵との交戦を終えれば、そのときに目指す惑星へと降り立つことになる。着陸の際はショートカットキーを使ってオート操縦となるが、宇宙空間での操作から着陸までがシームレスにつながっており、自らの手で宇宙を冒険する感覚をしっかり味わえる。この没入感の高さは、“ゲームで別世界に飛び込みたい”というプレイヤーの意欲を、十分に満たしてくれるはずだ。

 「スター・ウォーズ」らしさとも言える、宇宙を舞台とするがゆえの楽しさはもちろん、ひとつひとつのゲームパートに魅力が詰まっており、作品としての“総合力”が印象的だ。そして、これらの魅力は全体の数%にしか過ぎないはず。発売まで約1か月、『スター・ウォーズ 無法者たち』が見せてくれるであろう世界に期待を高めながら、ケイとニックスとの旅を心待ちにしたい。

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