きょうは“宇宙の日”制定から30年 宇宙の神秘性や理不尽さについて知れる、SFテイスト満載のインディーゲームたちを紹介

“宇宙の日”にプレイしたいゲーム

 宇宙船アポロ11号とニール・アームストロング船長が前人未到の月面着陸を成し遂げてから53年。緑豊かな青い星に住む我々人類にとって、宇宙空間は古来より神秘の対象として崇められ、同時に諸科学の発展を促す研究対象としても耳目を集め続けてきた。そして現代では通信技術の発達によって宇宙空間のLIVE配信が動画プラットフォーム等で楽しめるだけでなく、数千万円〜数十億円で宇宙旅行に行けるというSF映画さながらの光景も現実になっている。

 もちろん誰もが気軽に行けるわけではないものの、ZOZO創業者・前澤友作氏が40代半ばにして地球を飛び出し、勢いそのままに国際宇宙ステーションへ滞在したのは国民の記憶に新しいところだろう。そのスケール感もさることながら、サラリーマンの平均的な生涯年収×約35倍という高額な(当たり前だが)旅行費用は驚きとしか言いようがない。

 上記の通り、宇宙はいつの時代も多様な形で人々の関心を誘っているが、今年9月12日は国内で「宇宙の日」が制定されてからちょうど30年という記念すべき節目にあたる。1992年に毛利衛氏が宇宙に発った日が記念日となり、そこから四半世紀以上の間、この日は宇宙関連の事業所が一般向けに公開されるほか、全国の小中学生による作文・絵画コンテンスト(各年テーマ別)も行われている。余談ではあるがコンテストの受賞作品はネット上にアップされているので、興味がある方はぜひ自身の目でチェックしてもらいたい。10代の豊かな感性の発露にきっと興味がそそられるはずだ。

「宇宙の日」記念作文絵画コンテスト ギャラリーページより

 そこで今回は、30周年を迎えた「宇宙の日」にちなんだゲームネタをお届けするべく、SFテイスト満載のインディーゲームを独断で3本ピックアップ。内容紹介を交えつつ、宇宙に秘められた神秘性や理不尽さについて考えてみたい。なお、本稿で取り上げた作品の詳細なゲームシステム等を知りたい方は、各ストアページ等を随時参照して頂けると幸いである。

「1844京」通りの組み合わせで惑星を誕生させる『No Man's Sky』

 最初に紹介するのは、オープンワールド系のSFアクションアドベンチャー『No Man's Sky』。イギリスに拠点を構えるゲームスタジオ・Hello Gamesが開発を手掛けた作品で、プレイヤーは宇宙を放浪するトラベラーとなり、スペースシップに乗って無数の惑星間を巡っていく。実質的なゴール(銀河系の中心を目指す)は設けられているものの、どこで何をするかは基本的にプレイヤー次第。惑星の自然環境を心ゆくまで観察するも良し、惑星を根城にする敵対生物を倒すも良し、何なら財宝目当てにあちこちを飛び回るスペース・トレジャーハンターになってもいい。ハードな宇宙旅行に耐えうる装備品の調達、そして宇宙船のメンテナンスを忘れなければ、数多くのバリエーションに富んだ神秘の世界がプレイヤーを大いに歓迎してくれるはずだ。

No Man's Sky [Nintendo Direct 2022.2.10]

 ちなみに、本作は自動生成で惑星を作り出すため、その組み合わせは何と”1844京”種類以上にも及ぶ。あまりの桁違いぶりに思わず冗談かと突っ込みたくなるが、そのコンセプトのデカさに見合う注目を浴びたのもまた事実。2016年8月のリリース当初はゲーム性に不備を抱えていたものの、約5年間で15回以上のアップデートを重ねたことで、不評だったゲーム内容に希望の光が差し込んだ。2022年9月現在は最近の総合レビュー評価で「非常に好評」(Steam)を記録しており、SFゲームに興味があるなら要チェックのタイトルだと言えるだろう。

 

FTL: Faster Than Light Trailer

 宇宙空間で孤軍奮闘する宇宙戦艦ヤマトよろしく、緊張感と常に隣り合わせのスペースシップバトルが楽しみたいなら『FTL: Faster Than Light Trailer』(FTL)を遊んでおいて損は無いだろう。

 本作は公式が「宇宙船シミュレーション型ローグライクゲーム」と銘打った通り、スペースシップ同士の戦いをテーマに掲げた作品である。大まかなあらすじは、「宇宙船の艦長となって巨大勢力の母船を叩くべく宇宙を航行する」というもの。ゆえにプレイヤーは艦長としての自覚を保ちつつ、クルー(乗組員)にあれこれ指示を出しながら的確に障害を乗り越えなければならない。

 敵艦と遭遇した場合も同様で、「どの部位を狙って攻撃するか」「砲台の角度をどのように調整するか」、はたまた「被弾箇所を修理しつつどうやって侵入者を排除するか」……など、雨あられのごとく降りかかるHowとWhatの連続に頭がパンクすること間違いなし。その分ピンチを乗り越えた際の達成感は相当なもの、なおかつ繰り広げられるイベントも多岐に渡るため、一度だけでなく周回プレイで何度もやり込むのがオススメ。迫りくる敵艦隊を突破し、一人前の艦長らしく宇宙船とクルーを無事に目的地まで導こう。

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