Pocochaが何者かになれるきっかけに “旅する看護師”きくちゃんの「配信する理由」
ライブコミュニケーションアプリ『Pococha(ポコチャ)』で行われた「Your Storyーあなたの物語にはチカラがあるー」で、「旅する看護師きくちゃん」が見事インタビュー権を獲得した。訪問看護師だったきくちゃんは、旅に出たことをきっかけに『Pococha』と出会う。『Pococha』を通して旅をライブ配信し続け、いまは“南極への旅”という新たなステージを目指す。今回は、『Pococha』をきっかけにどんどん夢を現実のものとし、前進し続けるきくちゃんの軌跡を聞いた。(Nana Numoto)
ライブ配信が生活の一部に
――『Pococha』を始める前はどんなことをしていたのか教えてください。
旅する看護師きくちゃん(以下、きくちゃん):病院の看護師を1年、その後は訪問看護師として働いていました。ちょうど看護師4年目になる年に旅に出て、そのタイミングでライブ配信を始めました。
――看護師をされていたとのことですが、元々ライブ配信など表に出る仕事に関心があったのでしょうか。
きくちゃん:それが、まったくなくて。私はSNSですら、顔を載せるのが苦手なタイプでした。だから表に出る経験はライブ配信が初めてです。でも、旅をきっかけになにか面白いことをしてみたいと思うようになりました。加えて旅費もたくさんかかるので、旅をしながら収入を得る方法はないかと考えたところライブ配信に行き着きました。
――実際にライブ配信を始めてみてどうでしたか?
きくちゃん:すごく楽しかったです。自分の挑戦をこんなにたくさんの人に応援してもらえるなんていままでの人生でなかったので、『Pococha』に出会えてよかったと感じました。
――そもそも、旅に出た経緯も気になります。
きくちゃん:20歳の頃に、憧れている写真家の方がいました。彼が世界中の人たちの笑顔をチェキで撮り、配りながら旅をしている姿を見て、「世の中には、こんなに綺麗な場所があるんだ」と世界を見て回ることに興味を持つように。また、学生時代に東北の震災のボランティアをしたときに、現地に行かないとわからないことがたくさんあるのだと痛感し、そこから、いろいろな人と出会ってみたいと思うようになりました。私は仕事柄、どうしても亡くなる方を見ることになります。命は限られているし、健康な年齢にも限界があるなかで、やりたいことをするならいまがタイミングかなと思い、旅に出ました。
――きくちゃんさんの枠はどんな雰囲気ですか。
きくちゃん:雑談が多いです。私が海外で街歩き配信をしているのを、リスナーさんが見てくれています。リスナーさんには、高齢で旅に出られない方とか、寝たきりの方もいれば、私と同じ看護師さんも。子育てでなかなか外に出られないお母さんがリフレッシュのために見に来てくれることもありますね。
――遠出できない方が多いのですね。行って欲しい街のリクエストなどもありますか。
きくちゃん:あります。旅のルートはノープランに近いので、リスナーさんに教えてもらった場所にもたくさん行きました。スイスのツェルマットというマッターホルンが見える村もその一つです。
※マッターホルン:アルプス山脈に属する標高4478mの山。
――旅をしながらのライブ配信はとても大変かと思います。続けるために工夫したことがあれば聞かせてください。
きくちゃん:最初は、ライブ配信を続けるためにがむしゃらに頑張ってしまいました。でも、「旅を楽しむ」という本質を忘れないようにしようと思い、少しずつ変えていくように。たとえば、現地の人とコミュニケーションが取れる機会があったらライブ配信はお休みさせてもらうなどの工夫をしています。一方で、旅で出会った方がライブ配信をOKしてくれたときには、私と現地の人とのコミュニケーションの様子を見せることも。そんな風にライブ配信を生活の一部に溶け込ませていました。