2022年下半期はXRデバイス業界が盛り上がるかも? 大手たちの気になる動きをチェックする

2022年下半期はXRデバイスが盛り上がる?

 下半期へ向けて、XRデバイス業界が加速するかもしれない。先週出てきたいくつかの情報を取り上げよう。

 まずは『PlayStation VR2』だ。家庭用ゲーム機に接続できる、スペックだけならハイエンドクラスの新型VRヘッドセットが、8月23日に突如「2023年初頭発売」と発表された。多くの人が予想していた「2022年の年末商戦」からは少しズレる形で世に出ることになる。

 これまで「2022年以降」とぼやかされてきた発売時期が、いよいよ定まってきたのは大きい。一方で、動作に必要不可欠な『PlayStation 5』は、供給不足のまま価格上昇に至っており、普及にあたっての不安材料は尽きない。『Meta Quest 2』という最大の「お手軽VR」が存在する現在、ゲーム機につなぐだけで体験できるという特色がどれほど顧客を引き寄せられるだろうか。

 ARスマートグラス『Nreal Air』は、中国とアメリカへも販路を拡大し、グローバル展開を加速させる。さらに8月24日には、PCやスマートフォン、ゲーム機などへ接続可能にする『Nreal Adapter』を展開することも発表した。

 AR・MR的な「眼前に大きな仮想モニターが表示される体験」を提供する「Nreal Air」は、コンテンツ自体は発展途上だが、デバイスは軽量で、装着感は一般的なメガネに迫りつつある。これまで一部のハイエンドAndroid端末でのみ使えた『Nreal Air』が様々なデバイスに対応すれば、さらなる発展が期待できるかもしれない。

 Metaという巨人が闊歩するVR業界で、「老舗」として戦ってきたHTCは、8月26日に『VIVEリストトラッカー』を発表した。法人向け一体型VRヘッドセット「VIVE Focus 3」専用のVRトラッカーであり、腕時計のように手首に装着することで、ハンドトラッキング機能を向上させることができるものだ。

 『Meta Quest 2』と比べればニッチなVRデバイスの、さらにニッチな拡張デバイスではあるのだが、すでに公式サイトでは品切れとなっているため、ニーズはたしかにあるのだろう。とはいえ、HTCは直近でスマートフォンとつなぐ「VIVE Flow」を発表しており、スマートフォンからもアクセスできるメタバース「Viverse」と合わせて、ライト層へと舵を切りつつある。初代VIVEから連なるハイエンドVRヘッドセットの潮流が、この先どうなるかは注視したい。

新しいMetaアカウントのご紹介(日本語字幕対応)

 では当のMetaはどうか。まず、告知されていた「Metaアカウント」が正式に導入された。これまで必須だったFacebookアカウントに代わる、新たなMeta製VRヘッドセットに必要となるアカウントシステムだ。様々な理由から所持したくない人も一定数いるFacebookアカウントが非必須となることや、本名などの公開範囲も自由設定になることなど、『Meta Quest 2』唯一といってもよかったハードルがようやく解消される一手になるかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる