にじさんじ・山神カルタが秘める類まれなポテンシャル 自然体な振る舞いの中でキラリと光る“ジェットコースター式トーク”の魅力
配信からうかがい知れる良好な友人関係とドラマ
そんな山神カルタは、にじさんじ内の同僚らと深い親交を持つことが多く、同性・異性関わらずに多くのライバーと親睦を深めてきた。
同期の星川サラ、フミに始まり、星川との関わりから仲良くなった雪城眞尋、『にじさんじフェス 2022』での共演をキッカケにその後も共に活動するようになった東堂コハク、卒業数日前までコラボ配信をしていたメリッサ・キンレンカ、ラジオ企画『やまなつ晩酌RADIO』でコンビを組んでいる来栖夏芽。
『マリオカート8DX』などのゲーム配信を通じて仲良くなった黒井しば、伏見ガク、黛灰、そして山神にとって憧れの先輩である夕陽リリなどなど……、配信内外でたくさんの友好関係を築いているのが伝わってくる。
いまから約3年前に、デビューしてから半年ほどでチャンネル登録者数が5万人を迎え、その日は『Getting Over It with Bennett Foddy』(通称:壺おじ)をプレイすることになった。
結果からいえば、夜9時ごろからスタートし、明け方の4時になるまで続いた長時間の配信となったのだが、雪城、黛、メリッサ、黒井と1人ずつボイスチャットに入って山神を応援してくれることに。
山神の希望で「敬愛する夕陽リリの物真似」を交えて応援してもらうという一連の流れや、そしてそんな無茶ぶりも受け入れてくれる応援メンバーの姿をぜひ見てみてほしい。数年経過した今でも「山神カルタの友人関係」を知るに打ってつけの内容であろう。
ちなみに、翌日に“修行がある”と話すと、最後に加わったフミを含めて全員が驚き、「ないからやってるのかと思った」「『壺』を甘く見すぎでしょ」と総ツッコミをもらっていたのはご愛嬌だ。
ちなみに当人たる山神が語るところによれば、自身の交友関係は狭く深いタイプだという。彼女が傾ける愛の深さは、人よりも奥深そうなのがさまざまな会話からうかがい知れる。
実際のところ、山神自身が他人に対してどれほどの強い感情をこめているかは、見ている第三者からは判断がつかない。だが、雑談中の会話からは「他人をよく見ている」ことがよく伝わってくる。
その人がなにを感じ、なにを考えているかまで察しようとし、どういった人とどのような仲を築いているのかまで、つぶさに観察しているのだ。
活動最初期に打ち明けていた話では、特別に仲の良い女友達がおり、彼女との移動時には腕を組み、恋人つなぎをして行動を共にしていた。
その関係がピークの時は共依存のような関係となってしまい、別の女性と絡んでいるところを見ると嫉妬してしまっていたという。
そんな事も影響してか、同性へ向けられる感情は非常に深いものがある。たとえば憧れである夕陽リリとは、初対面から1年ほど時間が経過してもスムーズに話すことができず、タジタジになっている印象を与えるほど。
その後夕陽リリとは「みらるた」(未来人とカルタ)のコンビとして活動をともにしはじめ、主導権を握る夕陽・振り回される山神という関係は両者のファンからも人気が高く、徐々に親睦を深めていった。
ある日の配信中にささいなすれ違いから互いの会話がギクシャクしてしまい、空気が悪化したまま配信を終了してしまうという出来事が発生。
その後、山神は雪城に、夕陽は黛に、それぞれ配信を通じて“相談通話”をし、その後2人で再度雑談配信を企画。2人の間にあったすれ違いを解消し、「同僚」からちゃんとした「友だち」になることで円満に解決した。
互いに相手に好意を持っているがゆえ、相手を大切かつ大事にしてしまい、伝えたいことを伝えないまますれ違ってしまう。友人や恋人関係でも見受けられるコミュニケーション・エラーは、時にそのまま喧嘩別れを招くかもしれない。
そんななかで、いちど壊れかけた人間関係が修復していく様子を、配信を通じてリスナーにみせていく、何ともドラマティックな人間模様を2人は示したのだ。周囲の友人らも時に深くツッコんだ言葉選びを見せているあたり、本気で2人の人間関係を案じていたのが伝わってくる。
当時山神・夕陽それぞれのリスナーが冷や冷やしながら見守り、詳しく事情を知らなかったリスナーをも巻き込んだ注目トピックとなった。
そんな山神カルタだが、先述したように夕陽以外にも雪城、来栖、同期の2人と友好な関係を持っているだけでなく、にじさんじのスタジオスタッフや、病院で注射を打ってくれた女性の医師も話題にあげていたこともある。
たまに見せる“夢女子”的な感性・語りも含めてみれば、山神カルタの情緒的で共感性に溢れた、繊細なる感性にも気づけるだろう。