メリッサ・キンレンカの未来に幸多からんことを。にじさんじ卒業を前にその足跡を辿る

メリッサ・キンレンカの足跡を辿る

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一社であるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

 メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテインメントのフィールドで、アーティストとして日の目を見る者も増加している。

 ここ数回では「元二期生」のメンバーにスポットを当ててきたが、今回はいちど休憩を挟み、2022年5月31日をもってにじさんじを卒業することを発表したメリッサ・キンレンカについて記していく。

 なお、にじさんじ卒業後にはTwitter・YouTubeなどのアカウントが削除される見込みであるが、その足跡をしっかりと刻みたいと考え、URLリンク・映像などを使用させていただく。2022年6月以降に本稿を読むかたは、その点をご理解いただければ幸いだ。

 2020年2月1日にYouTubeで初配信しデビューを飾ると、雑談配信とともに当時にじさんじ全体で盛り上がりを見せていた“『Ark』戦争”に関わっていた。2020年3月1日には、その後の行く末・イメージを決定づける歌動画が届けられた。

 それは、柊キライが作曲した「エバ」の歌ってみた動画。そのインパクトは、当時にじさんじに所属していた多くのタレントとファン、その外側へと一気に広がっていくことになった。

エバ/ メリッサ・キンレンカ Cover

 SNS上だけに留まらず、「メリッサが歌った『エバ』がヤバすぎる」という話題はほかタレントの配信内でもあがることは多かった。その素晴らしさがゆえに原曲との比較をする声があまりにも多くなってしまい、当初はオープンになっていたコメント欄が後々に閉じてしまうほどでもあった。

 いきなり登場したライジングスターに毀誉褒貶はついてまわる。そのほかの歌動画でもコメント欄を閉じてしまうこともあったが、それらも高品位なボーカル・強い支持による鮮烈なる衝撃だったと、いまでは振りかえることができるはずだ。

 いちど再生数を振り返ってみよう。2022年5月25日現在、「エバ」が1432万回再生されているのを筆頭に、「ボッカデラベリタ」が865万回、「シニカルナイトプラン」が801万回、「ヒステリックナイトガール」が726万回、「夜に駆ける」が618万回、「エンドロール」が608万回など、2020年2月にデビューしてからその年が終わるまでに発表された歌動画を中心に、メリッサ・キンレンカの歌声は大きな注目を集めてきたことがわかる。

シニカルナイトプラン/ メリッサ・キンレンカ Cover
ヒステリックナイトガール / メリッサ・キンレンカ Cover

 スモーキーで掠れ気味な声色、それを活かしたボーカルミックス、男性とも女性とも捉えづらい中性な感触、孤独と厭世をなぞるような楽曲チョイス、メリッサ・キンレンカは歌ってみた動画を通してその高い歌唱力を証明したのだ。

 歌ってみた動画だけではなく、自身のオリジナル楽曲として、「haze」「胎生」の2曲を発表。一人のクリエイターとして成長していきたいと、デビュー時に語っている通りの展開となった。

【オリジナルMV】haze / メリッサ・キンレンカ
【オリジナルMV】胎生/ メリッサ・キンレンカ

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