にじさんじの“清楚”代表? シスター・クレアが活動を通して表現する「継続」の重要性

シスター・クレアが教えてくれた「継続」の重要性

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

 メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加している。

 デビューから順を追うように紹介してきた本連載。元1期生、元2期生、元ゲーマーズ組の次は、2期にわたる元SEEDs組について書いていきたい。

 2018年5月9日に公式アカウントがにじさんじSEEDsについて言及したツイートや、かつて運用されていたにじさんじSEEDs専用Twitterアカウントが初期にツイートした内容を見てみよう。

「活動内容やタイプに応じてグループ化をしていく、可能性を秘めたチャレンジ枠」

「控え目にお伝えすると、ヤベー奴らです。」

 2018年5月上旬というと、にじさんじゲーマーズ組として赤羽葉子と叶がデビューし、キズナアイ、輝夜月、ミライアカリ、電脳少女シロの「バーチャルYouTuber四天王」を先頭にして、「バーチャルYouTuberにはどんな可能性があるのか?」と当時のファンがワクワクしていたころだ。

 このころから徐々に、バーチャルYouTuberファンのあいだで「やべー奴」は徐々に広まっていった。リスナーの予想とは反するアンモラルな言動で笑いを取ろうとするもの、もっといえば「それは普通しないだろ?」「自分ならしない」といったリスナーの当たり前を壊す者たち、「常識破り」をしていくひとを指すようになる。これは良い意味にもなるし、時には悪い意味にもなることもある。

 こと「にじさんじ」においては月ノ美兎のブレイクと共にして、「やべー奴」は褒め言葉の意味合いとして広まっていく。この連載ではSEEDs組については緑仙、鈴木勝、卯月コウ、社築といった面々について書いてきた。彼らも一癖も二癖もある「やべー奴」であり、常識を破って可能性を模索し続けるというのが、SEEDs組が残した軌跡でもある。

 そんなSEEDs1期生のなかでも、シスター・クレアが放つオーラは、いまでも強くリスナーの元に届いているはずだ。そのビジュアル・口調・声色も相まって、おっとり、ほんわか、ゆるふわで穏やか。外部のムード感とは隔絶したフィールドを展開してきた。

10分でご理解いただけるシスター・クレア

 2018年6月5日にMirrativにて初配信。配信開始した直後にiPhoneの裏画面に飛んでしまいホーム画面が丸見えになってしまうという、いまの彼女からすると考えられないようなミスでキャリアをスタートさせた。

 デビュー後には半年もせず、にじさんじは全グループ統合化されることになるが、「可能性を秘めたチャレンジ枠」というDNAをもった元SEEDs組のメンバーは、その後も多くの場所で花開いていくことになる。それはシスター・クレアにも同様のことが言えるだろう。

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