AOAやTRI.BEのメンバーが参加したサバイバル番組『少女リバース』 制作陣が語る裏側「選考基準に人気もビジュアルも関係ない」

『少女リバース』制作陣が語る裏側

出演者の選考基準には人気もビジュアルも関係なかった

――少女X(出演者)にオファーを出す際の基準はあったのでしょうか?

ソン:制作陣としては「現実の自分自身と切り離して、最も上手に没入できること」がただ一つの基準でした。現実世界での人気やビジュアルの善し悪しなどは基準にはしなかったですね。キャスティングミーティングの時も、実際に目を閉じて声を聴いて、この人が仮想世界に入ったらどんな姿を見せてくれるだろうか……?ということが大きな基準でした。また、番組として個性を出すために、できるだけ性格やキャラクターが被らないように心がけましたね。

――日本のアイドルの方をキャスティングしていたことが印象に残りました。このキャスティングに至った経緯を教えていただけないでしょうか?

ソン:アイドル市場は韓国と日本が絶対的な規模を誇るので、キャスティングしない方が不自然なくらいでした。韓国で活動している魅力的な日本のアイドルの方もたくさんいますしね。アジア圏を含む海外市場と一緒にやりたいということも、『少女リバース』のコンセプトを作るときに注力した要素だったので、オファーしました。

――メタバースや2Dキャラクターに馴染みがないような海外ファンも楽しく見てくれた理由はなぜだと考えますか。

ソン:メタバースや2Dキャラクターについては、韓国の方よりも海外の方々のほうが慣れ親しんでくださるとは思っていましたね。この番組を見つけてくれた方は、K-POPアイドルも好きな方なのかもしれません。アイドルも2Dキャラクターも同じオタク文化の一種ですから、むしろ海外の方のほうが壁は低いのではないかと。私たちがメタバースという世界観を作る際にアイドルを対象にしたからこそ、より多くの方に楽しんでいただけたのではないかと思っています。

チョ・ジュヨン

チョ・ジュヨン(以下、チョ):一般的なバーチャル番組を見ると、バーチャルキャラクターだけが表に出て中の人の正体を隠すという場合が多いです。ですが、私たちの番組にはあまりにも魅力的な少女X(中のアイドル)がいるため、少女Vと少女Xの境界を崩してお見せしようと考えました。K-POPファンの方は「私の推しが頑張っているなら……」という視点から、より好んでくれたのではないかと思いますね。

――アイドル文化自体、オタク気質があれば楽しむことのできる文化ですが、『少女リバース』はまさにオタ活という概念では秀でたコンテンツではないかと思います。このような背景から、番組の成功する可能性をどの程度まで予想されていていたのでしょうか?また、オタク文化を扱う際に難しかった部分はありましたか?

ソン:実は私自身、超が付く女性アイドルオタクであり、アニメオタクなんです。それに、チョ・ジュヨンPDも元々音楽やアイドルなどオタ活文化に精通しています。そのため、むしろいかに一般の方々がこの番組を受け入れてくれるように作れるかが私たちにとってより大きな課題でしたね。

 番組が成功する確証はありませんでしたが、多くの人々から好まれるだろうと思っていました。そして、好きか嫌いかで言ったら、嫌いに該当することはあっても、面白くないことは絶対にないだろうという自信はありましたね。

――以前、行われた脱落者インタビューで、AOAのチャンミさんが「少女リバースへの出演を通して勇気を得ることができたし、ほかの人たちと関わるときに先入観を持たないようにしていかなければならないと思った」とお話されていましたが、制作陣の立場から出演者の活躍を見守ってみて、どのように感じましたか?

ソン:チャンミさんが以前、私たちが伝えたかったことをほぼ全て話してくれたので、とても感謝しています。また、別の脱落者インタビューで、ナダさん(キャラクター・バリム)が「バリムというバーチャルキャラクターを使うことは、自分が仮面をつけることだと考えていたけれど、終わりに近づくにつれて仮面をつけているのではなく、むしろ、自身の仮面を脱ぐことだった」と話してくれました。私たちもそれと同じように感じています。30人の出演者全員が「私と違う人を作らなきゃ」と、初めはキャラクターに自身を寄せて撮影を開始したのですが、最終的には“自身が現実ではできなかったこと”を少女リバースでは全部できたと、脱落者インタビューでほぼ全員が話してくれました。

 お互いに先入観を持たずに接してくれたり、自ら自分が作り出してきた型を脱ぎ捨てて本当の自分を飾らずに見せてくれたりしました。そのおかげで私たちも、ここまで制作できたのだと思います。

脱落者の正体の公開理由は“出演したアイドルたちを世に知らしめたい”から

――これからバーチャルキャラクター関連のバラエティ番組は活性化すると思いますか?

チョ:『少女リバース』を制作して、韓国はインターネットに強みがある国だということを再認識しました。初回の撮影時から不思議と簡単に実行できることが多かったので、『少女リバース』を見て、バーチャルキャラクターを使ったバラエティに関心を持っていただいた方がいたとしたら、制作は十分可能だと思います。

 ただ、今回番組内で動作がたまにバグが起こってしまいました。そのため、メタバース関連の機器がもう少し発展していけば、かなり良いコンテンツができるのではと思っています。

――脱落者の名前を含む正体を公開したことが話題になりました。なぜ、公開するに至ったのでしょうか?

ソン:まだ知られていないアイドルたちを世に知らしめたいという想いからですね。そのため、脱落した時にどんな子がこのキャラクターをやっていたんだろうと、その後の活動にも少しでも関心を持ってくれればいいなと思っていて。

 私たちが彼女たちに魅力を感じたように、視聴者も脱落者のアイドルたちに関心を持ってくれたらいいなと思って公開しました。

――最後に『少女リバース』の視聴者へのメッセージをお願いします。

ソン:『少女リバース』、そして脱落した少女たちをはじめとする参加者たちにスポットライトがあたるように、たくさんのご声援をよろしくお願いいたします。

チョ:この番組を作りながら、国内外からのK-POPアイドルの人気と魅力を再認識できたということだけでも嬉しいです。デビューするグループの今後の活動も応援していただけたら嬉しいです!

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