きょうは“宇宙の日”制定から30年 宇宙の神秘性や理不尽さについて知れる、SFテイスト満載のインディーゲームたちを紹介
後始末をするのは一体だれ? 宇宙ステーションの清掃シミュレーションで理不尽さを知る
SFを題材にした映像作品には、人間と地球外生物の戦いを描いたものがかなり多い。代表例を挙げるなら『エイリアン』(1979年)や『プレデター』(1987年)あたりになるが、どの作品もけたましい断末魔が鼓膜に響き渡るだけでなく、人間と外生物(もしくは外生物同士)の絡み合いにより、画面内で鮮血がこれでもかと言わんばかりにほとばしる。その光景は悲惨を通り越してやがて乾いた笑いを生み、その手の愛好家にとってはそうした体液や臓物が転がり散らばるシーンこそ、自身の脳汁を噴出させる一種のカンフル剤になってると言えなくもない。
だが、今回着目して欲しいのは、「血みどろの”殺り合い”現場を誰がどのように後始末しているのか?」という点だ。作品によっては本筋に関わりのない清掃業者が現場に赴くシーン(大抵はその役人も襲われる)が描かれる場合もあれど、戦闘シーンのみを描いて現場の後始末は全く描かれていない作品も多く見受けられる。こんな疑問を馬鹿正直に考えるのは無駄なのかもしれないが、本稿で3本目に取り上げる『Viscera Cleanup Detail』はこうした疑問に答える……もとい、”答えさせてくれる”画期的なゲーム作品だ。
本作の舞台はどこぞのエイリアンに襲撃されたであろう、元有人・現無人の宇宙ステーション。ゲーム開始時は生存反応など消え去っており、辺り一面に職員と思われる肉塊がそこらかしこに転がっている。そして本作でプレイヤーが為すべきミッションとは、まさしく上記で述べた殺り合い現場の後始末なのである。
大まかに作業を挙げると、「血痕の拭き掃除」「遺体の回収」「破損パーツの点検」に分けられるが、シチュエーションが特殊なだけに、理不尽な清掃業に従事させられる主人公の「俺はどこでなにをやらされてるんだ」感がヒシヒシと伝わってくる。とは言え、危機が去った後の現場はプレイヤー以外に人影も無く、ワンオペでのんびり作業に没頭できると考えれば話は別。見方によっては”宇宙ステーションを舞台にしたまったりお掃除ゲーム”に思えてくるから、人間とは実にいい加減な生物だ。ブラッドマシマシな掃除シミュレーションに興味がある方は、ぜひ本作を触ってもらいたい。
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(メイン画像=Steamより)