『遊戯王 マスターデュエル』新カード追加と禁止制限変更で環境が大きく変化。強力なカードをどう扱うか

『マスターデュエル』禁止制限で変化した環境

ランクマッチに『ダイヤモンド』ランクが追加。より強い相手と戦えるように。

 また、今回のアップデートではランクシステムも変更された。新たに『ダイヤモンド』クラスが実装され、最高ランクがダイヤモンド1となった。また、これまでは同じクラス内であればマッチングする仕様だったが、今シーズンから同じクラス内でも、ダイヤ5はダイヤ5と、ダイヤ1はダイヤ1といった風に同Tierのプレイヤーとしかマッチングをしなくなった。

 これにより、常に同じくらいの相手と対戦ができる傾向が強まり競技性が上がった一方で、連続で同じ相手とマッチングすることも増えた。シングル戦でありながら相手のデッキ内容が分かる状態でデュエルすることになるので、これまでになかった読み合いが発生している。

 筆者は既にダイヤ1に到達しているが、ダイヤ帯ではプレイングやデッキ構築がしっかりしている相手が増えたこともあり、高レベルなデュエルを楽しめるようになった一方で、これまでしなかったランク降格なども経験するなど、ランクを上げ辛くなった印象を受けた。

 DCG自体が、OCG版と異なり対面でのコミュニケーションの楽しみがない分、勝利することそのものに楽しみを求めがちだ。しかし、『遊戯王』は膨大なカードプールがあり、デッキ構築の幅が広く、様々なカードを活かすことができるのが魅力のひとつとして存在する。

 現状のランクシステムでは、ランクが変動しなくなる最高ランクまで到達するまでは、強力な環境デッキ以外は使用しづらくなっている。そのため、今後はカジュアルマッチの実装や、ランクの降格条件を緩和したりするなど、ライトユーザーやファンデッキユーザーも楽しみやすいシステムを探ってほしいと感じる。

『フュージョンフェスティバル』では普段と異なるカードの活躍も。テーマ外デッキをどう考えるか

 また、5月12日〜23日の期間には融合モンスターをテーマにした『フュージョンフェスティバル』が開催された。強力な融合テーマ『シャドール』や、ストラクチャーデッキでピックアップされた『サイバードラゴン』デッキ、4月に実装された『デスピア』テーマ、『デストロイフェニックスガイ』を使用したデッキなどが活躍した。

 普段は使用しない『融合解除』がやたら強力な除去カードになるなど、イベントだからこそ光るカードも存在しており、ランクマッチとは異なる環境でデュエルを楽しむことができた。今回も前回のイベントと同様に、強力なレンタルデッキが存在し、カードが足りないユーザーでも気軽に参加できたのも高評価だ。

 その一方で、融合イベントにもかかわらず、融合を使用せずに勝利するデッキもいくつか存在した。特にこれまで全てのイベントで活躍してきた、特殊召喚を使用せず、相手の効果を封じるなどの妨害を行いながら戦う『真竜』デッキは今回も頻繁にマッチングしたほか、周回速度重視の『弁慶重装武者-ベン・ケイ』を用いたワンターンキルデッキも流行した。

 カードプールの多さゆえ、イベントの趣旨と異なるデッキを完全に規制するのは難しい。また、特定の召喚方法をテーマにデッキを組むために、カードをクラフトする必要がある他、カードプールが狭まると1試合にかかる時間は長くなる。テーマ外デッキが使われるのはこうした背景がある。

 それでも、イベントの度に『真竜』デッキと対戦することを不満に思っているユーザーも少なくないだろう。イベントの開催はマンネリ化を防ぐ効果があるが、そのイベントがマンネリに陥ってしまったら元も子もないので、ユーザーの動向をみつつ、イベント独自の禁止制限の設定や、イベントミッションのあり方を吟味してほしいと感じる。

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