『彼とオオカミちゃんには騙されない』もう一度観ればわかる、新ルール“彼”が守り抜いた真実とは?

『彼オオカミ』もう一度観ればわかる真実

 女子メンバーの中に恋をしない“オオカミちゃん”が1人以上潜んでいるだけでなく、さらに男子メンバーの中からも1名だけ選ばれる“オオカミちゃん”の正体を知る“彼”。“彼”のミッションは“オオカミちゃん”の秘密を最終告白が終了するまで守り抜くことで、もし途中でその秘密を明かしてしまえば“彼”はその時点で失格となる。ある意味、“オオカミちゃん”以上に難しい“彼”という役回りに“選ばれてしまった”のは最年少のサスケ(SASUKE)だった。

 さらに、最終告白でサスケは“オオカミちゃん”だと分かっていながらまゆ(北澤真悠)の元に向かい想いを伝えた。全てが明かされた上で、その余韻に浸りながら“彼”に注目してもう一度『彼オオカミ』を観返してみると、また物語は異なる表情を見せる。

 サスケが序盤にせいな(高橋聖那)と一緒に「もし自分が“彼”だったらどうする?」と話すシーンがある。スタジオから恋模様を見守るMC陣も、その際サスケに“彼”フラグを立てていたが、そこでの議題は2つだった。まず1つ目が、自分の好きな相手が“オオカミちゃん”だった場合どうするか。そして2つ目が、自分には関係のないところで“オオカミちゃん”が動いていた場合に、どう立ち回るか、友人を助けるのか。

 まず前者についてサスケは、「自分が好きだったら一緒。関係なく伝えるかな」と言及していた。そして言葉通りやり切ったことになる。最初はゆなとまゆからのアプローチの狭間で揺れ動いていたサスケ。太陽LINEを送って先行アプローチをしたゆなが優勢に思えたが、徐々にその気持ちはトーンダウンしていき、ゆなにも「気になる人が2人いるって言ってたの、一旦取り消していいですか」と告げる。“追う恋が好き”というゆなにとっては、これがより恋心に火をつける展開にも派生する訳だが、そこで同じく火がついたのが一途なレオ(松本怜生)からゆなへの想いだった。そのレオのあまりに真っ直ぐな想いがサスケに“彼”の役目に集中し、全うさせることを決意させたようにも思える。

 また、サスケからまゆに対しての変化もみて取れた。サスケについて「私が話しかけても何も返ってこないんだよね」とこぼしていた通り、まゆの目を真っ直ぐには見つめられず、困った時には片方の口角だけが上がっていたサスケにも変化が現れる。たとえ“オオカミちゃん”だとしても、様々な思惑があろうと自分に向かってあれこれ投げかけてくれ向き合ってくれるまゆの姿に、サスケも“正体を知られてはいけない者”同士、その孤独や苦しみに触れ理解できるところがあったのかもしれない。

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