テーマは“伝統からの脱却”? 『Omega Strikers』はMOBAの新定番となれるか
先月リリースされた対戦ゲームが、水面下で話題を呼んでいる。
そのタイトルの名は、『Omega Strikers』。開発背景・ゲーム性などから、MOBAにルーツを持つとされる新しいタイプのスポーツゲームだ。
MOBAの伝統を踏襲しながらも、王道の作品とは異なる部分も多い同タイトル。その個性から可能性を考えていく。
『LoL』開発スタッフによるMOBA型のスポーツゲーム『Omega Strikers』
『Omega Strikers』は、3対3でおこなわれるエアホッケー型のアクションタイトルだ。プレイヤーは、11人(2022年10月14日時点)の個性豊かなキャラクターたちからお気に入りを選択。キャラの特性やスキルなどを活用し、敵の守るゴールを狙う。5ポイントを先取したチームが勝利するルールだが、得点を目指すだけでなく、敵にも攻撃することができる。アタックによって場外に飛ばされたキャラは、一時的にゲームから除外されるため、その間は有利にバトルを進めることが可能だ。そうしたゲーム性からMOBA型(※1)の対戦ゲームとされており、見た目のカジュアルさに反して、骨太な競技性を持つタイトルとなっている。
開発を担当したのは、Odyssey Interactive。Riot Games(※2)の元メンバーなどで構成されるカナダのインディーディベロッパーだ。同社はまだ設立から2年で、社員数は30名に満たないのだという。
Steamの統計データを提供するサイト・Steam Chartsによると、『Omega Strikers』はリリースされた2022年9月17日以降、平均して1万人ほどのユーザーにプレイされている。Odyssey Interactiveの開発規模や、タイトルの認知度を考えると、順調な滑り出しだと言えるだろう。現在はまだ、オープンベータ扱いのシーズン1が開催されているところ。評判やアップデート次第では、大きな飛躍も期待できそうだ。
『Omega Strikers』は基本プレイ無料。対応プラットフォームは現在、PC(Steam)のみとなっているが、今後はモバイルでのリリースも決まっている。
※1…Multiplayer Online Battle Arenaの頭文字を取ったサブジャンル。複数のプレイヤーが2つのチームにわかれ、相手陣への到達を目指す。多くの場合、個々のキャラには、レベルアップやビルド、スキル選択の概念がある。
※2…MOBAジャンルでは最も有名な作品のひとつ『League of Legends』を開発・運営する企業。