にじさんじ・北小路ヒスイが見せた“羽化”と感受性豊かに歩んできた足跡を振り返る
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。
育成プロジェクトである「バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)」からも新規ライバーがデビューし始めており、現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与え始めている。
前回当連載では「世怜音(せれいね)女学院演劇同好会」4人のメンバーから西園チグサについて触れた。今回は、つづけて北小路(きたこうじ)ヒスイについて書いていこう。
にじさんじ所属、北小路ヒスイだよ~
これからよろしくね❇ pic.twitter.com/6aXufCOl9q
— 北小路ヒスイ❇️ (@Hisui_Kitakoji) August 6, 2020
あの頃は中学生、今は大人 でも変わらない大人びた雰囲気
2020年8月6日にSNSに初投稿、8月10日にYouTubeで初配信をおこない、現在まで活動を続けている。彼女のイメージカラーは自身の名の通りに翡翠色。すこしウェーブ気味でハネっ気のある癖毛の髪型に、制服・私服・アイドル衣装とさまざまなビジュアルを見せてくれる。笑顔を見せてくれたときに口元からみえるギザギザとした歯もチャームポイントだろう。
デビュー時には「女学院の生徒」として活動していたが、2021年3月9日には自身の成人姿を新衣装として披露し、子供・大人両方のビジュアルを持つようになった。右手に持っているアメを舐めることで大人の姿へ変身している……そんな認識がファンに広まったのだ。
実際彼女のデビュー時、プロフィールには「この春、 訳あって別の中学校から転入してきた。」とあり、彼女にはなにか裏の顔があるのでは? という認識を持つファンも多かっただろう(筆者もその一人だった)。
その秘密が明かされたのは2023年5月15日。この日、彼女は一本の動画を投稿、じつは秘密諜報員の一員として活動をするれっきとしたスパイであり、飴を舐めることで自身の年齢を操作、肉体をも変化させて、さまざまな調査を行なっていた……デビューに綴られていた“訳あって”を紐解くバックストーリーを公開したのだ。
その後2023年5月31日には自身のプロフィールを大きく変更、公式ビジュアルはこれまでの中学生の姿から大人の姿へ、プロフィール文も"大人の北小路ヒスイ"を感じさせる内容となった。
ちなみにこのとき、北小路はライブ配信を通じてリスナーやファンに告知することをすっかり忘れてしまっており、10月9日に配信を通じて彼女の口から具体的な内容が話された。
ビジュアルやプロフィールこそ大きく変わったものの、顔の描かれ方や配信の口調、声色を大きく変えたわけではないので、“今までの北小路ヒスイ”らしさはもちろん残っている。今までとの大きな違和感なくこれからも彼女を受け入れられるはずだ。
とはいえ、自分が好きだったVTuberがビジュアルもプロフィールも大きく変更するとなると、長年のファンからすればかなりショックを受けるのでは……そんな風に勘ぐってしまいそうになる。
しかし、実際には大きな反発もほとんど無く、むしろ「うん、知ってた」と言わんばかりに彼女の変化を受け入れるムードが生まれていた。
なぜそういった否定的な声があがらなかったのか。その理由としては、そもそも彼女自身がこれまでの活動を通し、“学生らしくない”部分をかなり見せていたことが挙げられる。
配信中にお酒を飲み「お酒のアテになにがいいか?」とリスナーと雑談したり、好きなアニメの話題では90年代のロボットアニメを中心にあげてみたり、くわえて好きな映画としてB級映画やサメ映画を愛してやまない。
プロレス観戦やネットミームにも非常に詳しく、パソコンにもかなり詳しい。振り返って考えてみるとまるでいつの時代かのサブカル好きを見ているかのよう。北小路の嗜好は非常に傾いているのだ。
それゆえに、大人の姿となっても今まで通り……むしろこれまでよりも一貫性がうまれ、より北小路ヒスイという存在を理解しやすくなったと言えるだろう。
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— 北小路ヒスイ❇️ (@Hisui_Kitakoji) October 1, 2020