おしゃれで明るいギャルVTuber・轟京子が漂わせる「カオスな魅力」
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加している。
デビューから順を追うように紹介してきた本連載。元1期生、元2期生、元ゲーマーズ組の次とくれば、2期にわたる元SEEDs組のなかから、今回は轟京子について書いていこうと思う。
シスター・クレアの紹介時にもあげたが、にじさんじSEEDs組といえば「可能性を秘めたチャレンジ枠」という根幹があり、月ノ美兎のブレイクや公式から直々に「ヤベー奴ら」とアナウンスされた流れもあり、SEEDs組にはさまざまなタイプの「チャレンジ枠」「ヤベー奴」が集まっていた。
轟京子は、薄い褐色に焼けた肌、キレイな銀髪にパッチリと開いた眼と薄い青色の瞳。ピンクのショートパンツと白のロングブーツ、適度に見られる肌。そのほかの衣装もスポーティなものでも春・冬服でもバッチリと着こなす、オシャレなギャル×お姉さんというルックス&イメージが先行しており、これまでのにじさんじとは一線を画すタイプなのが分かる。
その当時、ネットカルチャーとはいわばオタクのものであった。もちろんいまでもその名残は強くあるが、インターネットを使わない層が年々減りつつある時代背景・社会事情に加え、コロナ禍を経験する中で全国民がインターネットに触れていったことも拍車をかけ、いま現在「ネットカルチャーはオタクのもの」などというのは筆者としては賛同しづらい。
彼女がデビューしたのは2018年6月上旬、まだまだ「ネットカルチャーはオタクのもの」であった頃だ。そんななかでこのルックスでデビューするということがすでに「チャレンジ」であろう。
しかしながら轟京子のキャラクターを知れば、そのような認識はすぐに崩れ、あるいは改めることになるだろう。おそらく彼女はSEEDs1期生のなかでも飛び抜けて「ヤベー奴」だったのだ。その部分に関しては公式の切り抜き動画でうまくまとめられている。轟「狂」子とも言われる由縁であろう。
サムネイルの時点ですでに「ヤベーやつ」なのがヒシヒシと伝わるだろうか。この2つの動画は、2021年1月頃から料金延滞でインターネット回線の再契約が必要となり、YouTubeなどを通した生配信がまったく出来なくなってしまったため、急遽制作された動画である。
「なぜかあの動画が見られてさ。1万再生すればいいと思っていた、1万人の人間が笑顔になれれば良いと思ってた。そしたみんな『怖い』『怖すぎる』『ヒィ!?』ってなるでしょ?アタシは『PUI PUI モルカー』を目指していたのに!どこが怖いの!?」
ちなみに本人として黒子で出演している人物はマネージャーさんとのこと。本人などでは一切ない。彼女曰く「あれで怖かったならアタシがこれまでに作ってきた3Dや人形のほうが怖くない?」とも口にしている。
こちらは、SEEDs1期生がデビューしてわずか2か月で企画・配信された2018年8月25日の「SEEDs全員集合!!!24時間生配信」のワンコーナーにおいて、同期であった社築をモチーフにした3Dモデル、俗に言う「3D社築」である。
その後にも同じようにして同期の3Dモデルを複数制作し、彼女のリスナーはおろか同期から笑いを大きく引き出し、同時に恐れ慄かれることになる。
2020年10月末には、にじさんじYouTubeチャンネルにて続いていた『ツキイチにじさんじ』内の罰ゲームにて、自分自身の人形を制作させられることになった。先にあげた「ご報告」動画に出演もしている。