フィルムライクな写りを求めてーー『写ルンです』を再利用したレンズ『Utulens』レビュー

『写ルンです』を再利用したレンズをレビュー

いざ実写レビュー まさに『写ルンです』な懐かしくもエモい仕上がりが楽しい

 果たして、その実力やいかに? ということで、街へ繰り出してパシャパシャと作例を撮影してみた。『Utulens』そのものの写りをチェックするために、RAWデータの加工は行わず、JPEG撮って出しの状態だ。ホワイトバランスはオートに設定している。

 また、SONY『α7 IV』には、撮影段階で写真や映像の質感、色味などを思い通りにカスタマイズできる「クリエイティブルック」機能が搭載されているが、今回はあえて活用せず。幅広いシーンに対応する「ST」モードをデフォルト状態で設定した。

 結論から言うと、その描写はかなりエモーショナルでフィルムライク。強い光を取り込んだ際のレンズフレアや、色収差によるローファイな色合いは、まさに多くの人がイメージする『写ルンです』そのものと言えるだろう。

 オートフォーカスに慣れた身からすると正確なピント合わせは至難だが、ボケ具合もむしろ味わい深いかも。とはいえ、被写体から1m程度離れないと、想像以上にボケて腑抜けた雰囲気になってしまうので、注意が必要だ。

 露出を調整すれば、コントラストが強い写りにすることも可能。前述の通り、カメラ側の設定次第でよりフィルムっぽい仕上がりにすることもできるだろう。当然、RAWデータを現像したっていい。

 とはいえ、気軽に使えるコンパクトさと軽さ、F値やピント固定のオモチャっぽさが魅力的なので、細かい設定を気にしないで使うのがいいのかも。記録媒体はカメラ準拠なので、偶然のベストショットを求めて、枚数を気にせず思う存分撮りまくれる。原初的なカメラの楽しさを思い出させてくれるレンズだ。

 本稿を執筆している1月下旬時点では、高価なモデルでも6,160円(税込)というリーズナブルさもうれしい。カメラ初心者から上級者まで楽しめるレンズなので、ミラーレスカメラをお持ちなら、ぜひチェックしてもらいたい。

■参考情報
GIZMON『Utulens』公式WEBサイト:https://www.gizmoshop.jp/products/gizmon-utulens

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