ファッションのフロンティアは“バーチャル”で花開く――『Virtual Fashion Collection “Voyage” 2023 Winter.』レポート

バーチャルファッションショー『Voyage』レポ

ファッションのフロンティアは、バーチャルの世界で花開く

撮影=TATAMI

 バーチャルファッションの世界は、いまなお拡大している。今回出展した「BEAMS」だけでなく、アパレルEC「.st(ドットエスティ)」のアダストリアや、著名ブランド「ANREALAGE」、「ATSUSHI NAKASHIMA」、「KEITA MARUYAMA」、果ては老舗百貨店・大丸松坂屋百貨店もアバター事業から切り込んでくるなど、ソーシャルVRの外からの参入が続いている。

出展ショップオーナーたち(撮影=ecochin)

 しかし、この世界の先陣を切っているのは、数多くの個人クリエイターたちだ。日本だけでなく、韓国や英語圏のクリエイターも次々に参入し、多彩なジャンルのアイテムが次々に送り出されている。

 そして、ソーシャルVRに育まれた才能は、いまや様々な企業案件にも携わるようになりつつある。先述した「BEAMS」やアダストリアも、ソーシャルVR発クリエイターの起用を積極的に手掛け、リスペクトとともに文化を発信し続けている。

「BEAMS」木下氏(撮影=ecochin)

 閉会のあいさつでは、「BEAMS」より広報の木下氏が登壇した。「いまはリアルのファッションがデジタルに憧れる時代です。自由自在にクリエイティビティを爆発させて楽しむこのバーチャルファッションシーンは、間違いなくファッションのフロンティアです」と語り、「BEAMSを仲間に迎え入れていただき、心から感謝しています」と謝辞を伝える姿からは、この領域がバーチャルを超えて大きな熱量を宿していることが実感できる。今回発表された新作のバーチャルアイテムも、この言葉に嘘偽りがないことを雄弁に物語っているだろう。

撮影=ecochin

 このきらびやかなランウェイは、クリエイターによる創造力の最前線であると同時に、リアルとバーチャルが「ファッション」という文脈で合流する場だ。フロンティアを切り拓く熱量とともに、バーチャルファッションを広める偉大な“航海”は、まだまだ続くだろう。

■『Virtual Fashion Collection “Voyage” 2023 Winter.』スタッフクレジット
Producer:ゆいぴ
Director:PONYO
World Creator:坪倉輝明

Opening Act PHAZE

Actor:
Kawasaki Silvia(Silky Charm)
ALDLA(Silky Charm)
MICKEL(Silky Charm)
TOMMIE(Silky Charm)
yoikami(カソウ舞踏団)
E-suke(カソウ舞踏団)
Naitemo(無所属)

Dancer:
ニーノ
Shiena

Photographer:
ecochin
TATAMI

Video Shooting:
BUSSAN

Staff:
TOKKIY
FOLS

Broadcaster:ELfα
Translator:雪兎
MC:ABC490
Video:KillU
Particle Design:ペペロンチーノ

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