1000万回再生された“1分ドラマ”、ヒットの理由は? 人気YouTuber&劇団による仕掛けを分析
近ごろTikTokやYouTube shortsなどでショートドラマが流行っているが、なかでもYouTubeで摩訶不思議な演劇ワールドを展開している「いぶよへスカッシュ」が注目を集めているのをご存知だろうか。いぶよへスカッシュは、「劇団スカッシュ」と「伊吹とよへ」の2組の人気YouTuberがタッグを組んだグループである。
「劇団スカッシュ」とは、男性4人と女性1人で構成されているYouTuber兼劇団で、奇妙で独創的なストーリー性が特徴のドラマを投稿しており、人気シリーズ「隙間男」は1000万回再生を超える大ヒットを生んだ実力派グループだ。
「伊吹とよへ」は同級生コンビ「伊吹」と「よへ」のほのぼのとした日常ライフを投稿している、男性2人組のクリエイターである。料理やドッキリ動画が人気だが、歌ってみた動画など、多彩な才能を持ち合わせているのが魅力だ。今回は、ショートドラマで人気を博している「いぶよへスカッシュ」の魅力を、動画から紐解いていきたい。
「いぶよへスカッシュ」がつくりあげるドラマの魅力は、なんといっても現実離れした不思議な設定と、高い演技力である。
2023年8月18日に投稿された「会いに来てくれてありがとな。」は、まるで10分の作品を見たかのようなクオリティの高い1分ドラマとなっている。1772万回再生を超え、チャンネル内で最も再生された動画となった。(2024年1月13日現在)
内容は、突然ボロボロな姿の青年が「先輩に言いたいことがあって来た」と、急に部屋に入ってくるところから始まるもの。ボロボロの身なりで「先輩の電話には気づきもしなかったっすよ」と要領を得ない発言する彼に対して、先輩と呼ばれる男を除いて、周りは引き気味だ。しかし、物語が結末に向かうにつれて、彼が異様に汚れている理由や先輩との関係性など、疑問点がきちんと回収される。節々に伏線のような言動が散りばめられていることから、何度も再生したくなる内容となっており、連続再生が基本となっているショート動画の仕様を活かした戦略的な動画ともいえるだろう。
コメントを見ると「ショート史上1番感動した」と、1分でも強烈に記憶に残る話に感動したという視聴者が続出していることがわかる。また、「表情管理がすばらしい。感情がちゃんと正確に読み取れる」「演技力がやばすぎる」と、一瞬で世界観に引き込まれる演技力も絶賛されていた。
1分で不思議な世界観に浸ってみたいという方は、ぜひ「いぶよへスカッシュ」が創るショートドラマをチェックしてみて欲しい。