ルームシェア中の“芸人と放送作家”がTikTokを席巻 「僕らの別荘」の中毒性について紐解く
「〇〇な僕ら」というタイトルで人気のショート動画を発信している、YouTuberグループ・僕らの別荘を知っているだろうか。彼らはTikTokやショート動画を中心に活躍している4人組で、ショート動画を強みとしつつ、YouTubeでは10分弱の日常動画も投稿している。
今回は、僕らの別荘の魅力と、思わず癖になってしまう中毒性の要因について考えてみる。
僕らの別荘のメンバーは松井ケムリ、西塔徹成(さいとうてっせい)、今野、シドニー石井の4人組。シドニー石井(以下、いしい)は「天秤」というコンビ名で、松井ケムリ(以下、ケムリ)は「令和ロマン」というコンビ名で現在芸人活動をしており、今野は養成所時代のつながりでメンバーになったと明言していることから、元芸人だったと思われる。そして西塔徹成(以下、てっせい)は放送作家である。全員が笑いに精通している世界にいることも頷けるくらい、動画内での掛け合いのおもしろさはピカイチだ。
彼らの魅力の要因として、「キレのあるショート動画」と「ユルい長尺動画」の二刀流というものがある。
最初に僕らの別荘を知ったきっかけがTikTokやショート動画だという人も多いだろう。彼らのショート動画は、20秒前後という手軽にみられる尺、そしてほぼ毎日配信される投稿頻度も相まって気軽に見ることができる。ショート動画は、1つのテーマに対してメンバー4人がボケていくというスタイルで統一されており、四者四様のボケが短い尺の中に詰まっている。
一方で、そんなショート動画とまったく雰囲気が異なるのが「ユルい長尺動画」だ。長尺と言っても彼らの動画は5分〜10分程度の長さなので、近年のYouTubeの傾向に比べるとかなり短い方になる。動画は、入念に練られた大型企画があるわけでもなく、撮影場所も見慣れた部屋の中で完結する。そして、ショート動画はテーマや構成がしっかり決まっているのに対して、長尺動画はただメンバーがくつろぎながら会話をしているものがほとんど。ただ、この一見普通の会話が“ちょうどよくおもしろい”のだ。
「思考回路デブすぎる奴【ダイエット】」の動画では、ダイエット中の今野を中心に、今日のご飯は何にするのかについての会話を繰り広げている。“ご飯を決める”というだけなのに、いつの間にか今野がさまざまなご飯屋さんというお題に対してボケるという構図が出来上がっている。僕らの別荘の動画に共通して言えるのは、何気ない会話から、何かしらの“笑いのくだり”が必ず生まれていることだ。彼らのショート動画は、このような普段の日常的なやりとりから生まれているものなのではないのだろうかと推測する。
特にショート動画の発端を感じられるのが、26万回再生されている「NARUTOのOPになっちゃうやつ」という動画だ。メンバーのケムリが、会話を途中からFROWの「GO!!!」の歌詞につなげるというくだりを始め、てっせいもその流れに乗じてFROWの「GO!!!」を歌い出すというボケが始まる。
彼らは、何気ない会話の中に潜む笑いのタネを瞬時に見つけて、それをおもしろい流れに変換することを日常的に行っているのだ。彼らの日常は、日常そのものがすでにおもしろく、まったくかしこまることのない姿だからこそ、肩の力を抜いて気楽に見ることができる。
ちょっとした時間、笑いをつまみ食いしたいときに僕らの別荘の動画はピッタリだ。無意識に次の動画をタップしていたら、もう時すでに遅し。僕らの別荘の中毒性にあなたもハマっているだろう。
若手芸人のやりとりを覗き見できる? シェアハウス芸人YouTuber「板橋ハウス」の魅力
板橋ハウスは、男性3名が暮らすシェアハウスでの会話や遊びを紹介するYouTubeチャンネルだ。チャンネル登録者は52.8万人(2…