『遊戯王マスターデュエル』自爆デッキへの迅速な対応に称賛の声 ライトユーザーを見捨てない運営の気概

『マスターデュエル』に感じた運営の気概

 1月18日に配信開始された『遊戯王マスターデュエル』(以下、マスターデュエル)。2月17日から2月24日までの期間、「エクシーズフェスティバル」という初のイベントを開催した。名前の通り、“EXデッキから使用できるのはエクシーズモンスターのみ”という面白い内容となっている。

 ただ、誰も予期していなかった事態が起き、一時はかなりのデュエリストが困惑したが、運営のスピーディーな舵取りによって早々に終息に向かった。今回はこの一連の流れをまとめたい。

自爆デッキのレシピが出回る

 エクシーズフェスティバルはランク戦で得られるゲーム内の通貨“ジェム”に加えて、イベント終了後に景品と引き換えられる“メダル”がもらえる。ただ、勝った時に限らず、負けても少額ではあるがメダルをもらえる。筆者のような懐古主義のエンジョイ勢にとって、“負けても報酬がもらえる設定“には感謝しかない。

 早速初日からエクシーズフェスティバルに参加すると、ランク戦では味わえない刺激を堪能できたが、自分のライフを自ら削って負ける“自爆デッキ”と頻繁に遭遇することに違和感を覚えた。筆者は最近の遊戯王事情に疎いため、「自爆を楽しむユーザーもいるのかな?」くらいに思っていた。しかし、その多さにさすがに困惑したため、SNSでこの現象について調べると、負けても報酬がもらえることから、早々に負けて効率的にメダルを稼ぐユーザーが頻出しているらしい。

 筆者がSNSをチェックした時には既に自爆デッキのレシピが投稿されており、中には自爆デッキを装いつつ逆転勝利を狙うプレイ動画まで掲載されており、遊戯王というカードゲームの楽しみ方の幅広さを感じた。

勝者の報酬を上げることで対応

 自爆デッキと当たればこちらも楽にメダルをゲットできるが、さすがに高確率で自爆デッキユーザーと対戦していても面白くない。実際に不満を抱いたユーザーは多かったため、運営はイベント開催の翌日にあたる18日には、勝者の報酬をアップすることを決定。その対応に速さに驚かされた。

 加えて、負けた時にメダルをあげなければ自爆デッキは確実に減らせるにもかかわらず、敗戦時のメダルを据え置きしてくれたことには感謝しかない。筆者のようなモブデュエリストであっても見捨てない運営の配慮を感じた。

 とは言え、これまで真剣に戦ってメダルを地道に獲得したデュエリストからの不満の声も見られた。その気持ちはよくわかるが、ユーザー全員が納得するルールを設けることは不可能であり、不満を減らしながら公平性を担保することはとても難しい。しかし、今回の運営の対応はバランスのとれたものだと思うし、運営の対応の早さに対する称賛の声も多い。今回は初のイベントということもあり、いろいろな課題も見つかったが、運営の対応には希望を感じた。

ライトユーザーを見捨てない

 また、エクシーズフェスティバルでは、「金満で謙虚な壺」といったEXデッキを使わないことを想定したカードが軒並み禁止されたが、とりわけ「エルドリッチ」が含まれたことに動揺したデュエリストは少なくない。

 エルドリッチを軸にしたデッキはいわゆる“環境トップ”。さらにそもそものデッキの仕様上、EXデッキを使用せずとも戦うことが可能なため、イベントの前から今回のレギュレーション下で影響を受けづらく、イベントで猛威をふるう可能性が示唆されていた。。

 エルドリッチを始め、「金満で謙虚な壺」なども禁止カードにしたことは、イベントのレギュレーションにおける抜け穴を徹底的に塞ぐ、運営側の強固な意思を感じ、純粋にイベントを楽しみたい様々なランクのデュエリストに配慮した英断のように感じる。

 いろいろな反響を呼んだエクシーズフェスティバル。ただ、ライトユーザーを見捨てていない運営側の気概を強く感じられたため、今後もどのようなイベントを打ち出すのか楽しみに待ちたい。

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