にじさんじ・北小路ヒスイが見せた“羽化”と感受性豊かに歩んできた足跡を振り返る
大人びていてアンニュイ……その裏にあるのは自他共に認める“メンヘラ気質”?
北小路の雑談配信はいつも暗めの光量で彩られており、すこし低めの声色で語りかける彼女の姿も相まって、にじさんじのなかでいえば白雪巴やドーラといった面々に匹敵するほどに大人びてアンニュイなムードが立ち込めている。
時として過激な話題を扱うこともあるが、普段の彼女はどちらかといえば紅茶を口にしながら、穏やかにリスナーと会話を楽しむタイプだ。リスナーとの共通項を楽しむという意味では、サブカルチャーを愛しているがゆえにアングラかつネットフレンドリーな感性・シニカルさを体得したという点で先輩にあたる瀬戸美夜子とすこし似ているところがあるかもしれない。
そんな北小路ヒスイ、自他ともに認める“メンヘラ気質”なところが彼女のパーソナリティとして挙げられる。
彼女自身にまつわるトークネタとしてこの一面が挙がることもままあり、自身を「闇のメンヘラ」と自虐することもある。穏やかな口調からネガティブな言葉を発し、特に恋愛トークや友人関係の話題などで自己肯定感が低く傷つきやすい内面をエピソードと共に吐露することもしばしばある。
もちろん、配信を盛り上げるためにいくらか大げさにしている部分はあるかもしれないが、とあるコラボ配信中に先輩である叶とアンジュがメンヘラについて話していた際には、「メンヘラの説明でわたしがすごい刺さるんだけど」と思わずダメージを口にする程度には、そういった気質があるようだ。
こうした面は、感受性の高さとも言いかえられる。とあるRPGを配信でプレイしていた際、ゲーム序盤の段階で泣き始めてゲーム進行を止めたこともあるほど、ひとつのコンテンツ・事象に関してかなり強い感情を抱いてのめり込むタイプなのは間違いない。
かつて彼女は子役として活動していた時期があったと振り返っており、現在でもミュージカルや映画が好きであることからも、生い立ちが彼女のアイデンティティや人格形成に分かちがたく結びついているのだろう。
自分自身を偽ったり隠すこと無くリスナーとともにあり続けようというスタンスで、少しずつ支持者を増やしつつある。まるで深夜ラジオのような「パーソナリティとリスナーとでしか理解し合えないムード」で築かれた信頼関係は、彼女を根本から支える屋台骨となっているはず。
VTuberとして3年目を迎えたいま、彼女がなににのめり込み、なにを生み出すのかを注視していきたいところだ。
にじさんじ・西園チグサは“不屈の明るさ”で突き進む パッションあふれる快活さで、弱みすらも力に変えて
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている…