豊田章雄社長も登壇した“本気度” 『東京オートサロン2023』でトヨタの未来を見てきた
今月、千葉県の幕張メッセで開催された『東京オートサロン2023』。さまざまな車が展示されるなか、特に人気だったのがトヨタ公式の「トヨタ・ガズーレーシング」。トヨタのオフィシャルブースでもあり、豊田章雄社長が詰めかけた報道陣の前に登壇。また、それとは別に用意された高級ブランドのレクサスブースでは、アウトドア対応のワークスモデルが注目を集めた。
両ブースは「トヨタはクルマ好きを誰ひとり置いていかない」をテーマに掲げ、「愛車を守るカーボンニュートラル」、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」、「愛車と楽しむ多様なライフスタイル」の3つのコンセプトに沿った車両やパーツを展示した。
環境対応ハチロクに見るトヨタの技術とセンス
まず注目したいのは水素エンジンに対応させた1986年式のAE86型スプリンタートレノとEV化されたカローラレビンの2台。
前者はTGRがスーパー耐久シリーズで実践している「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の知見を生かし、エンジンの回転フィーリング、音、振動などの内燃機関のもつ魅力を楽しみながら走行できる。なお、この水素エンジン対応のトレノは、オートサロン開催の東京国際カスタムカーコンテストにて優秀賞を受賞している。
そして後者はレクサスで培ってきた電動化技術を活用し、ベース車の素性の良さを極力維持している。しかもこのモデルはEVながらも、3ペダルのMT採用。開発者の話ではエンストこそしないものの、きちんとクラッチを踏まないとギアが入らないという。
また、EVベースにレビンを採用した理由は「車名にEV(LEVIN)」が入っているというからユニーク。これらの技術が一般化すれば旧車であっても最新の環境対応モデルになるので、実現を期待したいところだ。