「会社を辞めて音楽だけで食べていく」 みそたろーがライブ配信で届けたい“熱い思い”

みそたろーがライブ配信で届けたい“熱い思い”

 ライブコミュニケーションアプリ「Pococha(ポコチャ)」で行われた「Your Storyーあなたの物語にはチカラがあるー」で、「みそたろー」が見事インタビュー権を獲得した。「目の前の人に楽しんでもらえないような人間が、それ以外の人の心を掴めるわけがない」と話すみそたろー。真摯な枠づくりと自らの歌を磨くことで日々、努力を積み重ねる。12月には300人規模のワンマンライブも決まったというみそたろーの心の内を聞いてほしい。(Nana Numoto)

――「Pococha」を始める前のみそたろーさんは、どんな人でしたか?

みそたろー

みそたろー:中学受験をするなど、勉強詰めの人生をおくってきました。大学生になると、周りはみんないい会社に就職するのが当たり前の世界。僕もそんなルートを進んでいたため、自分の置かれた環境に抗ってまで音楽の道に進む勇気もありませんでした。そんな悶々とした気持ちのまま就職をして、仕事のかたわら作った曲をYouTubeに上げてはみたものの、バズることもなく。その頃、高校時代の友達がプロマジシャンになり、ライブ配信を始めて大成功していたんです。その彼に「ライバー事務所を立ち上げるから『Pococha』というライブ配信アプリをやってみないか」と誘ってもらえて。一人で悶々と曲を作ってYouTubeに上げていた僕に、歌を聴いてもらえる機会ができるかもしれない。そんな思いで「Pococha」を始めました。

――みそたろーさんが、そこまで音楽をやりたいと思ったきっかけを教えてください。

みそたろー:もともと歌うことが好きでした。小学3年生の時に、森山直太郎の「さくら」をなんとなく歌っていたら、友人から「うまいな、似ているな」と言われて。それがきっかけで遠足のときにバスの中で「さくら」を歌ってくれとリクエストされました。手拍子に合わせてアカペラで歌ったら、みんながとても喜んでくれたんですよ。「人に聴いてもらうって気持ちいいんだな」という原体験となりました。

――なるほど。では「Pococha」のライブ配信で工夫していることはありますか。

みそたろー:音楽配信の枠なので、歌をメインに聴いてもらうためにリスナーさんに声をかけてリクエストをお願いしていますね。初見さんがきたら、自分が歌えるアーティスト名を一覧にしたリクエストボードから選んでもらったりと、積極的にコミュニケーションをとっています。夜の7~10時まではリクエストの曲を歌いますが、最後の30分はオリジナル曲のメドレーを演奏しています。それまでは座って歌っていますがオリジナル曲になったら立ち上がって、部屋を暗くして照明をつけるんです。ちゃんとセットリストも組んで、ライブのような雰囲気で4~5曲くらい歌っているんですよ。

――すごいですね。そうやって見応えのある枠にしているんですね。

みそたろー:どうしたらみんなが楽しめるかなと僕なりにいろいろ考えています。「Pococha」には、リスナーさんがライバーを応援することで得られる「コアファン」という称号のようなものがあります。そこで「5K」を満たした人には、その人が選んだテーマを僕が即興でギターを弾きながら歌うというプライズもやっていますね。

――リスナーさんにとって、自分が選んだテーマの即興ソングは嬉しいでしょうね。

みそたろー:これは自分にしかできないことだからこそ、プライズにしています。その場で降りてきたメロディと歌詞を歌うというのは、あまりできる人がいないと思うので。

――みそたろーさんの枠のリスナーさんはどんな雰囲気ですか?

みそたろー:どちらかというと女性が多いと思いますが、男性も結構いらっしゃいます。みなさん、音楽が好きな方ですね。年齢的には、お父さんお母さん世代など、僕よりも上の方が多い印象です。最近、すごく雰囲気がよくて、そのおかげで今回も入賞させてもらいました。

――枠の中では、リスナーさん同士の交流もあるのでしょうか。

みそたろー:そこは僕がすごく大事にしているところですね。ライブ配信では、ライバーとのコミュニケーションだけでなく、リスナーさん同士のコミュニケーションも生まれると思っていて。リスナーさんの間で「あの人がいるから楽しいな」とか、「優しい人がたくさんいるから行きやすいな」ということは、やはりあるんですよね。逆に「ちょっと棘のあるコメントをしている人に対して苦手意識を感じる」という人もいました。今まで4年間やってきて、そういう経験もあったので、自分なりに考えながらライブ配信に取り組んでいます。

――それはどんな取り組みですか。

みそたろー:これは4年かけて考えてきた自分なりのこだわりなのですが……。ライブ配信を見るうえで、ある程度のマナーや配慮は必要だと思っています。「Pococha」はコミュニケーションツールでもありますから、ライバーに対する配慮はもちろん周りのリスナーさんに対する配慮も大切。僕は元々がはっきり言えない性格だったので、「Pococha」を始めて1~2年目のころは気になるようなコメントもヘラヘラ笑って流してしまいました。でも、僕がそういう風にしていたら、そっと退出してしまう人がいたんです。その時に、「行き過ぎたコメントに対して僕がきちんと指摘することは、その人が他のリスナーさんに受け入れてもらうためにも悪いことではないんじゃないか」と思うようになりました。

 その人のためにも、枠の空気を良くするためにも、自分が気持ちよくライブ配信をするためにも、僕が言うべきだなと思って。それに気づいてからは、他の人から見たら不快かもと思ったら優しく伝えるようにしています。そういうことを考えるようになってから、すごく枠の雰囲気が良くなったと思いますね。

――努力の賜物ですね。

みそたろー:経験と心がけの積み重ねで変わってきました。「雰囲気が良いから来やすい」との声も聞くようになったので、嬉しいですね。

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