『遊戯王 マスターデュエル』新カード追加と禁止制限変更で環境が大きく変化。強力なカードをどう扱うか
依然として人気を博している『遊戯王 マスターデュエル』。先月のアップデートで新パックが追加されてから1か月、更なる新パックの追加と、多くのユーザーが待ち望んでいた禁止制限の変更が行われた。
ユーザーの予想よりも早いアップデートに驚く声もあったが、先月行われたアップデートでは環境の変化が小さかった。そのため、今回のアップデートがもたらす影響には期待がかかっていた。本稿では、5月のアップデートや、実施されたイベントを振り返り、環境の変化や本作の今後について考察する。
『デストロイフェニックスガイ』&『相剣』で大きく変化した環境
4月に行われたカードの追加では、強力なカードが追加されたものの、カードプールの関係や、制限の変更が行われなかったこともあり、ランクマッチの環境が大きく変化することはなかったため、マンネリ化が懸念されていた。しかし、5月9日のアップデートでは、より多くのデッキに投入できる汎用性の高いカードの追加や、禁止・制限カード(リミットレギュレーション)の変更が行われたことで、使用されるデッキやカードに変化がもたらされた。
リミットレギュレーションの変更では、『ドライトロン』や『鉄獣戦線』といった環境テーマの多くに規制が入った。今回の規制は、マスターデュエルにとって初めての試みであるためか、最高レアリティのカードは1枚も規制されないなど、レアリティの高いカードにほとんど手が入っていないうえ、使い物にならなくなるまで規制されたテーマは存在しない。
新パック『リファインブレード』では、さまざまなデッキに出張採用されている『D-HERO デストロイフェニックスガイ』や、強力なテーマである『相剣』が新たに実装された。どちらもアナログ版(以下、OCG版)の環境で活躍したことがあり、共に関連カードに大きく規制がかけられるほどのパワーを有していた。
特に『デストロイフェニックスガイ』とその関連カードは、OCG版でほぼ全てのデッキに出張パーツとして投入された実績のあるカード。それだけに『マスターデュエル』でも猛威を振るうのではないかと噂されていた。実際、いざリリースされてみると多くのデッキが『デストロイフェニックスガイ』を投入しており、噂通りの強さを見せつけている。
OCG版を触っていないプレイヤーでも、動画などでたびたび「最強カード」として話題になった『デストロイフェニックスガイ』がどれほど強いのかを経験できるのはいい機会だ。とはいえ、強力すぎるカードなのは間違いなく、長期間放置することはできないカードなのは間違いない。今後のリミットレギュレーションの変更で、関連カードが規制される可能性は高いだろう。
一方の『相剣』は、デッキを組むのに必要なパーツが少なく、その分妨害用のカードを多く入れることができるので安定した動きがとりやすいテーマだ。コンボもシンプルで覚えやすいため、多くのデュエリストに人気を博している。
追加パックとリミットレギュレーションの変更で、これまで強力なデッキの代名詞的な存在だった『ドライトロン』は数を減らした印象だ。だが、ほかの規制されたテーマは、規制で空いた枠に『デストロイフェニックスガイ』を特殊召喚するギミックを組み込むことで、依然として環境で生き残っているようだ。それでも、『相剣』テーマや『デストロイフェニックスガイ』で対戦環境は大きく変化したことは間違いないだろう。