格闘技界は「自己プロデュースの時代」に? 朝倉海が多岐に渡る活動を行う理由

朝倉海が、多岐に渡る活動を行う理由

 「2021年RIZINバンタム級ジャパンGP 準優勝」「第3代RIZINバンタム級王座」などのタイトルを持ち、日本を代表する総合格闘家として活躍する傍ら、チャンネル登録者数が100万人を超えるYouTuberとしても活動している朝倉海。

 そんな彼は、D2Cアパレルブランド「EN MER(エン メール)」のプロデューサーとしての顔も持っている。今回は、同ブランドから初のスポーツウェアライン「EN MER SPORTS(エン メール スポーツ)」がローンチしたということで、先日公開された動画で完成報告していた新スタジオに伺い、インタビューを敢行。多岐にわたる活動への思いを明かしてもらった(編集部)。

ーー今日の取材は、海さんの新たな撮影スタジオで行っていきます。

朝倉海(以下、朝倉):こういう一軒家で、自分のすべてが出来る場所を作るというのが夢だったんですけど、ようやく形にすることが出来ました。僕のいまの活動でいうと、メインが格闘技、それとYouTube「KAI Channel」の運営、そしてアパレルブランドの「EN MER」のプロデュースというのがあるんですけど、そのすべての活動をここで行えるようにしてます。3階にジムも作ったので、日々の練習もできますよ。

ーー海さんのアパレルブランド「EN MER」は、大きな話題になってますね。

朝倉:昔から服が趣味というか、オシャレをすることが好きだったので、アパレルには興味はありました。なので、いつかは自分でブランドをやりたいというのも夢だったんですけど、ついにいろいろ出来るというタイミングが来たので挑戦してみよう、と。でも、最初は知識も少なかったですし、本当に自分たちだけでゼロからスタートしたブランドなので、なにもわからないところからデザインや生地を決めていくような感じでしたね。

ーー実際に発表したときの手応えはいかがでしたか?

朝倉:ありがたいことに、反響は良かったです。僕がすごく服やファッションに興味があるということをファンの方々が認知してくれていたこともあって、最初の商品はすぐに完売になりました。ポップアップストアにもたくさん来てくれて、思っていた以上に受け入れていただけたと思いますね。

ーーそして新たに『EN MER SPORTS』をローンチしました。これはスポーツウェアに特化したサブラインという位置づけですか?

朝倉:いや、「EN MER SPORTS」はサブではなく、別ラインというイメージですね。最初にブランドを立ち上げるときから、カジュアルなアイテムと、より機能的なスポーツウェアをやりたいと思っていたので、どちらも本気というか、それぞれコンセプトが違うブランドという感じです。

ーースポーツに特化して、より機能的になってるんですね。

朝倉:やはり僕はアスリートなので、スポーツウェアというのは普段から必ず身につけてますし、こういうものがあったらいいなというアイディアもたくさんあって。そこで、素材も含めて僕の理想に近いウェアを作りたいという思いがありました。

ーー海さんならではのこだわりが詰まっていると。

朝倉:デザインだけでなく、動きやすさも突き詰めました。でも、自分だけじゃなくて、スポーツを愛する人すべてに心地よく、カッコよく着てもらいたい、というのもコンセプトで。最初は、いいウェアだなと思ってEN MER SPORTSのアイテムを手にとってもらって、それからゆくゆくはスポーツや格闘技にも興味を持ってもらいたいというのもありますね。

ーーアパレルからでも、格闘技に結びつけていきたいという想いがあるんですね。

朝倉:僕の中で、そこを目標としているという部分はありますね。アパレルを始めた理由のひとつとして、格闘技を広めていきたいというのはあって、アパレルから朝倉海という存在を知って、朝倉海がやっている格闘技というスポーツに興味を持ってくれれば、それが一番うれしいというか。

ーー格闘技の認知度を上げていきたいと。

朝倉:僕が『RIZIN』に出始めたのが4年前くらいなんですけど、いまと違って最初のころは会場にお客さんが少なくて、メディアでもあまり取り上げてもらえなかった。特に若い世代の方々は『RIZIN』といっても、あんまり知らないという人が多かったと思うんですよ。僕は自分が打ち込んでいる競技というのもありますけど、格闘技の素晴らしさをもっと多くの人に伝えたい。実際に格闘技って観るだけでも面白いし、やればもっと楽しい、魅力的なスポーツだと思ってるので、それだけに触れてもらえないという悔しさはあって。

ーーかつてはもっと人気があったというか、影響力のあるコンテンツでしたからね。

朝倉:それで僕はYouTubeだったり、テレビとかメディア露出に力を入れ始めたんですけど、それも朝倉海の名前を売りたいというよりは、格闘技を知ってもらいたいというのが原動力。僕が動いた結果、実際に認知度があがって、お客さんも増えていったので、それは意味があったと思いますね。もちろん僕だけの力じゃないですけど。

ーーなかでもYouTubeの影響力は大きかったですか。

朝倉:それは大きかったと思います。YouTubeを始めてから街で声かけられることも増えましたし、自分のキャラクターを知ってもらえているという実感はありますね。それまでメディアの取材を受けたり、Twitterで発信するということもやってますけど、YouTubeがいちばん自分という人間が伝わる場所だと思います。

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