美麗イラストから貴重な設定資料、精巧なバハムート像まで 豪華アートワークが盛りだくさんな『Cygames展 Artworks』レポート
ゲームアプリの開発・運営会社「Cygames」は、9月2日から10月3日にかけて東京・上野の「上野の森美術館」にて展覧会『Cygames展 Artworks』を開催している。
『グランブルーファンタジー』『Shadowverse』『ウマ娘 プリティーダービー』『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』などなど……多岐にわたるジャンルのタイトルを手がける同社の、無数に存在するアートワークたちを一挙に眺められる機会ということで、サイゲファンならばぜひ足を運びたいイベントだ。
かくいう筆者も、『グランブルーファンタジー』で古戦場を走ったり、『ウマ娘 プリティーダービー』で「アグネスタキオン」のサポートカード実装に歓喜したりしたサイゲファンの一人だ。
本稿では筆者がプレイしたことのあるゲームを中心に、『Cygames展 Artworks』見どころを紹介していきたい。会期はすでに始まっているが、足を運ぶか悩んでいる方に本展覧会の魅力が伝われば幸いだ。
なお、今回筆者は取材のために許可を得て撮影をおこなっているが、本展覧会には撮影禁止エリアも存在する。各展覧物の脇に「撮影禁止」などと表記したパネルを配置してくれているので、ルールを守って楽しもう。
Cygamesのコンテンツを楽しみ尽くす 膨大な展示物と公式ガイドアプリ
展覧会場へ足を踏み入れると、さっそく巨大なスクリーンがお出迎え。展覧会のビジュアルが流れていてカッコいい。順路を進むと、同社の手がけてきたタイトルが年表で並ぶ通路を通ることとなる。2011年9月にサービスインした『進撃のバハムート』から2014年3月の『グランブルーファンタジー』、2015年9月の『アイドルマスター シンデレラガールズ』、2021年2月にスタートした『ウマ娘 プリティーダービー』までを含む、スマホのアプリゲームで遊んだことのある人であれば一度は見聞きしたであろうタイトルたちがずらりと並ぶ。
その通路を抜けると、いよいよ最初の展示物が見えてくるのだが、その前に一つ紹介しておきたいものがある。『Cygames展 Artworks』の公式ガイドアプリだ。こちらのアプリ、館内マップや展示ガイドはもちろん、音声ガイドも搭載しており、これがまた豪華な仕様になっているのだ。出演声優には『グランブルーファンタジー』の「ルリア(CV:東山奈央)」を始め、主役級のキャラクターたちが参加。彼ら/彼女らが各展示物の詳細や見どころを詳しく説明してくれる。
〈出演声優〉
緑川光(アルベール役/『神撃のバハムート』より)
優木かな(アリサ役/『Shadowverse』より)
東山奈央(ルリア役/『グランブルーファンタジー』より)
佐藤利奈(千川ちひろ役/『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』より)
M・A・O(ペコリーヌ役/『プリンセスコネクト!Re:Dive』より)
ゆかな(ナーム役/『ドラガリアロスト』より)
逢坂良太(アルク役/『ワールドフリッパー』より)
藤井ゆきよ(駿川たづな/『ウマ娘 プリティーダービー』より)
音声はすべて本展覧会のために新規収録されたものとのことで、アプリを利用するには展覧会場でのチェックインが必要なため、まさしく“ここでしか聴けない”ファン垂涎のコンテンツだ。各展覧物をゲームの思い出を振り返りながら楽しむもよし、音声ガイドをじっくりと聴きながら楽しむもよし、ぜひ堪能してもらいたい。
なお、アプリを利用する際は周囲の迷惑にならないよう、必ずイヤホンを利用しよう。せっかくの音声ガイドなので、より作品に没入するためにも忘れずに持っていきたい。
『Shadowverse』コーナーはタッチで進化も可能な“触って楽しむ展示”が目玉
『進撃のバハムート』のコーナーを抜けて、デジタルTCG『Shadowverse』へとたどり着くと、壁に配置されたディスプレイに膨大な数のカードが並んでいるのが目に入る。第1弾から第28弾までに収録されている4000枚以上ものカードたちがずらりと並び、それらをタッチして進化後のイラストを楽しむことができる。
筆者は『Shadowverse』をプレイした期間があまり長くなく、第2弾「Darkness Evolved/ダークネス・エボルヴ」から第3弾「Rise of Bahamut/バハムート降臨」くらいの時期に遊んで以降は離れてしまっているのだが、それでも懐かしい顔ぶれを見つけてうれしくなった。当時は「エイラの祈祷」を軸にした「エイラビショップ」「エイラセラフ」を使っていて、「鉄槌の僧侶」にくわえて2アクション取れてうれしい「スレッジエクソシスト」をピン積みしていたなあ、などと当時の記憶が蘇ってきた。
進化後のイラストを見るにはカードをタッチすれば良いのだが、お馴染みの効果音・演出が流れるので楽しくてついついあれこれ触ってみたくなる。きっと、筆者以上に長くプレイしている方であれば「この時期はこれ強かったなあ」とそれぞれの弾を振り返りながら楽しめるだろう。
『グラブル』コーナーでは「グランサイファー」がお出迎え
続いては『グランブルーファンタジー』のコーナーへ。足を踏み入れると主人公たちが乗る「グランサイファー」の模型が目に入るだろう。細部まで忠実に再現されており、よくよく見ていると「やけに見覚えのある甲板だなあ」とプレイ中のスチルが頭をよぎる。
また、熱心な騎空士の方であればあるほど、普段プレイする際は映像設定を「軽量」にして周回スピードを上げているだろう。そのため、展覧会場であらためて各アートワークを見ると「この絵、こんなに綺麗だったのか……!」と驚く方もいるかもしれない。
史実をもとにした“if”を紡ぐ作品『ウマ娘』コーナーには正史の競走馬たちの姿も
『ウマ娘 プリティーダービー』のコーナーに足を踏み入れると、中央にはコースを模した柵に囲まれた巨大なスクリーンがお出迎え。さらにその周囲にはこれまでのメインストーリーの主役を務めたウマ娘たちが立ち並ぶ。
ウマ娘たちのエピソードや印象的なカットシーンと共に展示されているのは、彼女たちの元となった競走馬の写真と生涯戦績だ。メジロマックイーン、ライスシャワー、ウイニングチケット、ナリタブライアン、サイレンススズカ、スペシャルウィーク……歴史を彩ってきた競走馬たちの史実をもとに、“if“を描く同作ならではの、リスペクトを感じられる粋な展示に思わずグッときてしまう。
中央のスクリーンにはメインストーリーのレース映像やウイニングライブが流れている。映像の迫力だけでなく、柵を挟むことでまるで『ウマ娘 プリティダービー』の世界でライブを観ているかのような、そんな不思議な感覚になった。