Z世代に刺さる配信番組は主題歌が重要に? ABEMA『オオカミには騙されない』シリーズを彩る歴代テーマソングたち

『オオカミには騙されない』を彩る主題歌

 シーズン6『オオカミちゃんには騙されない』では、サカナクションの「アルクアラウンド」が主題歌を担当。「夜」「月」といった単語がオオカミというモチーフとの共通点を感じさせるだけでなく、混沌とした思考が描かれる歌詞はシーズン6の当時としてはイレギュラーな内容ともマッチした。というのも、シーズン6はこれまで男子メンバーの中にまぎれていた「“嘘つき”オオカミ」が、初めて女子メンバーの中に混ざっていたシーズン。「アルクアラウンド」は視聴者やMC、男性メンバーの戸惑いと融合した楽曲でもあった。

 シーズン10『 虹とオオカミには騙されない』の主題歌となったのは、back numberの「黄色」。切なさの漂う恋愛ソングに定評のあるbuck numberと『オオカミには騙されない』シリーズとのタッグを待ち望んでいたファンは多かっただろう。恋愛感情を抱くゆえ、感じる苦しみや葛藤を描いた「黄色」であるが、特に〈たぶん違う出会い方でも 同じように君を好きになったよ〉というフレーズは、恋をする気のない立場であるオオカミとして出会ってしまったゆえの苦しみや、数か月間という短い間で出会い、別れていくメンバーを見守った視聴者にとって切なく記憶に残るフレーズとなったのではないだろうか。

 『オオカミには騙されない』シリーズが描く行く末の分からない恋愛の面白さ、そして「“嘘つき”オオカミ」の嘘がもたらす混乱。シリーズを構成する陽と陰とも言える2つの要素を1シーズンで描ききったのが、シーズン11『彼とオオカミちゃんには騙されない』のオープニングテーマと主題歌を務めたVaundyだ。

 主題歌「恋風邪にのせて」では恋愛の浮き立つような心情や、恋愛さえあれば何もいらないという高揚感を描いたのに対し、クールな音像のオープニング曲「霜焼」では『オオカミには騙されない』シリーズに付きまとう嘘を書き表した。シーズン11は、「“嘘つき”オオカミちゃん」の正体を知っている「彼」と呼ばれる男子が1人いるという新ルールのあったシーズン。「“嘘つき”オオカミちゃん」と「彼」の想いが交差したことで最後まで嘘が物語を動かしたドラマチックなシーズンであったが、純粋な恋愛感情と嘘の間で揺れるメンバーにぴったりの「霜焼」は番組のストーリーとともに印象に残っている視聴者も多いであろう。

 『オオカミには騙されない』シリーズにぴったりな楽曲で印象を残したVaundyだが、最新シーズン『花束とオオカミちゃんには騙されない』でも主題歌を担当する。「そんなbitterな話」は「ほろ苦いけどクセになって何度も味わいたくなる、そんな恋模様を描いた楽曲」になっているという。ほろ苦い悲しみと葛藤が描かれる『オオカミには騙されない』シリーズにどのように寄り添う楽曲となるのか、楽しみだ。

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