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VS 朝倉未来直前! YA-MANが語る“20歳の自分と若者へのメッセージ”「格闘家はあくまで目標に向かうための手段だった」
近年、新しく始めたスポーツとして耳にすることも多い格闘技は、『THE MATCH 2022』や『BreakingDown』など若い世代を中心にトレンドとなっている。 PPVやYouTubeなど配信コンテンツが充実したことによって一層盛り上がる格闘技シーンの面白さを、若年層マーケティングを手掛け、リアルサウンドテックでも大学生のトレンドを紐解く「#bienoZ世代インサイト」を連載している株式会社bieno代表・奥原ゆきのと共にZ世代のリアルな声と仕掛け人や格闘家たちの言葉をもとに伝えていく連載がスタート。
初回は今週末11月19日にABEMAで完全生中継される自身の主宰PPVイベント『FIGHT CLUB』で、朝倉未来との大一番を控えるYA-MANが登場。19歳で始めた格闘技人生や今後のキャリア、今回のPPV大会への想いなどを語ってもらった。聞き手は株式会社bieno代表であり現役大学生の奥原ゆきのが務める。
〈20歳の自分は「どう金持ちになるか」しか悩んでなかった〉
奥原:朝倉未来選手との対戦が直前に迫っていますが、いまの気持ちはどうですか?
YA-MAN:試合をすることは決まってますから、やるしかないって気持ちですね。あと、あの人はキックボクサーのことをすごく舐めてるので、分からせてやりたいって思ってます。
奥原:公開練習では、朝倉さんが「これまでと同じような試合展開にはさせない」と話していました。
YA-MAN:いや……自分の展開にさせないってのはこれまでの対戦相手がみんな考えてきたことだと思いますよ。それなりにみんな対策してきたけど、結果として俺が自分の闘い方で勝つことができてる。結果は変わらないと思いますよ。朝倉未来は総合格闘家だから、キックの距離感も全然わかんないだろうし。
奥原:朝倉さん側もしっかり対策してきているようですが、YA-MAN選手はどうですか?
YA-MAN:以前に一緒に練習してたというのもありますから、相手がどれぐらいできるかも、どういう攻撃が当たるかも全部わかってますよ。それに「対策してる」って言ってますけど、自分は19歳という他の選手と比べても遅い時期に格闘技を始めて、正直伸びしろしかないわけです。RISEのベルトを獲ってからもスキルは上がってますし、2年前と比べたら段違いなくらい強くなってるので、その頃の自分を見て対策してるなら、全然意味ないよと言いたいですね。
奥原:格闘技は19歳から始めたということですが、それはどういう理由で?
YA-MAN:大学に入ったタイミングでキックボクシング部があったので、部活動の一環として始めたんです。
奥原:かなり遅くから始めてプロになったんですね!
YA-MAN:はい。でも、うちの大学からプロになるやつは多いんです。毎年一人くらいはいるんじゃないかな。同じジム(TARGET SHIBUYA)の後輩にあたる常陸飛雄馬も、同じ大学の後輩ですから。
奥原:そうなんですね! 学生時代のことについても少し聞きたいのですが、ご自身が20歳のとき、どんなことに悩んでたりしましたか?
YA-MAN:20歳か……。「どう金持ちになるか」しか悩んでなかったかもしれません(笑)。じゃあ経営者になろうと思ったんですけど、どうやったらなれるんだろうと考えて、いろんな人に話を聞いたり、本を読んだりしていました。その時からTARGET SHIBUYAには通っていて、ジムの入り口で本を読んだりして。学校に行って、本を読んで、部活に行って、TARGET SHIBUYAで練習する、という毎日でした。
奥原:すごく真面目な一面があるんですね。そうやって勉強もするなかで、格闘技の道へ大きく踏み出したきっかけはありますか?
YA-MAN:自分の中で、プロになろうと思ってなったわけではないんですよ。あくまで自分に興味を持ってもらうための手段だと考えていました。格闘技は経営者の方も興味がある人が多いので、そういう方々と交流するきっかけにもなるよなと。
奥原:じゃあ、そのころはRISEのベルトを取るなんて思ってなかったですか?
YA-MAN:いや、まったく思ってなかったですし、取る気もなかったです。ただ、やるからには一試合一試合に全力を尽くしていました。
奥原:YA-MAN選手の試合は、1回見たら虜になる面白さがあると思っています。YA-MAN選手自身も過去に「負けるよりも盛り上がらないことが怖い」みたいなことを話されていましたし、自分に興味を持ってくれる人を増やすという意味だと、SNSでの活動も大きいのかなと思います。現在フォロワーは20万人くらいいらっしゃいますが、どのように意識して運用しているのでしょうか。
YA-MAN:一番意識して運用しているのはX(旧:Twitter)ですね。どうやったらみんなが反応してくれるのかを意識してポストしています。SNSっていろんな運用の仕方があると思っていて、たとえばアイドルの方だと「かわいいから、かっこいいからフォローする」わけですよね。そうじゃない人は「役に立つから」とか「面白いから」という理由だったり。じゃあ、自分はどうかと考えた時に、面白い発言をしたほうがフォローしてくれるんじゃないかなと。インスタグラムのほうは完全になにも考えてないです(笑)。
奥原:そういう風に意識し始めたきっかけはあるんですか?
YA-MAN:格闘技だけをやっていたら、 自分の存在を知ってくれる人ってなかなかいないなと思ったんです。興行を行うにあたって、参加してくれる人がいないとお金は入ってこないし、そのお金がないと興行ってできないじゃないですか。そして興行が成功しないと自分の収入も増えないわけで。そうなると、自分を知ってもらって一人でも多くの人にチケットを買ってもらうのが大事だし、結果的に一番近道なんだなと思ったんです。
朝倉未来は「大衆が求めるアスリート像」をぶっ壊した
奥原:YA-MAN選手が初めてRISEのリングに上がった2018年は、朝倉選手もちょうどRIZINに初参戦した年なんですよね。
YA-MAN:そうそう。俺、その試合見に行ってましたもん。(同じRISEに参戦していた)那須川天心の試合を見に行ったら、朝倉未来が出ていて。最初は朝倉海のお兄ちゃんという印象しかなくて、ストリートで育った自分からしても「『THE OUTSIDER』(不良の更正を掲げた格闘技団体)上がりのやつがやれんのか?」と思っていました。1ラウンドでKOしてましたけど。
奥原:その後の朝倉選手の成り上がりは、YA-MAN選手が目指す“経営者であり格闘家”のひとつのロールモデルでもあると思うんですが、どのように見ていますか?
YA-MAN:あの人は「大衆が求めるアスリート像」みたいなものをぶっ壊してくれたと思っています。「アスリートは他のことやらずに練習しろ」みたいな美学って日本に根付いてたじゃないですか。負けたアスリートは特にそういうことを言われやすい風潮があるんですが、それって引退した後にどうすればいいか、ということを考えての発言ではないと思うんですよね。アスリートは選手生命がそこまで長くないわけで、そこまで文句言うなら引退した後に面倒みてくれるのか?と言い返したくなったりします(笑)。だって、引退したらアスリートも社会に溶け込まなくちゃいけないわけで、色んな社会人としての立ち回りが必要になってくる。あの人は現役をやりながらそれをやっていて、そこはすごいと思っています。
一方で、いまの格闘家は自分も含めて2部練や3部練が当たり前になっているなかで、朝倉未来は朝の1回しか練習しないことも多い。そこは流石に「もっとやったほうがいいんじゃない?」と思いますね。練習したほうが勝つということを、僕が今回の試合で世の中に伝えます。
奥原:今回の試合が決まって以降、周りの声はどうですか?
YA-MAN:アンチコメントはたくさん来るようになりました。朝倉未来の悪口を言っただけで、いろんな方面から「まだ早えよ」「お前じゃ無理だろ」みたいなコメントがくる。あの人はやっぱり教祖なんだと思いました。
奥原:これまでアンチコメントがここまで多く来ることはなかった?
YA-MAN:そうですね、基本的には応援が多かったです。最初のころは一定数ありましたけど、中村寛戦に勝ってからはパタリとなくなりました。
奥原:中村寛選手との戦いは”ファンが選ぶYA-MAN選手のベストバウト”でも1位に選ばれるほど歴史に残る試合ですよね! “アンチ”からのそういったコメントを受けて、今回の試合への気持ちは変わりましたか?
YA-MAN:よし、見とけよと逆に燃えてますね。「お前らの思ってることは幻想だったんだよ」と思わせたい。
奥原:コメントといえば、ABEMA格闘YouTubechでも平本蓮選手の勝敗予想インタビューが上がっていました。そういう同業のコメントや勝敗予想は見たりしますか?
YA-MAN:平本のコメントは見てないですね。というか絶対見ないと思う。どうせ変なこと言ってるんだろうし、見たらぶっ飛ばしたくなるので(笑)。