イーロン・マスクの「ロケット発射台」も見れる YouTubeで話した“火星移住計画”への強い思いとは

 ティム・ドッド氏をオーナーとするロケット科学のYouTubeチャンネル「Everyday Astronaut」(チャンネル登録者数127万人)が、イーロン・マスク氏が自身で設立した宇宙開発企業スペースXのロケット発射台を昇り、胸に秘める想いを語る様子を動画で投稿した。該当の動画は、2022年5月26日公開の「Go up SpaceX's Starship-catching robotic launch tower with Elon Musk!」だ。

Go up SpaceX's Starship-catching robotic launch tower with Elon Musk!

 動画の場所は、スペースXのロケット発射場。動画の冒頭では、イーロン・マスク氏の口から、スペースXの事業に関する技術的な説明が語られる。次に場面が移って、発射台の頂上付近(約138メートル)の場所までエレベーターで昇るシーンがある。ここでインタビュアーが「スペースXの事業が、人間を多惑星の生き物に変えることだと信じていますか?」という質問を切り込む。実はイーロン・マスク氏は、スペースXで人間を火星に移住する計画を進めている。この質問に対し、イーロン・マスク氏は「実現可能だと信じている。人間を多惑星の生き物にするには、航空機のように、完全に再利用可能なロケットが鍵となる」と語る。ここで言う”再利用可能なロケット”とは、これまでのようにロケットを使い捨てるのではなく、機器の一部またはすべてを再利用するというもの(※)。これにより、輸送コストを下げてロケットを発射できると言われている。

 続けてイーロン・マスク氏は「地球では、重力場の強さと大気の密度を考えると、完全に再利用可能なロケットを作るのは困難。一方で火星は、地球の重力の約37~38%で、大気密度が約1%なので、比較的簡単にロケットを再利用できる」と、自身の事業の強みを語った。

 また動画内では、彼が推し進める火星移住計画についても触れており「長い期間で見ると、たとえ人間の仕業でなくても、自然災害によって地球上の生命はすべて破壊されるだろう。太陽が膨張して海が蒸発すると、地球も金星のようになるかもしれない。私たちが生存を続けていくには、人間は多惑星の生き物になる必要がある」と話した。

 イーロン・マスク氏の自信と夢に溢れる発言に、コメント欄でも「イーロン・マスク氏が、自身の作品に畏敬の念を抱くのはすばらしい!」「彼は歴史を作っている。私が生きているうちにそれを見られることを願っています」などと、賞賛の嵐であった。なお、こちらの動画はカットされずそのままYouTube動画にされているので、表舞台では見られない、素のイーロン・マスク氏の様子を見られる。動画は英語だが、イーロン・マスク氏の動向が気になっている方は、この機会にぜひ視聴してほしい。

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