筋トレ嫌いなパーソナルトレーナーが人気YouTuberになるまで 片倉岳人の異色な経歴に迫る

パーソナルトレーナーがYouTuberになるまで

“坊主”にしたことでコンテンツ作りが円滑に

ーー片倉さんのYouTubeチャンネルを拝見させていただくと、サムネイルの作り方が変わった瞬間があると思いました。この背景を教えていただけないでしょうか?

片倉:サムネイルの作り方が変わったのは、先ほど話したブログ期は露骨に視聴者数が伸びていなかったので、これはなにかテコ入れをしないと! と思ったからですね。そのおかげで登録者数1万人くらいまではいったんですけど、伸び悩んでいる感じがあったので、次は自分を売り込んでいこうと。ちょうど、坊主にした時期でもあったので。

ーー坊主はキャラ付けとしては完璧ですね。

片倉:本当に。しかも、坊主にしてからは、コメントの内容も変わってきて。

ーー具体的には、どのように?

片倉:「もっと面白さを出してほしい」という声が増えてきました。そのあたりからは、コメントをかなり重視するようになりましたね。髪型を遡ってもらえれば分かるのですが、黒髪ショート期は、自分が言いたいことを言っていたときで、金髪になったあたりから相手が求めているものはなんだろう? と考えるフェーズに入った気がします。

ーーたくさんのコメントが届くと思います。それらを取り入れる際に、意識されていることはありますか?

片倉:たとえば、「痩せたいんですけど、どうしたらいいですか?」というコメントがあるとするじゃないですか。その裏側を読み解くようにしています。

ーー裏側というのは?

片倉:おそらく、「痩せたい」という言葉の裏には、もっと自分を好きになりたいとか、そういった根っこで抱えている問題があると思うんです。「痩せたいんですけど、どうしたらいいですか?」という質問は、そこから派生している。だから、モヤモヤを言語化して、少しでも心を楽にしてあげる存在になるのが理想ですね。その人に刺すことができたらOKみたいな。

最も重要なのは、いい刺さり方をしているかどうか

ーー先ほどもお話にあがった「三流、二流、一流」や「問題ないです」など、片倉さんの考案したショート動画のフォーマットは、かなりバズっていますよね。フォーマットを作る上で、意識されていることはありますか?

片倉:キャラコント系のYouTuberさんの動画を観たとき、“人”にファンが付きにくいと感じることがあったんです。多分、僕の場合はショート動画が回らなくなったとしても、生放送に来てくれるような濃いファンは残ってくれるはず。でも、ショート動画だけを視聴する層は、そのままいなくなってしまうと思うんですよ。僕も昔は、金髪のおさげちゃんというキャラクターを使って、いわゆるキャラコント系のシリーズ動画を作ろうとしたこともあったんですけど……。

ーー明日は我が身と思って、いまのフォーマットに辿り着いたと。

片倉:そうですね。ただ、「三流、二流、一流」シリーズに関しては、三流がよくない刺さり方をしてしまうことがあるので、最近は使わないようにしています。負の気持ちになる瞬間があるのは、僕の本望じゃないなと思って。逆に「問題ないです」シリーズは、良い刺さり方しかしないので。

バーガーキングは太りそう

ーー良い刺さり方というのは?

片倉:「心が軽くなりました」というコメントがついたり。僕の動画を刀に、コメントでほかの人を傷つけていないか? というのを確認しています。再生回数とかいいね数よりも、いい刺さり方をしているか? を意識しています。たとえ伸びなかったとしても、誰かにとっていい刺さり方をしているのなら、それでいいなって。

ーーそれでは最後に、今後の展望を教えてください。

片倉:自分の意見を強く持ちすぎていたら良くないと思っているので、今後も視聴者さんの声を大事にしながら、楽しい動画を配信していきたいと思います。

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