『今日好き。カンヌン編』3話ーー「いちばん気になっています」ピュアボーイの精一杯のアプローチもいまいち距離を詰めきれず……

『今日好き。カンヌン編』3話

 

 『カンヌン編』の旅も勝負の2日目を迎え、参加メンバーが思うように進まぬ恋に悩む時間も徐々に長くなってきた。過去シーズンと同様、今回も2日目はグループ行動がメインとなったわけだが、メンバー決めの方法はなんと、初日に引き続き“花くじ”。自身で参加したいグループを決めるといった方法が多く採用されてきたなか、今回は運の要素をかなり重視しているようにも思える。

 そんな状況下でも、幸運なことに同じグループとなってショッピングデートを満喫し、初日の2ショットからさらに距離を縮めたのが、はると(八幡晴人)×みう(磯村美羽)。スタジオの“恋愛見届け人”を務める井上裕介(NON STYLE)から「24話完結の韓国ドラマの1話目」のような関係性だと喩えられているこのふたり。前回のダイジェストから同じ話題続きとなり恐縮だが、今回はそんなドラマの“2話”の模様を振り返りたい。

はると×みう、リアルな高校生の恋愛模様を刻んだショッピングデート

 場面は、商店街での食べ歩きからスタート。同じグループとなったりんかの頼もしい後押しもあり、みうが自然にはるとに話しかける。話題はやはり、はるとがあまりにも女子との会話慣れをしていないことについて。過去の『今日好き』でも、シャイな男子メンバーは数えきれないくらいに登場してはいるが、その多くは自身の恋愛感情に自覚的で、“好きだよ”といった好意の言葉を発するのになにか躊躇う理由があったとすれば、その大半以上は自身の心に生まれる恥ずかしさからだった。

 一方、はるとの場合は、そもそも恋愛意識がこれから生まれてくるようで、こうした男子と女子のやりとりに対する純粋な疑問をぶつけてくるのが面白い。ここでも、お互いを知っていく過程について「むずくない? どうやって知っていくの? そもそも」と質問し、みうから返ってきた答えは、とてもかわいらしい「質問ゲーム」。みうの回答も含めて、なんとも高校生らしさ溢れるやりとりだ。

 その後も、彼女の好きなタイプである“男らしさ”がある人について「どういう男らしさが好きなの?」と深掘り質問。みうの考える“男らしさ”とは、たくさんお喋りをし、会話や行動を含めてなんでもリードしてくれる人だと聞くと、自身を省みて「なんも当てはまってないじゃん」と一言。みうもそれを認めつつ、それでもはるとの存在を瞳で追ってしまうと、なんともロマンチックに切り返すのだが、この会話のオチは「謎だね」「はい、謎です」という、どこか淡白なものだった。

 本質こそ違うものではあるが、隠居後の老夫婦が自宅の縁側に正座し、緑茶を啜りながらぽつぽつと言葉を紡ぐやりとり。あくまでこの一場面を切り取った上での印象だが、会話のテンポとしてはかなりあれに近い。

 最後には、みうの方からさりげなくプレッシャーを掛けられて「いまはいちばん気になっています」と、精一杯の想いを打ち明けるはると。が、そこはさすが恋愛感情がこれから芽生えるピュアボーイ。“好きです”や“好きになりかけています”など、核心に近づく言葉を期待するみうは「それだけ?」とパスを出すものの、「それだけっていうのは?」と逆に質問をされてしまう。この会話の着地点は、みうの「それだけか」というオウム返しに近い少し残念そうな一言に。またしてもふたりの背景が、カンヌンの街並みから田舎の縁側に強制転換されてしまった。

はると、彼氏に選ぶには“最高条件”の男子だった?

 とはいえ、ここでみうに提案がある。残念だが、“自身をリードしてくれる彼氏”を諦めて、代わりに“自分色に染められる彼氏”をゲットできるのだと、逆転の発想を持ってみるのはいかがだろうか。

 たとえば、ふたりがおみやげショップを尋ねた場面で、アクセサリー交換をしようとなった際、はるとは「センスがわからない」と頭を掻いていたが、みうは「色はどっちがいい?」と優しくリード。知らないからこそ、経験を増やしていく。こうして同じ時間を過ごし、価値観や同じ時間を楽しむキモチをゆっくりと共有することで、新たな恋の活路が拓けるように思えている。実際、この場面は特に雰囲気のよい印象があった。

 また、はると自身はモテないことはないが、会話がうまくいかず、過去の交際人数は0人だとも明かし、みうを驚かせていた。こちらも翻せば、過去の彼女と比べられることもなく、普段のはるとは「女の子と話さない」だけに、他の女子に心が移る心配も高くはないはず。自分だけを大好きでいてくれる意中の相手。彼氏としては“最高条件”に他ならないし、高校生という世代、そして男子や女子を問わず、そんなパートナーを探している人が、きっとたくさんいるのではないだろうか。

 ポイントは、みうがこのあたりを十分に理解し、“はるとらしさ”を受け止めて、彼との時間をふたりのペースで楽しむこと。『今日好き』の旅は始まれば一瞬だが、焦ってはいけない。もし告白をしたとしても、2泊3日だけじゃない、その先の未来で着実に、一歩ずつ関係性を深めていく選択肢までを見据えた決断をしてもらいたいものだ。

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