szri×もちうつね、ボカロP歴わずか約1年のルーキーたちが語るVOCALOIDの魅力 「人間のネガティブな一面や尖った個性を大きな武器に」
「ボカコレはクリエイターの気合いが入った逸品の並ぶコンテスト」(szri)
──今夏のボカコレを控えて、まさに制作期間が佳境を迎えているかと思いますが。お二人とも今回もルーキーでの参加ですか?
もちうつね:いえ、僕はTOP100ランキングに参加しようと思ってます。
──おお! その心は?
もちうつね:単にもっと強者たちと戦いたくて(笑)。
szri:あははは、すごい(笑)!
もちうつね:真面目な話、最前線で活動しているボカロPの方々と比べて、自分の今の実力がどの程度かを客観的に見てみたいので、あえてTOP100に挑戦してみようかな、と。元々ひっそりと初音ミクとかをお遊びで使ってた時期もあって、厳密な制作歴を鑑みると2年(※)っていう期間がそろそろ怪しい部分もあるので……(笑)自分の中でのレギュレーション的に、というのもありますね。
(※ルーキーランキングの参加資格。ボカロP歴2年以内のクリエイターのみが参加を許される)
それから、個人的な曲作りへのこだわりとして、「完璧ではない完璧」っていうのがあるんです。いまって、色んなクリエイターの方々が情報を発信してくれるおかげで情報収集もしやすくなって、良くも悪くもクオリティの平均値まで辿り着くのが結構簡単になったと思うんですよ。
でも、だからこそ自分は“昔ながらのチープさ”とか、“おぼつかない可愛さ”みたいなものを個性として表現していきたいんです。表に出しにくい、自分の不毛でネガティブな感情を落とし込んで、大好きでわがままで自分勝手な創作をしていきたくて。それでTOP100に挑んだ時にどこまで戦えるか、っていうのを今回のボカコレでは試してみたいですね。
──いろんな意味でのマイナスな部分を大事にしたい、という方向性は、ダークな世界観をルーツにするszriさんとの共通点のようにも思います。
szri:そうかもしれないですね。僕は友だちが少ないほうですし、ウェイウェイ盛り上がるタイプの人では全然ないので。
もちうつね:最近は結構そういうのもひとつのスタイルとして流行っていますよね、“後ろ向きな音楽”というか。
szri:とくにボカロ界隈ではそういう方向性の曲をわりとよく見る気がします。
もちうつね:創作を通すと、そういう自分のネガティブな一面を周囲に受け入れてもらいやすいというか。自分としても、普段強がっちゃって言えない部分や弱い部分を出しやすいなとも思います。
szri:すごくよくわかります。ちなみに、僕は今回通常通りルーキーランキングに参加するんですけど、ちょっと進捗がマズいので(笑)、頑張らないといけないですね。
──おそらくお二人にとってボカコレは、カルチャーの中で当たり前に存在する位置付けのイベントかとも思うんですが。この1年でボカコレという場に作り手側から参加して、どのような印象を受けられましたか。
もちうつね:人目に付きにくい音楽も、ある程度見られやすくなったなという感覚があります。個性派揃いの現状は、本当に自分からしたら天国でしかないですね。元から個性的な音楽を作るのも、聴くのも好きだったりするので。いろんな人のありのままが出すぎているというか、身勝手の極意というか。そういうものがメインストリームを張る景色をもっと見たいな、と思いますね。
──szriさんはいかがでしょう。
szri:リスナーだったころは「面白そうなお祭りがあるな」と思って、ランキングの1位から10位までをざっと見る感じだったんですけど、いまになってあらためて見てみると上位に入っていない作品や、圏外の方でも面白いことをしてる人がめちゃめちゃいるなと思ってて。「邪道だけどかっこいい」みたいなことをやっている方がたくさんいて、それに気づいたのは作る側に回ってからでしたね。
みんながしのぎを削って作った曲を、ボカコレという場に持ってくるっていう。めちゃくちゃ気合いの入った至極の逸品を持ってくるコンテストになってて、あらためて好きだなって思います。
──贅沢な場ですよね。みなさんの渾身の作品が目の前にずらっと並んでいて。
szri:ボカコレ期間中、自分の作品はおいておいて、ずっと人の曲を巡回してますからね。2022年秋の時は500曲から1000曲くらい巡回したんじゃないかな。さっきの音作りの話しかり、周りから影響を受ける事も多いので、自分の制作に活かせそうなヒントをもらいに行く一面もありますね。
──ありがとうございました。最後にお二人に、今後の抱負なども聴かせて頂ければ。
szri:まずは自分が楽しく活動を続けることでしょうか。当然未熟な部分も多々あるので、いろんなものを、いろんなところから吸収したいです。色んな方の作品を巡回したり、もちうつねさんみたいにSoundCloudの楽曲を聴いたり、まだまだやれることがたくさんあるなと思っています。
もちうつね:己の快楽のために曲を書き続けていきたいですね、自分の創作が大好きなので(笑)。今回のTOP100でもすげえイイ曲を出せそうなので、首を洗って待っていて
ださい。
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— ボカコレ【公式】@2023夏8/4-8/7開催! (@the_voca_colle) June 9, 2023
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公式サイト:https://vocaloid-collection.jp/
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