難病を抱えた主婦、8歳の歌姫、世界的タップダンサーらが登場 激戦となった世界的オーディション番組の日本版『Japan's Got Talent』セミファイナル

『Japan's Got Talent』セミファイナル前半

 記念すべき最初のパフォーマーとして登場したのは、大阪府立登美丘高等学校の「バブリーダンス」の振付けを務めたakane率いる、ダンサーグループのアバンギャルディだ。大阪から夜行バスで会場入りしたという彼女たちは、全員が学生服風の衣装&おかっぱ頭という出で立ち。そして「あの人を想う、切ない気持ちを込めてダンスします」という説明に続き、BPMを約1.25倍にした渡辺真知子「かもめが翔んだ日」でシュールかつ美麗な演技を披露する。

 踊りだけでなく、エモさあふれる独特な変顔も見どころで、浜田は思わず「表情がすごかった」とコメント。さらに山田は「感情が完全に一致している。こんなに大勢いるのに心がひとつ」、GACKTは「これが世界に通用するかみたい」と評価した。最終的に全員が「YES」をコールし、彼女たちは決勝への可能性を得た。

 出だしは全員が「YES」を挙げたが審査は甘くない。続く、謎のアンドロイド軍団・MASKED CIRCUSは「LEDに頼り過ぎ」、「最初に出てきたインパクトを超えることはできなかった」、ショーパブで磨いた歌唱力で和田アキ子「古い日記」を歌った新田和は「終わりに向かってもっと感動できるものを」と厳しい言葉で決勝への道が阻まれ、ばっさりと全員にブザーを押されてしまうことも。当然ではあるが選考に落ちるチャレンジャーの方が多い厳しい世界である。

 そんななか「和製スーザン・ボイル」の雰囲気を感じさせた91歳の歌い手・中田芳子が会場をざわつかせた。「長年音楽に携わってきましたので、最後の締め括りとして素敵なところで歌ってみたい」という挨拶から漂う品の良さとは対照的に、彼女はキーボードを弾きながら不思議なオペラ的歌唱を披露。

 「これは何だ……?」気まずい雰囲気が会場を満たしてから、彼女は自身の演奏を逆再生して再提示。すると聴こえてくるのは「アメイジング・グレイス」ではないか。なんと不穏なメロディは脅威の91歳による人力逆再生だったのだ。さらにもう1曲「農夫と神様~大きなイチモツ~」をリバース歌唱し、完全に審査員の心を掴んだ彼女は見事に4つの「YES」を獲得した。

 また「キューブ」という鉄棒を使った、無重力ダンスパフォーマンスで勝負した男女ユニット・AIRFOOTWORKS、生まれつき右手の指がないハンデを武器に世界的ギターヒーローを夢見る山田元気、娘のためにステージに立った煙を操るベープ・パフォーマーの渡邉賢亮といった才能も会場を沸かせて決勝進出の権利をゲット。

 さらに司会者4人による談義や相談の風景も番組の見どころのひとつ。特に浜田とGACKTの軽妙なやりとりはおもしろい。一方、思わせぶりな口調で「NO」を突き付ける山田、「もっと見たい」と「YES」を連発する広瀬の姿はよいコントラストとなっていた。

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