素人たちが築200年の廃墟を“再生”するチャンネルが人気上昇中 YouTubeのDIY動画はコンセプトが重要?

 若者の男性3人が廃墟となった家を再生していく動画が、ひそかに人気を集めていることをご存じだろうか? チャンネル名は「0から始める廃墟生活」で、チャンネル登録者数10.7万人を誇るYouTubeチャンネルだ。

築200年の蔵の土壁をド素人が重機も使わずに解体に挑んだ結果…【193日目】

 再生していく廃墟は、男性3人の曾祖母が生まれ育った家。長野県の山奥に囲まれ、築年数はなんと200年にものぼる。家が廃墟状態になり、曾祖母の生まれ育った家を綺麗にしたいという思いから、廃墟の復興プロジェクトが始まった。

 このチャンネルがおもしろいのは、廃墟を再生させる兄弟・従兄弟の3人が、DIYの素人である点だ。今や仕事や趣味でDIYに詳しく、華麗なビフォーアフターを見せるレストア系のチャンネルは多い。しかし、まったくの素人がDIYに取り組む過程を映したチャンネルは珍しい。

 当チャンネルでは、各動画タイトルに「○日目」とつけ、廃墟の再生を始めた日から起算して、1日ごとのDIYの様子を動画で投稿している(2023年1月23日時点で193日目までの動画が投稿されている)。家の解体や木の伐採、ゴミの片付けなどを、素人なりに試行錯誤して取り組む様子を動画に上げる。王道のYouTubeらしい企画というよりは、若い男性の3人がDIYに取り組む様子をありのままの様子で映しているのが特徴であり、また魅力でもあるのだ。また、YouTubeのほかInstagramも活用して、廃墟の復興プロジェクトを積極的に発信している。

 なぜ、素人のDIY動画がチャンネル登録者数10.7万人もの人気を集めているのか?その理由の1つに、健気に頑張る若者3人の様子に、視聴者も「応援したい」という気持ちが生まれるからだと推測できる。たとえば、過去、頑丈に作られた土壁で重機も使わずに手作業で解体していく動画があったが、傍目から見ても非常に骨の折れる作業だとわかる。それでも、プロの知識がない彼らが協力し合い、解決策を模索しながら汗水流して作業する様子は、たしかに視聴者としても非常に応援したくなる。実際に、コメント欄では「お疲れさま!」「頑張れ!」といった、好意的なコメントが目立った。

 また、彼らの人柄のよさも、視聴者から好意的に受け入れられている点だと考える。たとえば、曾祖母を支えてきた家に対して感謝を示したり、チャンネルが伸びてきたことで電動工具を買えるようになり視聴者に感謝を述べたりと、見ていて非常に気持ちのよいメンバーである。このような謙虚さと、前述の素人なりに努力する様子が相まって視聴者から人気を得ているのだろう。素人3人による廃墟復興プロジェクトが気になる方は、この機会にぜひ視聴してみてほしい。

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