38万円の軽バンで日本一周 ゴールを間近に控えたカップルチャンネルの生活に迫る
豪雪の24時間。警報レベルの大雪で初めての車中泊。
「軽バン生活」の動画は、あえて情報を少なくしているようにも思える。サムネイルの文字はなし、BGMは最小限、テロップも少なめ。ただそのなかでも、情報の多い要素がひとつある。それは、動画で使われている音だ。軽バンのなかのマットがこすれる音、夏の蝉の鳴き声、冬の風、車の走行音、出会った人との何気ない会話……。そこでしか出会えない体験が音で描写されている。
そのクオリティーを体感できるのが、100本目の動画として投稿された「豪雪の24時間。警報レベルの大雪で初めての車中泊。」。意識して撮る必要のある雪の音が、いくつもカットインしている。サーッ……と静かに降り注ぐ音に始まり、ギュッと雪を踏みつける音、キュッキュッと雪上を移動する音など、複数の音が動画で使われている。また、グルメの音演出も特徴的だ。かき混ぜたり、揚げたり、炒めたりとクリアな音で料理のシズル感を表現。料理写真とクリアな音が合わさり、わくわく感が強く伝わるシーンになっている。
叙情的な世界観がファンを引き込む
「軽バン生活」の動画は、見ているといつの間にか引き込まれ、自分が旅をしているような気持ちになる。それは、世代を問わない。多くの人が同じように心をつかまれている。「小さな心地よい軽バン、東京で過ごす3日間。」と題された動画では、ある心温かいコメントが寄せられた。未亡人のシニアの方からの「亡き夫と旅をした思い出を鮮明に思い出した」という感謝と応援の言葉だ。
動画を見ている人を引きつけるのではなく、その世界に招き入れる。そして、さりげないおもてなしをする。その叙情的な世界観に、多くの人は心を癒やされるのではないだろうか。全国を周ってきた「軽バン生活」。その日本一周達成の日は遠くない。ゴールを迎えた先にはどんな景色が待っているのだろうか。
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