新章『悪魔城ドラキュラ』ーー『宿命の魔鏡』から発売10年を迎えて認識させられた『メトロイド』に受け継がれしアクションゲームを貫く姿勢

『宿命の魔鏡』から受け継がれし“貫く姿勢”

徐々に遊ぶのが難しくなりつつある、後の『メトロイド』新作の原点

 また、10年が経った現在も『宿命の魔鏡』が持つ特徴として輝き続けているのが立体映像(3D映像)だ。

 2013年当時となると、まだ立体視に対応した3DS向けゲームソフトが発売されていた頃になる。その中でも『宿命の魔鏡』の3D映像は、3本の指に入るといっても過言ではないほどの迫力と美しさを放っていた。10年が経った今もその魅力は色あせてないどころか、『Newニンテンドー3DS』があれば、ブレも少なく映像が堪能できる。

 同じく3DSで発売された『メトロイド サムスリターンズ』でも、マーキュリースチームは見事な3D映像を表現していたが、その魅力は『宿命の魔鏡』において既に健在だったのだ。

 この立体視は無料配信中の体験版でも一部、確かめられるので、まだ見たことがない人はこの機にチェックしてみるといいだろう。しかも、体験版は3月28日午前9時の「ニンテンドーeショップ」のサービス終了で、ダウンロードできなくなってしまう。ダウンロード版も同様に販売が終わるうえ、2023年現在ではパッケージ版の価格が中古市場でも高騰を始めている関係から、手を出しやすいうちに押さえておくのも一興だ。

 また、HDリマスター版もPlayStationプラットフォームではPlayStation 3版しかないため、本体が必須になる。SteamのPC版も出ているが、こちらは日本からの購入が不可能だ。Xbox 360版はXbox One、Xbox Series X|Sの後方互換に対応しているため、現在も購入可能であるので、プレイしてみたいという方はそちらも検討すると良いだろう。

 海外では高く評価され、『悪魔城ドラキュラ』としても成功を収めるも、10年前は異端の作品と見られやすく、日本では販売面で苦戦を見せた『ロード オブ シャドウ』。開発を担ったマーキュリースチームが『メトロイド』の新作を手がけ、大きな成功を収めた今では、『宿命の魔鏡』はマーキュリースチーム製『メトロイド』の原点として見どころのある作品へと、その評価が変わっている。発売当時に体験版を遊び、「そこまでだな……」と評価した人も、この機に遊んでみるのはいかがだろうか。

 また、『メトロイド』の新作を通してマーキュリースチームを知った人も、彼らがどれほど“異端”な『悪魔城ドラキュラ』を作り上げたのか。唯一の横スクロールアクション『宿命の魔鏡』を通して、余すことなく体験してみることを薦めたい。

 そこから『メトロイド』に戻ってみて、彼らの強みがどのように同作の大ヒットに繋がったのか、再確認してみるのもアリだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる