優里やEveのサポートメンバーとして活躍するクリスは、なぜライブ配信をするのか 「オンラインとオフラインをつなげたい」アーティストとしての意義

クリスがライブ配信をする理由

 ライブコミュニケーションアプリ「Pococha(ポコチャ)」で行われた「Your Storyーあなたの物語にはチカラがあるー」で、「クリス」が見事インタビュー権を獲得した。普段は優里やEveなどのアーティストのサポートメンバーとして活動するクリス。ライブ配信ではベースを使った演奏がリスナーの心を掴んでいる。本当は“表に出るのが苦手”と話すクリスだが、「Pococha」を通して殻を破り、ここまで歩んできた秘訣をたっぷりと語ってくれた。(Nana Numoto)

――「Pococha」をはじめる以前の音楽活動について教えてください。

クリス:中学生までクラシックピアノを習っていました。それからピアノからは離れてしまいましたが、音楽自体はずっと好きだったので高校生のときに友達とバンドを組むことに。あまり目立ちたくなかったので、ベースを選びました。その後もバンド活動を続けていましたが、コロナ禍に入ったタイミングで脱退し、「Pococha」を始めました。ライブ配信以外にはアーティストさんのサポートメンバーとしてベースを弾いています。

――ライブ配信を始めようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

クリス:もともとバンドをやっている先輩が「Pococha」でライブ配信をしていて、誘われたことがきっかけです。あまり目立ちたくないというタイプの人間ですが、自分の殻を破りたいと思っていたので一歩踏み出してみました。

――ライバーになると、ご自身がメインとなるので、目立ちたくないという方にとってはかなり大きな挑戦かと思います。

クリス:正直に言うと、自分でもすぐに辞めてしまうだろうなと思っていました。一人で喋ることも苦手だし、バンドのときもほとんど喋ることがなかったので。だからライブ配信に関しても、向いていないけれど「ちょっとやってみようかな」くらいの気持ちでスタートしたんです。

――向いていないと思ったライブ配信が、ここまで長く続いた理由を教えてください。

クリス:観てくれている方が増えてきたことで、嬉しい気持ちが強くなり続けられました。いまではとても楽しくやれています。

――クリスさんのライブ配信の内容についても聞かせてください。ベースを弾かれているということですが、どんな演奏枠なのでしょうか。

クリス:サポートしているアーティストさんの曲だけでなく、なんでも弾きますね。初めて来てくださるリスナーさんのリクエストに応えて弾くときには初見で演奏することもあります。普段は演奏が8割で、トークは2割ほど。演奏をした後にコメントを振り返って、リスナーさんとの会話を大切にするよう心がけています。

――ベースに馴染みのないリスナーも多いと思いますが反応はいかがですか。

クリス:僕の枠は基本的に音楽が好きなリスナーさんが多いのですが、音楽はよく聴くけれど、ベースの音を意識していなかったという方が、「意識して聴くようになった」と言ってくれました。「これがベースの音なんだ」と初めて認識してくれたという方も結構いましたね。これから、もっとベースという楽器をメジャーにしていきたいです。

――枠の中で工夫していることがあれば教えてください。

クリス:カッコつけず、着飾ることなく、ありのままで話すように心がけています。元々テンションが高いほうではないので、リアクションもオーバーには取りませんが、そこが「寝落ちに良い」とリスナーさんから言われていますね(笑)。

――今回、なぜ「Your Storyーあなたの物語にはチカラがあるー」に参加したのでしょうか。

クリス:リスナーさんからのすすめで、このイベントを知りました。僕は表に出ることが得意ではありませんが、そんな自分を変えたいと思っていて。このイベントを通して、初めてのインタビューを受けたいと思い参加しました。自分を変えるきっかけにもなると同時に、オフラインでの活動とオンラインでの活動をつなげていくための第一歩になるのではないかと思ったんです。

――以前リアルサウンドテックのインタビューにも出演していただいた大津惇さんとはお知り合いだそうですね。

クリス:大津さんの記事も拝見させて頂きました。大津さんが出ていた媒体だからこそ、出てみたいと思った部分もあります。

――そういっていただけてうれしいです。このインタビューでアーティストとしてアピールしたいことはありますか?

クリス:アーティストの方のなかで、もっとライブ配信をやる人が増えてほしいと思います。アーティストからは、まだ少し遠い存在のアプリだと思いますし、自分もかつてはそうだったので、気持ちはわかりますが、一回飛び込んでみてもいいんじゃないかな。

――アーティストがライバーになるメリットとは何でしょう。

クリス:それこそ大津さんのようにほかのアーティストとの出会いは大きいと思います。そして自分みたいなサポートミュージシャンは、普段スポットライトを浴びる機会がありません。そんななかで、自分一人でできることの可能性や、視野が広がるのがライブ配信なんじゃないかと思っています。

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